荒木荘短編集
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珍しく早く起きて、ディエゴと吉良を見送り、私はボーッとテレビを見ていた
プッチさんとカーズは買い物に行っている、ディアボロはネトゲ、お父さんは爆睡だ
「暇……皆私を構えばよかろうなのだァーー……」
一人寂しく、カーズの物真似をしているとコンビニの"からあげちゃん"が一個増量キャンペーンをやっているとCMが流れた
私はそれを聞いて、すぐさまタンスから長袖を出し、日傘をさして外に出た
「目指すはロー●ン」
そう呟き、私は階段を下りた
太陽がサンサンと照りつける中私は歩いていた
だが、この長袖長ズボンがいけないのか、時々小さな餓鬼に指をさされる
「……出るんじゃなかった……プッチさんとカーズに頼めばよかった……」
今更そんな後悔をしているとようやくロー●ンに着き、私は店員に気味悪がられたがなんとか"からあげちゃん"を購入できた
途中、日が全く当たらない公園のベンチを見つけ、私はそこに向かった
箱を開けて一つ口に放り込むとじんわりと肉汁が溢れる
「ん~……うまァ……」
思わずそんな声を出していると、後ろからクスリと笑い声が聞こえた
この吸血鬼の私を笑うとは!!誰だ!?
内心そう思いながら振り返ると片方の髪の毛がやたら長い全身緑の兄ちゃんがいた、耳にはサクランボみたいなピアスをつけている
そしてその緑の兄ちゃんは私の視線に気が付くと
「いや、すいません……そんなに美味そうに食べる人、初めて見たので」
と、控え目に言われた、さっきの私の声が聞かれていたのが分かり、なんとなく恥ずかしくなる
「……食べれば分かりますよ」
「ハハッ……気が向いたら食べます」
「……そうすっか」
緑の兄ちゃんは私の言葉に落ち着いた様子で答えてきた
なんだかこの兄ちゃん、荒木荘に欲しいぐらいだ……静かなのは吉良とプッチさんがいるけど、落ち着き方がなんか違う……
そう思いながら二つ目を放り込むと
「見ない顔ですが……この近所の方ですか?」
と、聞かれた
「まぁ……近所ですね」
「へぇ……僕もこの辺なんですよ」
「本当ですか、お近づきの印に食べます?」
「いえ、なんか悪いので……お気持ちだけ」
「そうすっか」
そんなやり取りをしながら私達は話していた
すると緑の兄ちゃんは私の格好を見て
「暑くないんですか?こんな晴天に」
と、聞いてきた、まず近所の事よりそれだろ?と思いながらもいつもの事を言う
「実は……太陽アレルギーと言うか…皮膚が弱いんですよ」
「そうなんですか……すいません…なんか」
「いえ、別に」
私が太陽アレルギーと言うと緑の兄ちゃんは何故か申しわけない顔をした、そんな兄ちゃんに別に大丈夫と言い、私はついでに買ったお茶を飲む
それから時々話してから、緑の兄ちゃんは立ち上がった
「なかなか楽しかったです、ありがとうございます付き合ってくれて」
「いえ、私も暇だったんで」
微笑みながらそう言う緑の兄ちゃんに私は姿を見ずに答える
そんな私にもう一度礼を言って、緑の兄ちゃんは公園を出ようとした
「あの…名前、教えてくれません?」
緑の兄ちゃんにそう言うと、兄ちゃんはゆっくりと振り向きながら
「花京院典明…と言います」
と、言ってきた、そして貴方の名前は?と聞いてくるので
「ジルナ」
と、短く答えた、それを聞いて兄ちゃんはニコリと笑って
「では、ジルナさん、また」
と、言って荒木荘とは逆方向に向かって歩いて行った
花京院典明……なかなか謎めいた兄ちゃんだなぁ……
そう思いながら私は最後の一つを食べて荒木荘に戻った
(ただいまー)
(おお、ジルナ帰ったか)
(どこで何をしていたんです?)
(ロー●ン行って、からあげちゃん買って、か、きょいんと……)
(む?なんだ?)
(か、きょう、いんって奴と話してた)
(((……なんでゆっくり言ったんだ?)))
((花京院、声に出して言うと噛む…))