君の香りと
name changes
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ジョセフの場合
「ジョースターさんって年の割になかなかいい匂いしますよね」
「ナマエ、それはどう言う意味じゃ、加齢臭なんてせんぞ」
「えー、でも死んじゃったおじいちゃんはいつも湿布の匂いしてましたよ」
「ワシはまだそんな歳じゃないわい」
新手のスタンド使いの術にハマってしまったジョースターさんの隣に座りながらそんな会話をする、今頃アヴドゥルさんや承太郎達が本体を見つけて倒している頃だろう
ベンチに座りブラブラと足を揺らすとジョースターさんが急に私の頭に手を置いた、チラリとジョースターさんの方を向くと目を瞑っているので何故私の頭に手を置いたのか聞こうとしたがやめておいた
きっと、ホリィさんの事が色々心配なのだろう、外国の人って多分心細くなったら人肌に触れるのが一番落ち着くのだろう
なんとなく最近連絡していないお父さんの事を思い出し、私は懐かしい感覚に珍しく甘える事にした
本体を倒した承太郎達が戻って来たのでホテルにチェックインをしたのだが、部屋がいつもより一部屋少なく、私はめったに同じ部屋にならないジョースターさんとポルナレフと一緒になった
「俺ちょっとタバコ吸いてぇんだけど、ここで吸っていい?」
「ダメじゃポルナレフ、ここは火災報知器が敏感だからフロントの喫煙コーナーに行け」
「あ、ついでに氷も持ってきておいてポルナレフ」
「俺は使いっパシリか!!!?」
部屋に入り荷物を置くや否やポルナレフがタバコを吸いたいと言い出した、そんなポルナレフに私は氷も持って来るよう伝えた
渋々と言う感じで部屋から出て行ったポルナレフを見送りながら私はお風呂に湯を張った
「ジョースターさん先入ります?」
「ん?いや、ナマエからでいいぞ」
「じゃあ先入っちゃいますね」
ジョースターさんに先に入ると伝えてから部屋着を脱衣所に置いていると、なんとなくジョースターさんの匂いを思い出した
せっかくめったに同じ部屋にならないジョースターさんと一緒になったのだ、あの匂いのする香水を借りてしまおう
そう思い私はジョースターさんに頼むため、元の部屋に戻った
「ジョースターさん、あの匂いって香水ですか?」
テレビを少しつまらなさそうに見ているジョースターさんにそう聞くとジョースターさんはポカンとしながら私を見ていた
「いや、今日は香水はつけてなくてのォ……多分シャンプーかもしれん」
「えっ!?あのいい香りってシャンプー!?」
「ああ」
ジョースターさんはそう言うとゆっくりと腰を上げて、自分の荷物の中を探し出し私に少し小さめのボトルに入ったシャンプーを渡してくれた
どうやら使ってもいいらしい、ジョースターさんにお礼を言うと笑顔でまた頭に手を置いてきた、なんだかおじいちゃんらしくない元気な笑顔だったので少しジョースターさんが若く見えてしまった
もう一度礼を言ってから私はお風呂に入る事にした、脱衣所の鍵をしっかりと閉めてシャワーを浴びながら早速ジョースターさんシャンプーを使わせてもらった
ふわりと嫌な甘さではない匂いが一気に浴室に広がり、私は本当にジョースターさんが約七十歳なのか困惑してしまう、この香りはポルナレフ辺りがギリギリ使っている香りのような感じがするからだ
何と言うかジョースターさんは精神年齢が少し若い気がする、この間も正義戦で便器を舐めてしまったポルナレフに爆笑していたし……でもその分落ち着きもあってジョースターさんってハイスペックだよなぁ……
なんて思いながらシャンプーを流し、湯にしっかりと浸かってから私は髪の毛を乾かして脱衣所を出た
「ジョースターさん上がりました、シャンプーありがとうございます……まだポルナレフ戻りませんね」
「気に入ってもらえて嬉しいよ……どうせどこかの女でも口説いてるんじゃろ」
ジョースターさんにシャンプーを返すと今度は大人びた笑顔でそれを受け取り、ポルナレフが口説いている図を想像しているのか溜め息混じりにそう言ったジョースターさん
またハイスペックな一面を見てしまったと思いながら、ジョースターさんの隣に座るとジョースターさんは一瞬目を細めた
「ジョースターさん?」
「……ナマエからワシと同じ香りがすると思っての、なんかもう一人孫を持った気分じゃ」
ジョースターさんの名前を呼びながらどうかしたのか聞くと、今度はフニャリと落ち着いたような笑顔でそう言ってきた
そんなジョースターさんの笑顔に私はなんとなく恥ずかしくなってしまい、顔を背けるようにテレビを見る事にした
どうやら明日は風が少し強いようだ、きっとジョースターさんの周りにはあのいい香りがするのだろう、きっと私の周りにも