荒木荘短編集
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予定通り、私の初給料で人間組と一緒にJOJO苑に焼肉を食べに行く事になった
人外のお父さんとカーズを置いて、吉良とドッピオと一緒に荒木荘を出る、残念ながらディエゴとプッチさんそしてヴァレンタインは仕事で来れないそうだ
来れない五人のためにも私は今日は無理をしてでも焼肉を楽しもうとドッピオと決心した
店に入ると席は空いていたようですぐに席に案内された、それにしても案内をしているこの店員は凄い頭をしているな……今時リーゼントなんて久しぶりに見た
そんな事を思っていると、吉良が急に若干汗をかきながら眉間にシワを寄せていた
「どうしたの?き……」
「静かにしろジルナ」
「…………」
吉良の名前を呼ぼうとした時、吉良は私の口を物凄い力で防ぎ黙らせた
そんな私達を店員を追いかけながらドッピオが注意をする、ドッピオに言われてから手を離した吉良を少し睨みながら席につく
リーゼントの店員さんは見かけによらず、優しそうな口調でメニューを渡してまた出入り口の方に向かって行ってしまった
「今の店員さん凄かったね」
「そうですね……僕ちょっと怖かったです」
「…………」
「……吉良?」
「……なんでもない、早く頼んでくれ」
「はい……吉良さん、どうかしたんですか?」
「いいか二人共……今だけ私の事は川尻と呼んでくれ」
「変な偽名」
「いいから呼んでくれ」
「「……はーい」」
吉良の真面目な顔に私とドッピオは顔を見合わせながら返事をする、そしてそのままメニューに目を落とす
流石は人気の焼肉店、美味そうな写真の隣に現実的な値段が書かれている
少し苦笑いをしながらその値段が一番安いコースを頼む事にした
吉良に伝えると手早く店員を呼んでくれた、軽い返事をしてパタパタとこちらに駆け足で向かってくる店員
ドッピオと話しながらその店員を少し見た瞬間、私は思わず勢い良く席を立ってしまった
「……?ジルナちゃん?」
「ジルナ、いきなり席を立つな」
ドッピオと吉良の注意をする声が聞こえる中、私は静かにこちらに向かってくる店員を見ていた、すると向こうも気がついたのか明らかに顔をしかめた
「…………ジョルノ……」
「……ジルナ……ですか」
私達はそれぞれお互いの名前を呟きながら睨み合った、そんな私達を見て知り合いかと言う吉良と怯えているドッピオの声がする
ジョルノ……目の前にいるこの店員の名前は汐華初流乃……ジョルノ・ジョバーナとも呼べる人物だ、このジョルノは実は私の弟……母親が違うという点を除いてはの話だが
「どうして貴方がここに?吸血鬼である貴方が外に出たらまずいのでは?」
「今は夜だからいいの……それより、ジョルノこそ何故こんな所に?」
「仕事ですよ、そろそろ休憩ですが……」
ジョルノと睨み合いながらそう会話をする、吉良とドッピオは私達の会話を聞いて驚いたりビクビクしている
そんな二人を横目に私はジョルノを警戒していた、傍から見たら母親が違うとは言え姉弟の再会だ喜ぶべきだと思う……だがとんでもない、私達は正直言って相性最悪、不仲過ぎる程の姉弟だ
以前、他の異母姉弟達と共にお父さんに紹介されたが、このジョルノだけは私を警戒していた、父親とは言え人間を食料とする吸血鬼……そんな遺伝子を私だけ受け継いだからだろうそんな態度が私はあまり好きではない
リキエルやヴェルサスやウンガロは元々プッチさんの経由で知り合いだったしどちらかと言うと話も盛り上がり好きな方だ、だがジョルノは明らかに違っている
「……それよりも注文をとってもいいですか?」
「……まずそのゴールドエクスペリエンスを仕舞ってからね」
「なら貴方もライを仕舞ってください」
「いやジョルノが先に」
「いやジルナが」
「ジョルノ」
「ジルナ」
「ジョルノだ」
「ジルナです」
くだらない事で揉めているのは重々承知している、だがこのジョルノだからこそ譲れないのだ
しばらくお互いの名前をキレ気味に言い合っていると、吉良が注文をいいかと聞いてきたがジョルノには聞こえていないようだ
「無駄ですよ無駄無駄、僕は貴方より先に仕舞いません」
「私だって仕舞った瞬間殴られたら嫌だからこれだけは譲れないよ」
「……いや注文……」
「大体なんですかその毛玉、それが本当にスタンドですか?」
「なんだよゴールドエクスペリエンスって、長いよエクスペクト●トローナムと間違えそうになるんだよ」
「二人共落ち着いて下さい……」
二人でスタンドを出し合いながら貶し合う、そんな私達を吉良とドッピオは止めていた
そしてようやくドッピオの頼みで私が先にライを仕舞った、それを見てジョルノはようやく吉良から注文をとった
去り際にお前の頭はコロネと呟いたら箸をただの木に変えられた、それでますますイライラしてしまったがドッピオが落ち着かせてくれた
それから注文したお肉を焼いてかなりの量を食べてしまい、私の初給料では足りなくなってしまったため吉良の給料を少し使う事になってしまった
「美味かったね」
「そうですね!!ボスにも食べさせてあげたかったです」
「あのな……三人でこれだけ食べてしまったんだ……ディアボロなんて連れてきたら破産するぞ」
「……そっか……でも美味かった、ありがとう吉良」
「最初はどうなるかと思いましたけどね」
入店した時の店員に見送られながら荒木荘までの帰り道を歩く、ドッピオにジョルノとの件を言われてしまったが笑って返す事にした
でも一応私もジョルノとは仲良くしないととは思っている、だが何故かジョルノを前にすると怒ってしまうのだ……
ふぅ……と溜め息をつくと、ドッピオが食べ過ぎのせいだと思ったのか背中とお腹をさすってきた
断る事もできたが、なんとなくドッピオに甘えたくってそのまま荒木荘に戻った
(ほらDIO、カーズお土産だ)
(WRY!!なかなか暇だったぞ吉良)
(……ジルナの機嫌が悪そうに見えるが何かあったのか?)
(あ……それはですねカーズさん、なんか金髪の店員と喧嘩してまして……)
(ジョルノだよお父さん!!JOJO苑にジョルノがいたの!!)
(……まだ喧嘩しているのか……)
(……一体誰なのだ?)
(ジルナの姉弟だ……最も母親は違うがな)
(DIO、君はなかなかゲス野郎だな)
(少し引いたぞ)
(カーズさんに同感です)
(WRY……)