荒木荘短編集
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「……吉良ァ」
「?どうしたんだ?##NAME2##」
やたら心臓がドクドクと脈打ち、気分が悪い、吸血鬼らしい犬歯がやたら熱く感じる
そんな私の気分を感じ取ってか、座っていた吉良が立ち上がり、私の額に手を置いた
「熱は……ないな……大丈夫か?」
「…………う……ん」
「……?」
吉良が私の額に手を置いた瞬間、吉良の手から微かに血液が流れる感触がした
それがなんだか気持ちよくて、吉良の手を掴む、ドクドクと規則正しい鼓動が心地いい
「ジルナ、本当に大丈夫か?」
「……んー」
「ん?吉良、何をしている!?」
思わず吉良の手を掴みボーッとしていると、仕事から帰ってきたのかディエゴが慌てたように吉良の肩を掴んだ
「何をしているんだ!!貴様……ついに手フェチの本性が出たな!?」
「勘違いをしないでくれ、これはジルナが急に……」
「なに……?」
吉良が勘違いをしたディエゴに説明をすると、ディエゴは少し驚いたように私を見てきた
そして、ディエゴは私の肩を掴み、大丈夫かと聞いてきた
「……ディエゴ……」
「む?」
私は本当に微かに動いているディエゴの心臓の部分を狙って飛び込んだ
だが、不意過ぎたのかディエゴはいつもの叫び声を上げて倒れた
「何をしているんだ!?」
「WRYYY……どういう事だ?ジルナ、ついにデレ期が来たか!!」
「…………」
「?ジルナ?」
「やっぱりおかしいな……」
ディエゴと吉良がそんな会話をする中、私はディエゴの血を吸いたい気持ちを抑えるのに必死だった
ディエゴはディアボロと違って殺してしまうと生き返らない、そう頭の中で必死に訴え我慢をする、爪を立てないようにディエゴの背中に腕を回し、ギュッとしがみつく
そんな私を見て吉良は私をディエゴから退かし、椅子に座らせた
「よく見ると今日はやたら目が赤いな……」
「……ジルナ、風邪でもひいたか?……吸血鬼が風邪をひくなんて聞いたことないな」
「……WRY……」
ディエゴから水を受け取りながら必死にこの二人の血を吸いたいのを我慢していると、血の臭いを漂わせてディアボロが頭から血を流して私の前を通った
大方、いつものレクイエム状態で階段かどこかで転んだのだろう
頭ではそう思っているのだが、異様にディアボロの血を啜りたいと思ってしまう、ディアボロなら死んでも蘇るので良いだろうと思っている
耐えようとしたが、私は頭の血を拭こうとしているディアボロの背後に回り、首に指を刺した
「ッ!?ジルナ……ッグッ!!」
唸るような声を上げて、ディアボロは死んだ、そんな事は気にせずに私は指についたディアボロの血を舐めていた
そんな私を見て、吉良とディエゴは明らかに動揺していた、私は普段なら一言言ってから血を吸うし、死ぬまでは吸わないからだろう
だが、今回だけは異様に血を吸いたかったのだ仕方ない
「ジルナ……ディアボロを殺したのか?」
「うん……だってディアボロなら何回でも生き返るでしょう?ゴキブリみたいに」
「誰がゴキブリだッ!!ジルナ!!よくも俺の血を吸ったな!!一言言え馬鹿!!」
「そんな事はどうでもいいんだよ、ジルナ、やはり君は少し様子がおかしい……本当に大丈夫か?一応DIOに聞こう……」
ディアボロが復活したところで、吉良は私の顔を覗き込みながらそう言って、お父さんの所まで連れて行った
「DIO、DIO起きてくれ」
「む?……なんだ吉良、まだ夜ではないぞ」
「いいから起きろよおっさん」
「貴様、ディエゴ、誰がおっさんだ」
「もういいから、とにかくDIO、ジルナの様子がおかしいんだ、今もほら、ディアボロを殺してる」
私が衝動的にディアボロの血を吸っている間、吉良とディエゴはお父さんに私の事を聞いた
お父さんは二人の言葉に私の方を見て、驚いたように
「ジルナ……?どうしたのだ?」
と、言ってきた、そんなお父さんの言葉に私は素直に今の感情を伝えることにした
「……なんかやたら血を吸いたくて……ディアボロをもう二回も殺したんだけど……全然足りない」
「……お前にとっては血はオマケのような物だろう?気のせいではないのか?」
「ううん、なんか……今だったらディエゴや吉良にも襲いかかりそう」
「頼むからやめてくれよ」
「ジルナに殺されるのか……それはそれでいいが、死ぬのは嫌だな」
私の言葉に吉良とディエゴはお父さんの棺桶に隠れるように移動した
そんな二人を尻目にお父さんは、明らかに混乱していた、こんな事は一度もなかったのだ
完全にお手上げ状態な時、カーズが騒ぎ過ぎた為起きてきた
「貴様ら……喧しいぞ」
「カーズ……」
「どうしたジルナ、今日はやたらと目が赤いな……むぅ……殺人衝動が出てるようにも見える……が?」
「!!カーズ、分かるのか?」
カーズは文句を言った後、直ぐに私の異変に気がついた、そして的確に私の感情を当ててきた、それを聞いて吉良は驚いたように言った
「分かるも何も、俺は天才だからな」
「……ムカつくな」
カーズの言葉に本音が出たのかディエゴが呟いたが本人は気にしていないようだ
そんなディエゴは放っておいて、お父さんがカーズに私の方を指さして一体これはなんなのかと聞いた、するとカーズは顎に手を当て
「ジルナは半分程は人間だ、そのお陰で普段の吸血鬼の殺人衝動は抑えられている……だが、最近コイツは血を飲んでいなかっただろう?そのせいで吸血鬼の方が血を欲しているのだろう、まあ、だからと言って血を大量に飲んでも衝動は抑えられないだろうな……一日はこのままだろう」
と、理にかなってる事をスラスラと言ってきた、それを聞いて吉良は溜め息、ディエゴは心配そうな目で私を見て、お父さんは少し動揺していた
そんな三人を放置して、カーズは急に私を持ち上げて、吉良の傍に降ろし、背中を押してきた
「ちょっ!?カーズ!?」
思わず驚いた声をあげた瞬間、背中を押された事により私は吉良に抱き着くような形になってしまった
そんな状況に目を白黒させていると、吉良の驚いた声や、ディエゴとお父さんの怒った声がする中
「殺人衝動をどうしても抑えたいのなら、こうやって人間の血液が流れる音を集中して聞いていればよかろう」
と、冷静な口調でカーズが言ってきた、確かに少しはマシになった気がする、ディアボロの少しは吸ったためか前よりは楽だ
まだ混乱している吉良と、吉良に噛み付かんとする程の勢いで騒ぐお父さんとディエゴを放置してカーズはまた眠りについてしまった
結局、一日中私は吉良や、ディエゴ、ドッピオやプッチさん、ヴァレンタインに引っ付いていた、ディアボロは五回ほど殺したらドッピオになってしまったのでどうやら拗ねたようだ
お父さんは吸血鬼だから血液が流れる感じがしないので引っ付かなかった、それをずっとお父さんは気にしていたが仕方ない事だ
(うー……)
(……久しぶりに荒木荘に来てみればこれはどうなっている)
(見た通りだよ、ヴァレンタイン)
(吉良、そろそろ俺と代われ)
(それ、二分前も言わなかったかディエゴ?)
(WRYYYYY!!何故だッ!!何故私の身体には血液が通っていないのだ!!)
(DIO、それを言ったらダメだよ……)
(……なんか、取り込んでるから私はアメリカに戻る……)
(あっ!!ヴァレンタイン!!そろそろこの四人に飽きてきたんだ!!人助けだと思って抱き着かせて)
(……正統なる防衛だよッ!!)
(逃がすかァァァ!!)