荒木荘短編集
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平日の昼、私達働いていない組は吉良が帰ってくるのを待っていた
今日は吉良が昼ご飯を作ってくれる日なのだ、ちなみに私の大好物のオムライスだ
私はオムライスを食べたいが為にディアボロからパソコンを借りてネトゲをして時間を潰している
カーズは動物特集のテレビ、ディアボロは今はドッピオになっているが昼寝をしている、お父さんは言うまでもない
ヴァレンタインもディエゴも最近はめっきり帰って来て無く、最近はいつものメンバーで暮らしている
「暇だよォ…カーズ、テレビそんなに面白い?」
「貴様はネトゲでもしていればよかろう、私はこの子犬をしばらく眺める」
「……見なくても作ればいいじゃん」
「たまには観察も必要だ」
「……なんか、岸辺露伴みたい」
「?何か言ったか?」
「いいえ、別に」
思わずあの漫画家、岸辺露伴の名前を呟いてしまったがカーズにはよく聞こえなかったようだ
私はカーズを適当に誤魔化し、ネトゲを続けた
少ししてようやく吉良が帰ってきた
「すまないな、会議が長引いてな」
「おかえりーオムライス」
「……分かった分かった」
吉良におかえりのついでにオムライスを作れと要求すると、溜め息をつきながらネクタイを外し鞄を玄関に置いた
そして私はカーズと一緒に吉良が料理をしている間、皿を出したりスプーンを並べたりしていた
慌ただしい音が聞こえたのかドッピオがアクビをしながら部屋に入ってきた、そして私達を見て、お父さんを起こしてくると言って棺桶に向かって行った
「ほら、これでいいだろ」
「いえーい」
お父さんがこっちに来た時、丁度吉良が少し焦げ目がついたオムライスを人数分出してきた
「……焦げ目……」
「仕方ないだろ、それくらいは我慢しろ」
お父さんが焦げ目の事を指摘すると吉良は少し怒りながらそう言ってきた
寝起きに焦げ目を指摘するとは私のお父さんながら、侮れない……ッ!!
そんなくだらない事を思っていると、皆それぞれお好みにケチャップをかけ始めた
「吉良、夜は遅くなりそうか?」
「……多分な、意外に大切な会議が入った」
「そう言えばさっき、ディエゴさんが帰って来るって言ってましたよ」
「では、夜飯はディエゴとプッチにでも作ってもらうか……何がいい?なんならこのDIOが直々に作ってやってもいいぞ」
「吉良ごめん、零しちゃった」
「……ったく……零すなジルナ」
「俺の話を聞いているのかァァーーッ!!」
夜の事を話しているとオムライスのケチャップを少し零してしまい、吉良にティッシュを受け取った
すると、お父さんは話を聞けと怒鳴りながら机を叩いたがすぐさま吉良に怒られた
「全く……吸血鬼はオムライスもろくに食べれんのか……あっ」
「零すなァァーーッ!!」
「吉良さん!!キラークイーンしまって下さい!!」
「オムライス超うまい」
そんな具合にグダグダしながらご飯を食べ終わり、吉良はまた会社へ向かった
私は少しの間ネトゲをしていたが、ドッピオがディアボロと交代したので渋々ディアボロにパソコンを渡した
「……ん?」
吉良の忘れ物に気が付いたのはその時だった
「なにこれ?書類?」
机の上に置かれたなんだか難しい事が書かれた書類、一目で吉良のだと分かった
帰ってきたら教えてあげようと思っていたが、さっきご飯食べてる時、会議があるとか言ってた気がする……
「……ディアボロ、これ届けに行ってよ」
「俺が外に出たらどうなると思う?自動車に引かれて死ぬと思うぞ?その書類共な」
「……もう……仕方ないな……」
ディアボロに任せるのも書類の安全もあるし、カーズはカーズで不審者だし、お父さん寝ちゃったし…ここは私が行くしかないな……
そう思い、溜め息をつきながら私は日焼け止めを塗り、日傘をさして完全防備で外に出た
目指すは吉良の就職先だ
(……?今誰か出ていかなかったか?)
(ん?ああ、今ジルナが吉良の書類見付けたとか言ってたな)
(……届けに行ったのか……全く、吸血鬼は太陽が苦手と言うのに……)
(お前も究極生命体になる前は苦手だっただろ、カーズ)
(今は克服したぞ!!)
(……まあ、ジルナは大丈夫だろう、一回俺と死にかけてから気をつけてるみたいだしな)
(私もジルナを気長に待つとするか)