変化球と直球
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(佐助視点)
「すまぬ佐助ェ!!弁当を置いてきてしまったァ!!」
「もーなにやってんの!!早く購買行っておいで、混むから早く!!」
ようやく昼休みだって言うのに真田の旦那は俺様にそう言ってから全速力で購買へ向かった
家に帰ったら弁当捨てなきゃなぁ……勿体ないよ……なんて思いながら俺様は先に机をいつも通りに動かし始める、机を四つ、くっつける様に移動させた後、チラリと時計を見るとあの人達がそろそろ来る時間だ
「佐助ェ幸村ァ」
ガラリと教室の扉が開く音がして気怠いが女の子らしい少し高めの声が聞こえた、そのまま俺様の方へと近付いて慣れたように俺様の前に座る女の子、いつもの来客者その一のナマエちゃんだ
「あれ?長曽我部の旦那は?」
「元親は弁当忘れたって、今購買走ってたけど、そっちこそ幸村は?」
「ありゃあ……うちも一緒だわ」
「仲のいい事だね」
いつもは長曽我部の旦那と一緒にこの教室に来るのに一人だったので気になって聞くとどうやら真田の旦那と同じ理由らしい
フゥ……と溜め息をついてから先に食べてしまおうと言って弁当の袋を開け始めたナマエちゃん、そんなナマエちゃんにつられて俺様も弁当を開け始める
一見落ち着いている様に見える俺様だけど内心はかなり荒れていた、だってあのナマエちゃんが、俺様の大好きなかわいいかわいいナマエちゃんが俺様と二人っきりでご飯食べてるんだもん、手が震えないのが不思議だった
いつもより少し遅めに弁当を開けると、いつも通り俺様が作った完璧な弁当が顔を出す、なのに今日は少し魅力が欠けている様に見えてしまいナマエちゃんと二人っきりなのに……なんて思ってしまう
勿論それは錯覚なのだろうが、好きな子と一緒にいるとどうもいつもの調子が出ない、"二人っきり"この単語がやたら頭に絡み付いてどうしようもできない
「佐助、なにしてんの?」
「えっ?」
「箸、反対だけど」
「あ……アハーッなにしてんだろ俺様ァ」
ナマエちゃんに指摘されて自分の手の中にある箸を見ると見事に上下反対に持っていた、思わず作り笑いをして自分の頭を軽く叩くとナマエちゃんは不思議そうな顔をして弁当を食べ始めた
なんとなく気まずくなってしまいどうやってこの空気を切り替えようなんて思っていると、ナマエちゃんと俺様の携帯が震え始めた
「なんだろ?元親からだ」
「俺様は真田の旦那からだ」
お互いに顔を見合わせてそう言って届いた文章を見てみる、そこには二人共同じような文章があった
"購買で買えなかったから外のコンビニへ行く、ギリギリだろうから先に食べてて"と言う感じの文章、それを見て俺様は思わず心の中でガッツポーズをした
これなら昼休みずっとナマエちゃんと二人っきりでいられる!!その間にアプローチして少しでも俺様の事を好きになってもらおう!!
そう思いながら俺様は真田の旦那に返信をした、ナマエちゃんも長曽我部の旦那に返信をしてからまた弁当を食べ始めた
「いやー、お二人さん残念だねェ」
「そう言う割には表情は嬉しそうだけど?」
「えっ!?嘘ッ!?」
「嘘、でも嬉しそうなのは本当みたいだね」
「……まあ、いつもうるさいお二人さんが居ないからねェ」
ナマエちゃんに表情を指摘されて、一瞬考えている事が顔に出ていると思い自分の顔を手で覆ったがどうやらそれはハッタリだったようだ、思わず溜め息をついてから自分の頭を掻く
ナマエちゃんは結構クールでいつもストレートに言葉を発するので嘘を付く事は滅多にない、それに関しては珍しい一面が見えて良しと思うがなんとなく見透かされた気分で恥ずかしい
顔が赤くなりそうなのを我慢して、おかずを食べる、うん、やっぱり味最高、魅力がないと思ったけどやはりそうではないようだ
「ナマエちゃん、おかず食べる?」
「いいの?」
「うん、勿論」
ナマエちゃんに弁当の中身を見せながらそう言うと少し戸惑いながらナマエちゃんは俺様手作りのおかずを箸で掴んだ、そのまま口に運んで咀嚼してから飲み込むと小さい声でおいしいと言ってくれた
アンタが望むなら俺様は一生アンタのためにご飯作ってあげるよ、なんて浮かれた台詞を思い浮かべながらその一連の動作を眺める
「じゃあ、私のもいいよ」
「本当ッ!?」
「なんでそんな嬉しそうなの……?」
そう言いながらナマエちゃんが弁当を差し出す、その言葉に俺様は思わず度の過ぎたリアクションをしてしまうが仕方ないでしょう!!
ドキドキとやけに高鳴る心音に緊張感を感じながら俺様は一番無難な卵焼きを箸で掴む、するとポツリとナマエちゃんが呟いた
「あ、それ私が作ったやつ」
ナマエちゃんのその言葉に俺様は思わず箸を落としそうになるが、冷静を装って相槌を打ってからゆっくりと口に運ぶ
ああ、今俺様なんて幸せなんだろう、ナマエちゃんの手作りのおかずもらっちゃってる……あ、やばい幸せ過ぎて涙出てきそう……
なんて思いながらナマエちゃんの卵焼きを飲み込んだ、ちょっと勿体ない気もしたけどね
「そんなに卵焼き好きだったっけ佐助って」
「うん……好き」
「だよね、そんなに美味しそうに卵焼き食べる人初めて見たもん」
好きって言ったのは本当はナマエちゃんがって事なんだけどそんな事を当然気付かないナマエちゃんは俺様を完全に卵焼き好きに格付けしたようだ
それからは残念ながら一回もおかず交換をせずに二人で時々話しながら食べ続けた、ちょっと寂しい気もしたけど何回もやると有り難みが無くなるからね
何分かして食べ終えて弁当を仕舞う、お茶を飲んでいるとナマエちゃんは携帯を弄り始めていた
→
「すまぬ佐助ェ!!弁当を置いてきてしまったァ!!」
「もーなにやってんの!!早く購買行っておいで、混むから早く!!」
ようやく昼休みだって言うのに真田の旦那は俺様にそう言ってから全速力で購買へ向かった
家に帰ったら弁当捨てなきゃなぁ……勿体ないよ……なんて思いながら俺様は先に机をいつも通りに動かし始める、机を四つ、くっつける様に移動させた後、チラリと時計を見るとあの人達がそろそろ来る時間だ
「佐助ェ幸村ァ」
ガラリと教室の扉が開く音がして気怠いが女の子らしい少し高めの声が聞こえた、そのまま俺様の方へと近付いて慣れたように俺様の前に座る女の子、いつもの来客者その一のナマエちゃんだ
「あれ?長曽我部の旦那は?」
「元親は弁当忘れたって、今購買走ってたけど、そっちこそ幸村は?」
「ありゃあ……うちも一緒だわ」
「仲のいい事だね」
いつもは長曽我部の旦那と一緒にこの教室に来るのに一人だったので気になって聞くとどうやら真田の旦那と同じ理由らしい
フゥ……と溜め息をついてから先に食べてしまおうと言って弁当の袋を開け始めたナマエちゃん、そんなナマエちゃんにつられて俺様も弁当を開け始める
一見落ち着いている様に見える俺様だけど内心はかなり荒れていた、だってあのナマエちゃんが、俺様の大好きなかわいいかわいいナマエちゃんが俺様と二人っきりでご飯食べてるんだもん、手が震えないのが不思議だった
いつもより少し遅めに弁当を開けると、いつも通り俺様が作った完璧な弁当が顔を出す、なのに今日は少し魅力が欠けている様に見えてしまいナマエちゃんと二人っきりなのに……なんて思ってしまう
勿論それは錯覚なのだろうが、好きな子と一緒にいるとどうもいつもの調子が出ない、"二人っきり"この単語がやたら頭に絡み付いてどうしようもできない
「佐助、なにしてんの?」
「えっ?」
「箸、反対だけど」
「あ……アハーッなにしてんだろ俺様ァ」
ナマエちゃんに指摘されて自分の手の中にある箸を見ると見事に上下反対に持っていた、思わず作り笑いをして自分の頭を軽く叩くとナマエちゃんは不思議そうな顔をして弁当を食べ始めた
なんとなく気まずくなってしまいどうやってこの空気を切り替えようなんて思っていると、ナマエちゃんと俺様の携帯が震え始めた
「なんだろ?元親からだ」
「俺様は真田の旦那からだ」
お互いに顔を見合わせてそう言って届いた文章を見てみる、そこには二人共同じような文章があった
"購買で買えなかったから外のコンビニへ行く、ギリギリだろうから先に食べてて"と言う感じの文章、それを見て俺様は思わず心の中でガッツポーズをした
これなら昼休みずっとナマエちゃんと二人っきりでいられる!!その間にアプローチして少しでも俺様の事を好きになってもらおう!!
そう思いながら俺様は真田の旦那に返信をした、ナマエちゃんも長曽我部の旦那に返信をしてからまた弁当を食べ始めた
「いやー、お二人さん残念だねェ」
「そう言う割には表情は嬉しそうだけど?」
「えっ!?嘘ッ!?」
「嘘、でも嬉しそうなのは本当みたいだね」
「……まあ、いつもうるさいお二人さんが居ないからねェ」
ナマエちゃんに表情を指摘されて、一瞬考えている事が顔に出ていると思い自分の顔を手で覆ったがどうやらそれはハッタリだったようだ、思わず溜め息をついてから自分の頭を掻く
ナマエちゃんは結構クールでいつもストレートに言葉を発するので嘘を付く事は滅多にない、それに関しては珍しい一面が見えて良しと思うがなんとなく見透かされた気分で恥ずかしい
顔が赤くなりそうなのを我慢して、おかずを食べる、うん、やっぱり味最高、魅力がないと思ったけどやはりそうではないようだ
「ナマエちゃん、おかず食べる?」
「いいの?」
「うん、勿論」
ナマエちゃんに弁当の中身を見せながらそう言うと少し戸惑いながらナマエちゃんは俺様手作りのおかずを箸で掴んだ、そのまま口に運んで咀嚼してから飲み込むと小さい声でおいしいと言ってくれた
アンタが望むなら俺様は一生アンタのためにご飯作ってあげるよ、なんて浮かれた台詞を思い浮かべながらその一連の動作を眺める
「じゃあ、私のもいいよ」
「本当ッ!?」
「なんでそんな嬉しそうなの……?」
そう言いながらナマエちゃんが弁当を差し出す、その言葉に俺様は思わず度の過ぎたリアクションをしてしまうが仕方ないでしょう!!
ドキドキとやけに高鳴る心音に緊張感を感じながら俺様は一番無難な卵焼きを箸で掴む、するとポツリとナマエちゃんが呟いた
「あ、それ私が作ったやつ」
ナマエちゃんのその言葉に俺様は思わず箸を落としそうになるが、冷静を装って相槌を打ってからゆっくりと口に運ぶ
ああ、今俺様なんて幸せなんだろう、ナマエちゃんの手作りのおかずもらっちゃってる……あ、やばい幸せ過ぎて涙出てきそう……
なんて思いながらナマエちゃんの卵焼きを飲み込んだ、ちょっと勿体ない気もしたけどね
「そんなに卵焼き好きだったっけ佐助って」
「うん……好き」
「だよね、そんなに美味しそうに卵焼き食べる人初めて見たもん」
好きって言ったのは本当はナマエちゃんがって事なんだけどそんな事を当然気付かないナマエちゃんは俺様を完全に卵焼き好きに格付けしたようだ
それからは残念ながら一回もおかず交換をせずに二人で時々話しながら食べ続けた、ちょっと寂しい気もしたけど何回もやると有り難みが無くなるからね
何分かして食べ終えて弁当を仕舞う、お茶を飲んでいるとナマエちゃんは携帯を弄り始めていた
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