卒業
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湘北高校にも、卒業式の日が訪れた。
私は流川君と3年間同じクラスで、そしてずっと彼に片思いをしていた。
1年生の1学期に初めて練習を見に行った時、容姿端麗な彼のプロ級のバスケに驚き、虜になってしまった。
その時、当時の主将の妹・赤木晴子とも出会い、その場で意気投合して仲良くなった。
晴子も、当初は流川君が好きだったらしいけど…後々赤い髪がトレードマークの、桜木君に惹かれていったようだった。
それ以降…桜木君・晴子・流川君・私の4人で一緒に帰ったり、昼休みを一緒に過ごしたり、放課後お茶をしたりする事等が多々あった。
そんなこんなの高校生活を送り続け、今日はとうとう卒業式。
式は予定通り執り行われ、流川君は睡魔と闘いつつも、しっかり出席した。
式が終わってから、教室・校庭・体育館…思い出の場所で、各自記念撮影。
特に流川君は人気だから、同級生・後輩・OGから引っ張り凧状態だった。
撮影が落ち着いて、生徒達が徐々に下校していった頃…
私達は高校3年生の年、最初で最後に4人一緒のクラスになった『3年3組』の教室に残っていた。
「高校の3年間…あっという間だったね。
思い出がいっぱいすぎて、一生忘れられない。」
晴子が涙を流しながら言った。
「晴子さん!そうでしょう!そうでしょう!
この天才・桜木の急成長、一躍有名人化、湘北3年連続全国出場etc…こんな素晴らしい事、湘北でこの桜木あってこそ、晴子さんの胸に刻まれた素晴らしい思い出です!」
1年生の頃からほとんど変わらない自信満々さで、喋り倒す桜木君。
「はぁ…幾つになっても、どあほうは変わらず…。」
こちらもまた、いつも通りの返しの流川君。
「ふぬー!!流川、テメー!!」
またまた変わらない、桜木君の返し。
でも本当に…無名だった湘北バスケ部は、流川君・桜木君が入部した年から、メキメキと実力を上げていき、一気に全国区になり、地方からも入学希望者が出るほどだった。
2・3年生の時も優秀な結果を出していたが…
一番印象深いのは、IH初出場時の湘北対山王工業戦。
いつも喧嘩ばかりの流川君と桜木君が、初めて連携プレイでチームに貢献し、尚且つ仲間として認め合った所は、今でもしっかり目に焼きついている。
そうそう、私達4人の進路はと言うと…
「晴子は、地元の大学の教育学部行くんだよね?」
「そう。私小さい頃から、幼稚園教諭と小学校教諭の資格取るのが目標だったし…。
もし小学校の先生になれたら、そこでまた湘北バスケ部マネージャー経験が活かせたら良いなって、思うんだ。」
目をキラキラ輝かせながら、晴子は将来の希望を話した。
「晴子さん…素敵です(涙)」
「桜木君だって、バスケ強豪の体育大学からスカウト来て、推薦で進路決めたじゃない!
本当…桜木君、全くの初心者だったのが、3年間でここまで変わるなんて、すごいわよぅ!」
晴子が褒めまくる。
「そーっすか!?何しろ天才ですから!!」
晴子と桜木君の進路の話で盛り上がり、次は私の番が来た。
「そう言えば、まどかさんは何処の大学でしたっけ?」
桜木君に聞かれ…
「私は関西の女子大。ずっと神奈川で生まれ育ったし、別の世界を見て見たいなとか思ったりもしたし…それを経験するには、最後の学生生活になる大学4年間が、一番良いかと思って…。」
「そっか… まどかは大学4年間は関西なんだよね…。遠くなっちゃうね…。」
晴子が寂しそうに呟く。
「うん。今月半ば頃には、関西へ引っ越しする。
でも、就職は“東京”って決めてるし、4年間時間を見つけてなるべく地元にも帰る予定だから。」
3人の進路が判明したところで、流川君の進路と言うのは…
「流川君は…本当に凄いよね。何もかも…。」
「何が?」
ぶっきらぼうに受け応えする。
「1年生の夏に『アメリカ留学したい』って言って、その夢の為にバスケ頑張りながらも英語も猛勉強して、英検にTOEICも取得して…念願叶えてアメリカの大学行き決めちゃうんだから!!」
私は夢を叶えた流川君の事を、自分の事のように嬉しく語ってしまった。
でも…流川君は4月からアメリカ、引越なり各種手続きなどの関係で、2週間後には渡米してしまう。
時差もあるし、連絡時間もまばらになるのは勿論、日本帰国のタイミングも合うことやら…。
春からは…晴子と桜木君は地元の大学、私は関西の大学、流川君はアメリカ…。
青春時代を過ごした4人は、本当にバラバラになってしまう。
今でも寂しさを強く感じているけど、私の引っ越しに流川君の渡米当日を迎えたら…どんな気持ちになってしまうんだろう??
神妙な面持ちで教室に居たら、ある人が現れた。
「おや、君達。まだ残っていたのかね?」
湘北バスケ部監督の安西先生だった。
「オヤジ!!」
「「「安西先生!!」」」
みんなで席を立ち上がった。
「流川君、桜木君、赤木さん、藍川さん…改めて、卒業おめでとう。」
「おぅ!オヤジ!」
「「「ありがとうございます。」」」
みんなで残ってて、まさか安西先生が来るなんて、サプライズと言っても過言ではないかも…と思ってしまった。
「流川君、桜木君。私はこの湘北高校バスケ部監督に就任して…いや、私の監督人生の中で君達2人に出会えた事ほど嬉しいことは、なかったかもしれない。
君達の3年間のバスケは、他の誰にも負けない素晴らしいものだった。
そして君達は大学へ行っても、もう十分通用する力が身に付いている。
自信を持って、新しい道に進みなさい。」
「「ありがとうございます!!」」
桜木君まで、珍しく敬語で応答していた。
「流川君、桜木君だけではなく、赤木さんに藍川さん…。
君達の3年間も、素晴らしかったと私は思いますよ。
ただ、私から最後に皆さんに言いたいことは…
卒業しても、それぞれ必ず自分の壁や悩み事にぶつかることがあるでしょう。
そうなった時は、迷わずこの母校・湘北高校に来て下さい。
私はいつでも、皆さんを待ってます。
ほーっほっほっほっ。」
そう言い残して、安西先生は教室を出ていった。
私達4人はその場で涙を流した。
教室を出て安西先生の後ろ姿を見つめながら、大声で、
「「「「安西先生!3年間大変お世話になり、ありがとうございました!」」」」と叫んだ。
また教室に戻り、4人になった時…
「まどか …。3年間お前が好きだった。
アメリカに行っても、その気持ちは変わりはしねぇ。
一流バスケ選手になって、お前を幸せにする。
約束してくれ。」
流川君から気持ちを伝えてきて、抱きしめられた。
「私も楓と同じ気持ちです♡」
そう答えた。
こうして、私達4人の激動の高校生活は終わった。
ありがとう、湘北高校。さよなら、湘北高校。
また会う日まで…。
♪ 教室の窓辺には うららかな陽だまり
あと僅かの春のカレンダー
授業中 見渡せば 同じ制服着た
仲間たちが 大人に見える
それぞれの未来へと 旅立って行くんだね
その背中に 夢の翼(はね)が 生えてる
桜の花びらたちが咲く頃
どこかで 希望の鐘が鳴り響く
私たちに明日の自由と 勇気をくれるわ
桜の花びらたちが咲く頃
どこかで 誰かがきっと祈ってる
新しい世界のドアを 自分のその手で開くこと
桜の花びらたちが 散っても
一緒に過ごした日々を忘れない
つらいことに負けそうなとき この木に帰ろう
桜の花びらたちが散っても
瞳を閉じればいつも 咲いている
輝いた 青春時代は これから生きてく
地図になる...♪
https://youtu.be/kErleBousc0
AKB48 『桜の花びらたち』
…※別バージョン参照
私は流川君と3年間同じクラスで、そしてずっと彼に片思いをしていた。
1年生の1学期に初めて練習を見に行った時、容姿端麗な彼のプロ級のバスケに驚き、虜になってしまった。
その時、当時の主将の妹・赤木晴子とも出会い、その場で意気投合して仲良くなった。
晴子も、当初は流川君が好きだったらしいけど…後々赤い髪がトレードマークの、桜木君に惹かれていったようだった。
それ以降…桜木君・晴子・流川君・私の4人で一緒に帰ったり、昼休みを一緒に過ごしたり、放課後お茶をしたりする事等が多々あった。
そんなこんなの高校生活を送り続け、今日はとうとう卒業式。
式は予定通り執り行われ、流川君は睡魔と闘いつつも、しっかり出席した。
式が終わってから、教室・校庭・体育館…思い出の場所で、各自記念撮影。
特に流川君は人気だから、同級生・後輩・OGから引っ張り凧状態だった。
撮影が落ち着いて、生徒達が徐々に下校していった頃…
私達は高校3年生の年、最初で最後に4人一緒のクラスになった『3年3組』の教室に残っていた。
「高校の3年間…あっという間だったね。
思い出がいっぱいすぎて、一生忘れられない。」
晴子が涙を流しながら言った。
「晴子さん!そうでしょう!そうでしょう!
この天才・桜木の急成長、一躍有名人化、湘北3年連続全国出場etc…こんな素晴らしい事、湘北でこの桜木あってこそ、晴子さんの胸に刻まれた素晴らしい思い出です!」
1年生の頃からほとんど変わらない自信満々さで、喋り倒す桜木君。
「はぁ…幾つになっても、どあほうは変わらず…。」
こちらもまた、いつも通りの返しの流川君。
「ふぬー!!流川、テメー!!」
またまた変わらない、桜木君の返し。
でも本当に…無名だった湘北バスケ部は、流川君・桜木君が入部した年から、メキメキと実力を上げていき、一気に全国区になり、地方からも入学希望者が出るほどだった。
2・3年生の時も優秀な結果を出していたが…
一番印象深いのは、IH初出場時の湘北対山王工業戦。
いつも喧嘩ばかりの流川君と桜木君が、初めて連携プレイでチームに貢献し、尚且つ仲間として認め合った所は、今でもしっかり目に焼きついている。
そうそう、私達4人の進路はと言うと…
「晴子は、地元の大学の教育学部行くんだよね?」
「そう。私小さい頃から、幼稚園教諭と小学校教諭の資格取るのが目標だったし…。
もし小学校の先生になれたら、そこでまた湘北バスケ部マネージャー経験が活かせたら良いなって、思うんだ。」
目をキラキラ輝かせながら、晴子は将来の希望を話した。
「晴子さん…素敵です(涙)」
「桜木君だって、バスケ強豪の体育大学からスカウト来て、推薦で進路決めたじゃない!
本当…桜木君、全くの初心者だったのが、3年間でここまで変わるなんて、すごいわよぅ!」
晴子が褒めまくる。
「そーっすか!?何しろ天才ですから!!」
晴子と桜木君の進路の話で盛り上がり、次は私の番が来た。
「そう言えば、まどかさんは何処の大学でしたっけ?」
桜木君に聞かれ…
「私は関西の女子大。ずっと神奈川で生まれ育ったし、別の世界を見て見たいなとか思ったりもしたし…それを経験するには、最後の学生生活になる大学4年間が、一番良いかと思って…。」
「そっか… まどかは大学4年間は関西なんだよね…。遠くなっちゃうね…。」
晴子が寂しそうに呟く。
「うん。今月半ば頃には、関西へ引っ越しする。
でも、就職は“東京”って決めてるし、4年間時間を見つけてなるべく地元にも帰る予定だから。」
3人の進路が判明したところで、流川君の進路と言うのは…
「流川君は…本当に凄いよね。何もかも…。」
「何が?」
ぶっきらぼうに受け応えする。
「1年生の夏に『アメリカ留学したい』って言って、その夢の為にバスケ頑張りながらも英語も猛勉強して、英検にTOEICも取得して…念願叶えてアメリカの大学行き決めちゃうんだから!!」
私は夢を叶えた流川君の事を、自分の事のように嬉しく語ってしまった。
でも…流川君は4月からアメリカ、引越なり各種手続きなどの関係で、2週間後には渡米してしまう。
時差もあるし、連絡時間もまばらになるのは勿論、日本帰国のタイミングも合うことやら…。
春からは…晴子と桜木君は地元の大学、私は関西の大学、流川君はアメリカ…。
青春時代を過ごした4人は、本当にバラバラになってしまう。
今でも寂しさを強く感じているけど、私の引っ越しに流川君の渡米当日を迎えたら…どんな気持ちになってしまうんだろう??
神妙な面持ちで教室に居たら、ある人が現れた。
「おや、君達。まだ残っていたのかね?」
湘北バスケ部監督の安西先生だった。
「オヤジ!!」
「「「安西先生!!」」」
みんなで席を立ち上がった。
「流川君、桜木君、赤木さん、藍川さん…改めて、卒業おめでとう。」
「おぅ!オヤジ!」
「「「ありがとうございます。」」」
みんなで残ってて、まさか安西先生が来るなんて、サプライズと言っても過言ではないかも…と思ってしまった。
「流川君、桜木君。私はこの湘北高校バスケ部監督に就任して…いや、私の監督人生の中で君達2人に出会えた事ほど嬉しいことは、なかったかもしれない。
君達の3年間のバスケは、他の誰にも負けない素晴らしいものだった。
そして君達は大学へ行っても、もう十分通用する力が身に付いている。
自信を持って、新しい道に進みなさい。」
「「ありがとうございます!!」」
桜木君まで、珍しく敬語で応答していた。
「流川君、桜木君だけではなく、赤木さんに藍川さん…。
君達の3年間も、素晴らしかったと私は思いますよ。
ただ、私から最後に皆さんに言いたいことは…
卒業しても、それぞれ必ず自分の壁や悩み事にぶつかることがあるでしょう。
そうなった時は、迷わずこの母校・湘北高校に来て下さい。
私はいつでも、皆さんを待ってます。
ほーっほっほっほっ。」
そう言い残して、安西先生は教室を出ていった。
私達4人はその場で涙を流した。
教室を出て安西先生の後ろ姿を見つめながら、大声で、
「「「「安西先生!3年間大変お世話になり、ありがとうございました!」」」」と叫んだ。
また教室に戻り、4人になった時…
「まどか …。3年間お前が好きだった。
アメリカに行っても、その気持ちは変わりはしねぇ。
一流バスケ選手になって、お前を幸せにする。
約束してくれ。」
流川君から気持ちを伝えてきて、抱きしめられた。
「私も楓と同じ気持ちです♡」
そう答えた。
こうして、私達4人の激動の高校生活は終わった。
ありがとう、湘北高校。さよなら、湘北高校。
また会う日まで…。
♪ 教室の窓辺には うららかな陽だまり
あと僅かの春のカレンダー
授業中 見渡せば 同じ制服着た
仲間たちが 大人に見える
それぞれの未来へと 旅立って行くんだね
その背中に 夢の翼(はね)が 生えてる
桜の花びらたちが咲く頃
どこかで 希望の鐘が鳴り響く
私たちに明日の自由と 勇気をくれるわ
桜の花びらたちが咲く頃
どこかで 誰かがきっと祈ってる
新しい世界のドアを 自分のその手で開くこと
桜の花びらたちが 散っても
一緒に過ごした日々を忘れない
つらいことに負けそうなとき この木に帰ろう
桜の花びらたちが散っても
瞳を閉じればいつも 咲いている
輝いた 青春時代は これから生きてく
地図になる...♪
https://youtu.be/kErleBousc0
AKB48 『桜の花びらたち』
…※別バージョン参照
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