荒木荘短編集
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深夜になり、もう客足が少なくなってきた時、ジョセフ先輩は誰かと電話をしていた
話の内容から、なにか仕事の話のようだが、私は気にせず一人でオセロをやる
丁度、オセロの白い私が勝った時、ジョセフ先輩が私を呼んだ
「そろそろ荷物来るらしいから一緒に店内に入れるぞー」
「え?荷物……ですか?」
「そ、正確に言えば商品?おいピーお菓子とか、色々な」
「なるほど!!運びます!!」
ジョセフ先輩の言葉に、私が食べる訳でもないのにヤル気が出てきた、そんな私を見て、元気でうらやましいぜと、言いながら私の頭を撫でてきたジョセフ先輩
一瞬、波紋使いだと言うことを忘れて、近所のお兄ちゃんみたいだと思っていると、裏口からトラックのエンジン音が聞こえた
「あ、来た来た!!」
ジョセフ先輩はエンジン音を聞いた瞬間、意気揚々と裏口を開け、印鑑を取りに部屋に戻って行った
すると、すぐに大きな荷物を持った、うっすらと青い髪の毛をしたガタイのいいお兄さんが入ってきた
「うわっと……危ない……ん?ジョセフは?」
「え?……あの……ジョセフ先輩なら今印鑑を取りに戻っていきました」
「あ……そっか……じゃあここで待ってようかな……座ってもいいかい?」
「あ!!どうぞ」
爽やかな雰囲気をしたお兄さんは首にかけていたタオルでうっすらと滲んでいる汗を拭いて、壁にもたれるように座った
なんだかこの人を見ていると落ち着くような……なんだかムズムズするような気分になる、丁度左肩の星のアザの部分なんて凄い疼いている
……くっ……私の左肩に封印された星の龍よ、鎮まれ……ッ!!と、言いたいぐらいだ
そんなくだらないことを考えながらその人を見ていると、今度はガタガタと騒がしい音を立てて、お兄さんと同じ制服を着た金髪の人が入ってきた
「ジョースターさん!!持ってきやしたぜ!!」
「あ、ありがとうスピードワゴン」
お兄さんは金髪の人の荷物を受け取り、少し奥の方に置いた、そしてさっきのお兄さんと同じように汗を拭いた金髪の人が、私の方を見た
次の瞬間、私は何が起こったのか分からなかった、だが、ありのまま今起こった事を話す
私の方を見た瞬間、金髪の人は私を指さして、驚いた表情で叫んだ
「ジョースターさぁぁぁぁん!!ここにディオの野郎がいるんだが!!なんでだァァ!?」
その言葉を聞いて、何個か質問したかったが、いきなりの事で目を白黒させていると、金髪の人が今度はタックルしてきた
「だがそんな事はどうでもいい!!俺はジョースターさんを守るぜッ!!」
「WRYYYYYY!?」
「スピードワゴン!?何をやっているんだ!?」
「印鑑発見したぜー…って……どうなってんだァ……?」
金髪の人のタックルを食らい床に伏せっていると、騒ぎを聞きつけてさっきのお兄さんと、ジョセフ先輩が印鑑を見つけてやって来た
だが、現場は騒然、床にはとんでもない姿勢で倒れている私、それを見下ろすようにして立っている金髪の人
トドメを刺そうとする金髪の人をお兄さんがなだめ、ジョセフ先輩が私を介抱する
「スピードワゴン!!落ち着くんだ!!」
「ジョースターさん!!止めないでくれ!!ディオの野郎を俺は許せねぇ!!」
「大丈夫かよジルナ!!あっ!!白目剥いてる!!ヤバイヤバイ!!」
「WRY……」
そしてそんな騒ぎもしばらくしてようやく落ち着き、ジョセフ先輩は私の説明をした
「スピードワゴン、ジルナはディオじゃあねぇ、ソックリな吸血鬼だ」
「きゅっ……吸血鬼だとォーーッ!?なら余計危ねぇ!!ジョースターさん!!波紋だ!!波紋疾走!!」
「いや……でもジョセフが波紋流さないし……何か理由でもあるんじゃあないのかい?」
そんな会話を私は少し離れたところで聞く
と言うか、さっきから会話に出てくる"ディオ"ってもしかしなくてもお父さんじゃないのか?私がお父さんの娘だってこと言った方がよくね?
ふとそう思い、私は完全に殺しにかかってくる金髪の人…改め、スピードワゴンさんを避けながらジョセフ先輩の傍に寄り
「あの……実は私……お父さ……DIOの娘です」
と、小声で言った、するとジョセフ先輩は驚いた声をあげた、スピードワゴンさんはまた眉毛を釣り上げ、ジョースターさんはへぇーと関心したような声をあげた
そして、スピードワゴンさんを押さえながら、私の方に寄ってきたジョースターさん
「自己紹介が遅れたね、僕はジョナサン・ジョースター、ジョセフの兄だよ、で、こっちがスピードワゴン……いきなりごめんね…スピードワゴン、警戒心が強いところがあるから…」
「あ……いえ、大丈夫です」
「それにしてもディオに似てるねぇ…ジョセフの後輩ってことは……もしかしてずっと寝ているディオの代わりに家計を?」
「いや、そう言うのじゃなくて……現に私、父と同じ吸血鬼ですし……監視目的でバイトやらせてもらってます…」
ジョースターさんの言葉に慌てながらも返すと、ジョースターさんはまた関心したような声をあげた
そして、スッと自然な動きで私の前に手を出して、これからよろしく、と優しい笑みを浮かべて言ってきた
少し戸惑ったが、握手しないのも失礼だと思い、手を握った
(ジョースターさん!!危ねぇ!!すぐ離れて下さい!!)
(この子は大丈夫だよ、現に今も吸血してこないじゃあないか)
((……とことん信用されてない……))
(ディオの子供ねぇ……確かに似てると言えば似てるな)
(ディオはしっかり子育てしてるかい?)
(え……ええ、まあ……)
(そっかぁ……ディオもお父さんかァ……)
((異母兄弟がめっちゃいるなんて言えない……ッ!!))