荒木荘短編集
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いつもの時間に起きてからと言うもの私は漫画を読んでいた
吉良はプッチさんと夜ご飯を作り、カーズは私の横で同じ漫画を読み、お父さんはドッピオと一緒にテレビを見ている
私は吸血鬼だが人間の部分もきっと少なからずある筈なので一応栄養は摂取しないといけないのだろう……お父さんは食べる気はあまり無いようだけど
そんなグダグダ空間の中、ピンポーンと気の抜けたインターフォンの音が響いた
「おいお前ら、漫画とテレビ見ているなら出ろ」
「私パス今いいところ」
「私もだ今丁度仲間が一人死んだぞ」
「あッカーズ!!ネタバレ!!」
「フハハハハハハッ!!」
「そこのバカ二人出ろ」
「「……」」
誰が出るか話していたらカーズにネタバレされ、喧嘩をしていたら吉良がキラークイーンを出しながら命令してきた、それに私とカーズは無言で立ち上がり玄関に向かった
一応食物連鎖の頂点に立つ究極生命体が隣にいるのでチェーンはつけずにそのまま玄関を開けた
「はいはーい誰ですか?」
「ジルナ!!」
玄関を開け訪問者の顔を見ようとした時、急に外に引っ張られ誰かに抱き締められた、いきなりの事で考えるのをやめた私の後ろでカーズが少なからず驚いているのがなんとなく分かった
「……ん?」
「ジルナ!!パパが迎えに来たぞ!!」
「ほォ……」
瞬きを繰り返している私を放置して訪問者とカーズは何かを言った、異変に気がついたお父さんがカーズを退かして私の後ろに来たのがなんとなく想像できた
「ディエゴッ貴様!!このDIOの娘に何をする!!」
「フン……お前の娘じゃあない俺の娘だ」
そこまで聞いてようやく私は抱き締めてきた人物がわかった、それと同時に思わず溜め息も出てしまう
ディエゴ・ブランドー……私のもう一人のお父さんと言った方がいい人物だ、お父さんと私の親権を奪おうとしている人物だが、私からしたらどっちもお父さんだ
だが一応私はディエゴと呼んでいる、お父さんと呼んでもいいが、一度呼んだら両方のお父さんが返事をして最終的に喧嘩をし始めたのだ、それから私はディエゴと呼んでいる
「ディエゴ、どっちもいいから離して」
「……WRY…」
「ハハハハハハ!!ジルナに嫌われたなディエゴ!!」
「私はお父さんの親バカさが嫌」
「WRYYYY!?」
ディエゴに離してもらい部屋に入ろうとすると、お父さんはディエゴを馬鹿にした、そんなお父さんにツッコミを入れてニヤニヤしているカーズの横を通る
「久しぶりだなディエゴ、夜飯食べて行くか?」
「……もらっていく……ジルナと一緒に食べたいのでな」
「お前ごときがジルナの名前を軽々しく呼ぶな」
「そうかせっかく人が金を持ってきてやったのに……」
「ありがとうディエゴ、DIOの無礼を許してくれ」
「ああ、いいぞ吉良」
漫画を読んでいるとそんな馬鹿な大人のやり取りが聞こえ、思わずまた溜め息が出てしまう
そんな私を見かねてかドッピオが私にコソリと大変だね…と耳打ちしてきた
それに苦笑すると今度はカーズがどっちが父親がいいのかと聞いてきたが、どっちでもいいと答えながら漫画を読み続ける
「ジルナ、俺の娘になれば恐竜見放題だぞ!!」
「私別に恐竜に興味ないし」
「ジルナ、このDIOの娘であり続けてくれ一生傍に居てやる」
「いい迷惑だよ」
漫画を読んでいても二人の親権争いは続く、そんな私の様子を見てカーズは爆笑している
いい加減二人の言葉にイラついてきたのでライでガムテープを出し、二人の口を塞いだ
「大変だね##NAME2##ちゃん」
「ドッピオだけだよ……私の心を休めてくれるのは……」
「とおるるるるるん」
「……」
「で、俺がなんだってジルナ?」
「死ねディアボロ」
私を慰めてくれたドッピオに思わず抱き着くといきなりディアボロに変わった、そんな空気の読めないディアボロを貶し私は机の上を整理し始めた
そろそろ吉良とプッチさんがご飯を作り終えてくれた時間だ
(今日はカレーだ)
(ジルナ、DIOとディエゴを解放して?)
(チッ……)
(プハッ!!ジルナ何故拘束した!!)
(お前がうるさかったんだDIO!!)
(貴様!!このDIOを貶してただで済むと思うなよ!!)
(ギャァァァ!舌噛んだッ!!)
(今日の死因は舌を噛むか……ディアボロめ弱い生物よ)
(カーズ零してる……)
(全て零せばよかろうなのだァーッ!!)
(食べ物を粗末にするな)