荒木荘短編集
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私がバイトする事になってから、いよいよ初バイトの日……と言っても一日しか経ってないが
そろそろ日が落ちる時、私はディアボロに起こされて、用意をしていた
ついさっき、寝ぼけてディアボロを捕食してしまったが、死んでも死ねないディアボロだから大丈夫だろう
「ファ……」
アクビをしていると、今日は休みなのかプッチさんが少し遅めの昼ご飯を机に並べていた
「あ、ジルナ起きたんですね、用意できているんで、ほら食べて」
「んー……ありがとう」
目を擦りながらプッチさんにお礼を言って、パンを食べる
丁度、プッチさんが近所のパン屋から貰ってきたもので、最近よく昼ご飯に使われるのだ
ほとんど目を瞑りながらそれを食べて、目を覚ませるため、顔を洗いに行く
「よし……まだ時間あるからゴロゴロしよ」
完璧に支度できて、時計を見ながらそう呟いて私はテレビが見える位置に横になった
「帰りはどのくらいになりますか?」
「……んー……多分遅いかも……」
「そうですか……」
「ジルナ!!よくも俺を捕食したな!!」
「よう、カビ頭」
「カビ頭言うな!!」
プッチさんの問いに答えているとディアボロが復活した
ちなみに今はお父さんもカーズも寝ている、ディエゴは多分馬の世話かバイトだろう、吉良は当然の事に会社だ
まだ隣でギャーギャー騒ぐディアボロを"ライ"を使って再度捕食した
ライは伸縮可能で口を大きく開いて人を丸ごと捕食できる、しかも食べた物は私の体内に蓄積する事もしない事もできるのでかなり便利だ
ディアボロを蓄積せずにライを戻し、私は玄関へ向かった
「じゃあ、私行くね」
「気を付けて下さいね、特に波紋使いは……」
「うん、大丈夫大丈夫」
「困惑したりしたら素数を数えるのをおすすめするよ」
「うん、多分できない」
心配そうに言ってくるプッチさんに手を振って、私は日が落ちる中、コンビニに向かった
念のため日傘はさしているが、あと数分で必要なくなるだろう
予想通りで、コンビニに着く頃には日は完全に落ちていて日傘をさす必要はなかった
裏口から入ると、リサリサと呼ばれていた女の人が待っていたように立っていた
「来ましたねジルナ……では、制服に着替えて下さい、女性はあとスージーQと言う子がいますから、挨拶をするように」
「……はーい」
制服を受け取りながら言う通りにして更衣室のロッカーに向かった
扉を開けると金髪の女の子が既に制服に着替えて立っていた、どうやらこの子がスージーQさんらしい
「あ、こんにちはー、リサリサ様から話は聞いています!!新人さんですね!!」
「あ、どうも……」
スージーQさんは明るく、天然そうな雰囲気を醸し出している
なんだか太陽を思い出してしまい、苦笑いしながら私は制服に着替える事にした
着替え終わり、更衣室を出た時はもう、日が暮れていた
さっきまでリサリサさんが居た部屋に入るとリサリサさんの他に、金髪のシーザーとか言った人が居た
スージーQさんはどうやらもう控え室を出ているようだ
「着替えましたか…ではシーザー、あとはお願いします」
「……分かりました」
私が部屋に入って来たのを確認するとリサリサさんはシーザーさんにそう言い残して控え室を出ていった
「…………」
「…………あの……」
「……基本的な作業を教える、着いて来てくれ」
「あ……はい」
黙っているシーザーさんに声をかけると、シーザーさんは素っ気なくそう言ってレジとは逆方向に向かった
二、三歩間をあけてシーザーさんに着いて行く
「ここが倉庫だ、今日はとりあえずこの荷物を店の裏口まで運んでくれ、中身は後で俺が店内に並べておく」
倉庫に着くやいなやシーザーさんはそう言い、最後に一言言って控え室に戻って行った
「……これ全部……?」
私が見たのは大きな倉庫にギッシリと言っていい程高く積まれたダンボールだった
普通の人間では今日中に全てなんて絶対に不可能な数だ
「……お父さんの吸血鬼のDNAなんて、受け継がなきゃ良かった……」
思わずそう呟きながら私はダンボールタワーを崩さないように、上から順に運んで行った
(ゼェ……ゼェ……鬼畜すぎる……ッ!!吉良はいつもこんな事をしているのか……!!)
(シーザー、どうですか?あの子は)
(……俺からではなんとも言えませんよ……それにしてもアイツを引き取る原因を作ったジョジョは?)
(ジョジョは今日は休みです)
(……そもそも、なんで吸血鬼をバイトに迎えないといけないんですか)
(ジルナは見た目はただの吸血鬼ですが、あの雰囲気……なにか少し違う気もするのです)
(ぎゃあああああああああ!!!!)
(……なんか、叫び声上げましたよ)
(…………)