第一章
夢小説設定
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その日はよく晴れたいい天気だった。寒さも身を潜め、土からはぽかぽかとした暖かい空気が湧き上がっているようだ。
水色の長い髪に同じ水色の目をした少年は、
長い睫毛に縁取られた瞼をぱちりと開け、掛けられていた布団を跳ね除けてキョロキョロと辺りを見回し、次いで徐ろに部屋を飛び出した。
少年は、軽い足音を立てて古びた木造の廊下を走る。
中庭に探していた人物を見つけ、ぱあっと顔を輝かせると、縁側から庭先に裸足のまま飛び降りる。
楓「れーいー!!」
零「っ……おい!馬鹿!楓!靴を履け!それとまだ動くなって……」
楓……と呼ばれた小柄な少年は民宿の庭先で修練をしていた鬼道衆の少年、石動零に思い切り抱きつく。
楓「れーいー。しゅーれん、終わった?僕お腹空いちゃった」
無邪気に歯を見せて笑い、タンクトップ一枚の逞しい胸に頭を擦り寄せる楓を見遣り、零は眉間に皺を寄せ、溜め息と共に舌打ちを一つ。
伊吹丸『やれやれ……お前も厄介なものに好かれたものだな。しかし、傷の手当てばかりか、"名前までくれてやろうとは"……一体どういう風の吹き回しなのやら……』
そう言って姿を現したのは、零と共に修業の旅をする地獄の四将、鬼童伊吹丸である。
地獄に魂の半分を繋がれている霊体の鬼は、何やら意味有りげな視線を零に向け、微かに笑んだ。
零「……チッ……笑ってんじゃねぇよ。どうもこうも、ただの気まぐれだ。傷が治ったら置いていく。余計な道連れはいらねぇ」
伊吹丸『その気まぐれを起こすこと自体が以前のお前にはなかった事だと記憶しているが……』
伊吹丸の言葉に、零が言い返そうと口を開いた時だった。
楓「ねー、零ー、お昼ご飯まだ〜?」
何とも気の抜けた声が会話を遮る。
楓は相変わらず零に抱き着いたまま、心なしか眉が下がり、まるで餌を待つ仔犬のような表情で、彼を見上げる。
そんな楓に、零はもう一度、盛大なため息を吐くと、片手で顔を覆った。
零「……分かった。分かったから静かにしてくれ……」
ご飯ご飯と騒ぐ楓を引きずったまま、歩く零は"彼"と出逢った時のことを思い出していた。
零(……ったく……なんだってこんな事になったんだ………)
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水色の長い髪に同じ水色の目をした少年は、
長い睫毛に縁取られた瞼をぱちりと開け、掛けられていた布団を跳ね除けてキョロキョロと辺りを見回し、次いで徐ろに部屋を飛び出した。
少年は、軽い足音を立てて古びた木造の廊下を走る。
中庭に探していた人物を見つけ、ぱあっと顔を輝かせると、縁側から庭先に裸足のまま飛び降りる。
楓「れーいー!!」
零「っ……おい!馬鹿!楓!靴を履け!それとまだ動くなって……」
楓……と呼ばれた小柄な少年は民宿の庭先で修練をしていた鬼道衆の少年、石動零に思い切り抱きつく。
楓「れーいー。しゅーれん、終わった?僕お腹空いちゃった」
無邪気に歯を見せて笑い、タンクトップ一枚の逞しい胸に頭を擦り寄せる楓を見遣り、零は眉間に皺を寄せ、溜め息と共に舌打ちを一つ。
伊吹丸『やれやれ……お前も厄介なものに好かれたものだな。しかし、傷の手当てばかりか、"名前までくれてやろうとは"……一体どういう風の吹き回しなのやら……』
そう言って姿を現したのは、零と共に修業の旅をする地獄の四将、鬼童伊吹丸である。
地獄に魂の半分を繋がれている霊体の鬼は、何やら意味有りげな視線を零に向け、微かに笑んだ。
零「……チッ……笑ってんじゃねぇよ。どうもこうも、ただの気まぐれだ。傷が治ったら置いていく。余計な道連れはいらねぇ」
伊吹丸『その気まぐれを起こすこと自体が以前のお前にはなかった事だと記憶しているが……』
伊吹丸の言葉に、零が言い返そうと口を開いた時だった。
楓「ねー、零ー、お昼ご飯まだ〜?」
何とも気の抜けた声が会話を遮る。
楓は相変わらず零に抱き着いたまま、心なしか眉が下がり、まるで餌を待つ仔犬のような表情で、彼を見上げる。
そんな楓に、零はもう一度、盛大なため息を吐くと、片手で顔を覆った。
零「……分かった。分かったから静かにしてくれ……」
ご飯ご飯と騒ぐ楓を引きずったまま、歩く零は"彼"と出逢った時のことを思い出していた。
零(……ったく……なんだってこんな事になったんだ………)
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