荒木荘短編集
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私の引きこもりタイムも早くも残り八時間となった、昨日はカーズとお父さんと一緒に吉良に怒られたのであまり寝れなかったので、今日の朝寝てしまいもう夕方になっていた
今は丁度四時……まだ吸血鬼が行動するのは早いが、少しでも引きこもりタイムを満喫したいので私は起きている
今はリビングでカーズと吉良の帰りを待っている
ディエゴとプッチさんはキッチンで晩御飯を作っている、吉良が帰ってくる頃に出来上がる予定なのだろう
カーペットの上で横になり、うたた寝をしていると、ディアボロがいる部屋から叫び声と共に大きな音が響いた
「なにか騒がしいですね……」
「そうだな……おいカーズちょっと見て来い」
「む……ジルナに行かせればよかろう」
「なんだと!?ジルナは今眠そうなんだぞ!?お前が行け!!」
「ふぁ……いいよディエゴ、私が行く」
「フフッ、じゃあ私も行こうかな?ついでにDIOを起こしにいかなくちゃあね」
ディエゴはカーズに頼んだが上手い具合に私に頼んだ、その事にディエゴはキレたが私は落ち着かせ、プッチさんと一緒に音がした方に向かった
襖を開けるとディアボロが押し入れから溢れ出たガラクタに押し潰されて死んでいた
また随分と派手な死に方だなァ……なんて思いながら血が染み込まないように私はディアボロを食べた
「あ!!ジルナ、ダメじゃないかそんな汚い物食べて!!お腹壊すよ?」
「いいじゃん…吉良が見たらまた怒られるし、それよりマシ」
私を注意するプッチさんにそう言い返して、スタンドを使いながら散乱したガラクタを片付ける事にした
大体入れ直した時、プッチさんが何かを見付けた
「ん?これは……」
「?どうしたの?プッチさん」
プッチさんは何かを拾い上げて、微かに積もったホコリを払った
「……アルバム……?」
プッチさんの手にあったのは、なにかのアルバムらしく、少し歪な形で"アルバムッ!!"と大きく書かれていた
私とプッチさんは顔を見合わせて、とりあえずリビングでそれを見てみる事にした
「おっ、帰って来たか……何があったかは復活したニューディアボロに聞いたぞ」
「カーズ、俺にニューディアボロとかヘンテコなあだ名を付けるな」
「それにしても遅かったなプッチ、このディエゴが飯を作っておいたぞ」
「どじゃぁぁぁぁぁん!!夜飯が作れたと聞いて、ヴァレンタイン登場ッ!!」
リビングに入ると、相変わらずカーペットで横になり、偉そうにするカーズと、復活したディアボロ、夜ご飯はもう作ったと言うディエゴ、それを聞いて飯だけ喰らいに来たヴァレンタインが居た
少し溜め息をつきたくなったが、私はとりあえず座る事にした
「実はね……面白いのを見つけたんだ」
「面白いもの?」
「そうそう、ディアボロが死んだガラクタの山から見つけたんだけど……」
「ディアボロ、お前ガラクタの山で死んだのか……弱いな、ジョニィ・ジョースターより弱いんじゃあないのか?」
「黙れ夜飯泥棒」
そんな事を言い合う様子を見ながらプッチさんはアルバムを取り出して机の上に置いた
「ん?……アルバム……か?」
「そう、ディアボロが死んだガラクタの山から出てきたんだ、誰のアルバムか知らないかい?」
「少なくとも俺のではないな」
「私のでもない」
「ジルナ、お前のじゃないのか?」
「そんな訳ないでしょ、私のだったらこんな風に皆に見せないよ、ドッピオに変われよクソディアボロ」
「…………」
誰のか確認をしながらも、プッチさんはゆっくりとアルバムを開いた
一ページ目を開いた時にあったのは小さな赤ちゃんの写真だ
「……誰の赤ちゃんでしょうね」
「さぁな、そもそも子供すら珍しいだろ」
「ふむ……ワムウとサンタナでは無いことは確かだな」
いつの間にか変わっていたドッピオとディエゴが話し、カーズが一人で呟いた時、丁度吉良が帰ってきた
すると、全員で机に向かっているのが珍しかったのか吉良は私達が見ているアルバムを覗き込んできた
「あ、吉良、どう?もしかして吉良の?」
目を細めて何かを考えているような吉良にそう聞くと、吉良はすぐに覗くのをやめて、ネクタイを緩めながら
「この荒木荘で子供と言ったらジルナ、君しかいないだろ?」
と、言ってきた、そんな吉良の言葉に私達は硬直した
そして、ディエゴはプッチさんからアルバムをブン取り、アルバムをすごい勢いで捲り始めた
丁度中間の所に来たとき、写っていたのは金色の髪の毛と下まつ毛が印象的な昔の私が笑顔で写っていた
「あ……ジルナだね」
「ジルナだな」
「ジルナちゃんですね」
「ジルナだ」
「かわいいな、ジルナ」
昔の私を見て皆は口を揃えて名前を呼んできた、少し小っ恥ずかしかったが、私は表に出さずに話題を変えることにした
「じゃあ、このアルバムの持ち主は……お父さん?」
そう言うと、皆は同時に頷いた、そして、少ししてまた全員でアルバムを見てみる事にした
時々写っているお父さんは顔が緩みきって、正直キモかったが、その分大切にされている事が分かった
とあるページでは、喧嘩をしたのか涙の跡があり、震えている字で"ジルナと喧嘩をしてしまった、もう終わりかもしれない、このアルバムも私も……日光浴してこよう"と、書かれていて日記かとツッコミを入れたくなった
だが、どれも懐かしくて思わず口角が上がってしまう
「ふん、吸血鬼の思い出など腹の足しにもならん、早く夜飯を食べるぞ」
「じゃあカーズ運んでくれ」
「……ぬぅ」
「……このぐらいのジルナなら結婚しても良かったかな」
「ヴァレンタインさん、それ十四歳の頃です」
「……流石の私もちょっと引くよ、ヴァレンタイン」
「くっ……何故父親がこのディエゴじゃあないんだ……!!」
「もう、そろそろしまったら?」
興味が無くなったように立ち上がるカーズ、元から興味が無く、カーズに命令する吉良
ロリコン発言をするヴァレンタイン、そんなヴァレンタインに静かにツッコミを入れるドッピオ、ドッピオと一緒にヴァレンタインを養豚場の豚を見る目で見るプッチさん
今更、父親でない事を悔やむディエゴ、そんなディエゴに私は静かにしまうように言った
結局、ご飯を食べるため起きたお父さんにアルバムは取られ、また変な所に隠される事になった
なんで隠すのか聞いてみると、お父さんはニヤリと笑いながら
「私が密かにページを増やしているからだ、最新のを見られたらつまらないだろう?」
と、サラッと盗撮発言をした、相変わらずなお父さんにツッコミを入れる気力もなく、私は引きこもりタイム最後のご飯を口に運んだ
(でも吉良もよく分かったね、私の写真だって)
(少し注意深く見ればわかる……爪の形とかなんとなく似てるしね)
(吉良は相変わらずだな、あ、そう言えば"彼女"がそろそろ腐りそうだったのでこのカーズが食ってやったぞ)
(……シアハートアタック!!)
(ヴァレンタインさん、ロリコンだったんですね)
(ロリコンではないよ、少し幼い子が好きなだけだよ)
(それをロリコンって言うんだよ、ヴァレンタイン)
(WRYY!!DIO!!先程決めたぞ!!やはりこのディエゴがジルナの親権を頂く!!俺がふさわしいのだ!!)
(なに?ジルナの親権は世界でただ一人、このDIOの物だァーーーッ!!)