荒木荘短編集
name changes
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「珍しいね、ジルナがここに来るなんて」
驚いたようにそう言うプッチさん、私は今教会にいる
懺悔室はよくドラマとかで見る個室で、隣にいるであろうプッチさんは壁に隔てられていて見えない
「まあね……今日は本当に懺悔しなきゃいけないなって思って……」
そう言いながら私は自分の膝を抱える
今日私がここに来たのは別にプッチさんをからかいに来たとかじゃない、本当に懺悔しに来たのだ
そんな私の言葉にプッチさんは隣でクスクスと笑った
「プッチさん?」
「あ、すいません……なんか本当にションボリとしているので……」
「……うん……」
「では、本題に移りましょうか?」
そう言ったプッチさんの声は本気だった私はついさっきあった出来事を思い出しながら口を開いた
「実はさ……お父さんと喧嘩しちゃって……」
そう言うとプッチさんはなんとなく驚いたような声を出した
しかし、それ以上深く追求するような事は言ってこない
私はそのまま何故お父さんと喧嘩したのかを言う事にした
「お父さんさ……冷蔵庫の中にある私のプリン食べたんだよ」
「フフッ……確か名前書いてましたね……」
「そう!!なのに……珍しく起きてると思ったら……私のプリン……ッ!!」
「それで……何故急にここに?太陽に当たるかもしれないリスクもあるのに……」
プッチさんは私が話すと少し笑いながらもしっかりと聞いてくれた
プッチさんの質問に私はそのまま続ける
「その……言葉の弾みで……お父さんに"太陽に当たって灰になって死んでしまえ!!このスカタン"って言っちゃって……その後トドメと言わんばかりに"悔しかったらお母さんを私に見せてみろ!!異母兄弟何人居るんだよ!!このドグサレ!!"って言っちゃって……」
「それはDIOにとって最低最悪の悪口ですね」
「うん……だよね……」
お父さんに言ってしまった悪口を言うとすぐさま返事をしてきたプッチさん、その言葉に気が滅入る
いくらなんでも言い過ぎたのかもしれない……たかがプリンで……子供過ぎるよね、もう少し大人にならないと……
そう思っても言ってしまった事には変わりない、少し自己嫌悪に陥っていると
「でも、どうやらDIOも悪いと思っているようですよジルナ」
と、プッチさんは急にそう言ってきた、お父さんに直接聞いたわけじゃないのになんでそう言えるのか、疑問に思い思わず聞き返すと
「……ジルナ」
と、扉の向こう側からお父さんの声が聞こえた、私は思わず立ち上がり扉を開けた
すると、隣からはプッチさんがもう既に出ていて、プッチさんに隠れるようにお父さんが立っていた
「お父さん?」
思わず名前を呼ぶとお父さんは肩をビクつかせながら私の方をコソッと見た、その姿は夜の時とはまるで違う
お父さんはプッチさんに背中を押され、私の前に出てきた、私たちが驚いている間にプッチさんは別の人の方に向かって行っている
「「……」」
プッチさんに置いていかれた私達は向かい合いながら黙っている事しか出来なかった
お父さんは眉毛を下げて情けない顔になっている、私と同じの真っ赤な目は色々な方向を向いている
そんな情けなくて親バカで変なところで偉そうなお父さんに私は
「ごめん」
と、一言言った、するとお父さんは私の方を見て目を見開いた、そして微笑みながら
「……プリン、食べて悪かった……」
と、言った、お父さんの容姿に似合わない"プリン"と言う単語に思わず笑ってしまった
私達はそれから一緒に荒木荘に戻った、心の中でプッチさんにお礼を言ったのは言うまでもない
(そうだジルナ、お前のためにプリンを買ってきたんだ、これで機嫌を直してくれ)
(あ、ありがとうお父さん……あれ?カーズ、何食べてるの?)
(プリンだ)
(……それプッチのだぞ)
(……まずいんじゃない?)
(証拠隠滅すればよかろうなのだァァーーッ!!)
(いいわけ無いでしょ!!)