荒木荘短編集
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引きこもりタイムが終わり、私は夕方に目を覚ました
今日からまた、私は何日かバイトをしないといけない、サボったら波紋が来るかもだから……
軽く早めの夜ご飯を食べて、私はドッピオに見送られながら日が沈む道を歩いてバイト先に向かった
今日は確か、シーザー先輩が休みで、私を雇おうと言ったジョセフさんが入っていた筈だ
「KUAA……吉良はよく毎日こんなの出来るよなぁ」
そう呟きながら私はコンビニの裏口からスタッフルームに入る
更衣室に入り、前回着たまだ新しい制服を着る、丁度ボタンを付け終わった時、更衣室にコンコンと軽くノック音が聞こえた
「?はーい?」
とりあえず返事をすると、その後に聞こえたのはジョセフさんの声だった
「あ、やっぱ来てたんだな、着替え終わったらレジに来いよォ」
そう軽い口調で言って、ジョセフさんが廊下を歩く音が聞こえた
そんな音を少しの間聞きながら私は廊下に出た
ジョセフさんはああ見えて厳しいみたいな方程式が勝手に頭の中で出来ていたからかもしれないが、とにかく私は慌てて向かった
「あれ?なかなか早かったのね〜」
「あ、はい……まあ」
思っていたよりも軽い口調で言ってきたジョセフさんに少し驚きながらも返事をすると、ジョセフさんは少し困ったように頭を掻いて
「あのさ……」
と、声をかけてきた、急に声をかけられたので何かマズイ事でもしたのでは!?と直感でそう思い
「は、はい!?なんでございましょうか!?」
と、良く分からない返事をしてしまった、まるで執事のテレンスみたいな口調だ……
そう思いながらも私はジョセフさんの次の言葉を待った、罵倒か、はたまた波紋か、悪態か……
とにもかくにも、それ相当の覚悟をしていると、ジョセフさんは大きく溜め息をついた、そして私の頭に手を置いて
「そうもかしこまらなくてもいいんだぜジルナちゃん?逆にやりにくい……」
と言ってきた、手を置かれた時点で波紋だと予測していたので、思わず目を見開いてしまう
なんて返せばいいのかわからず、唖然としているとジョセフさんは
「返事は?」
と、言いながら私の顔を覗く様に体を傾けて来た
「あっ!!はいッ!!」
ビシッと音がするぐらい背中を伸ばして返事をすると、ジョセフさんはニコニコと笑い、手を動かして私の頭を撫でた
そして、今日やる作業を手短に教えてくれた
「んで、ダンボールから商品を並べたら、あとはレジ打ちだな」
商品棚を指さして、レジをバンバンッと荒っぽく叩きながらそう言ってきたジョセフさん、壊れたらどうするんだ
どうやら今日は店内での仕事のようだ、ちなみに二十四時間営業なので朝まで作業をする
「レジ打ち……ですか……」
「うん、そーよそーよ」
「……大丈夫ですかね……なんか…怖い人とか来ないですよね……?」
「ハハハッ!!大丈夫大丈夫、そもそも吸血鬼がちょっぴり怖い人を恐るなんて事ないんじゃねぇの?」
「いや……怖いもんは怖いです」
「大丈夫だってば、何かあったら俺を呼べば大丈夫」
「……195cmですもんね……」
そんな会話をしながら私はダンボールから商品を取り出し、並べていく
あ、後で余ったおにぎりとか貰おうかな?ご飯代浮くし
そう思いながら足りない商品を詰めていく、すると仕事帰りか、サラリーマンが入ってきた
ジョセフさんは中々の手際の良さで会計を済ませ、サラリーマンは終始無言のまま帰って行った
「凄いですね……あんなに早く……」
「んー?…まぁ、正直、俺は努力と頑張るは嫌いだけど、コツさえ掴んだらスラスラできるのよん」
「なるほど……つまり、今まで同居人が死ぬのは慣れなかったけど、それを当たり前と思ってしまえば自分でも殺せる……みたいな感じですかね」
「うん、違うと思う……って、え?同居人殺してんのジルナちゃん?」
「いや……殺していると言うか……ずっと死に続ける同居人が居るんですよ」
「なにそれ……怖い……」
仕事のコツの話から急にディアボロの話になったがまぁ、大丈夫だろう
そんな呑気な事を思いながら最後の商品を棚に置く
それから隣でジョセフさんが見る形で私はレジ打ちに入る事になった
(どう?コツ掴めた?)
(はい、これがディアボロの首、そしてこれが心臓と考えると……)
(うん、怖いからもっと別の物に置き換えよう##NAME2##ちゃん……ディアボロって誰よ……)
(頭にカビ生えてる同居人です)
(それ大丈夫なの?衛生的に……)
(吸血鬼なんで、大丈夫です)
(……ああー……納得……でも本当にジルナちゃんは吸血鬼なのかなーんッ!!)
(ギャァァァァァ!!波紋がつま先にィィ!!)
(あ、ごめん……ちょっとしたジョーク気分で……)