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(承太郎視点)
横目で時計を見てみるとそろそろナマエの学校が終わる時間だった、ついさっきまでは昼前だったのに時間というのはすぐに過ぎていく
歳をとったような考えをしてしまったと思いながら少し冷めたコーヒーを飲み干し、ホテルを出た
タクシーを捕まえてナマエの学校から少し離れた場所で降りる、どうやら時間通りに到着できたようでチラホラとナマエと同じ学校に通う奴らが校門から出て行くのが見えた
今日は確かナマエは一人で喫茶店に飲みに行く日だ、なのでここで待っていれば自然にナマエは俺の所に来るわけで期待で胸が膨らむ
カチカチと規則正しく時を刻む腕時計を見ながらナマエが通るのを待っていると、横からナマエが歩いて来たのが見えた
今日は髪の毛のゴムの色がいつもとは違い朝に寝過ごしたのかと少し心配になってしまう、よく見てみると少し疲れたような顔付きをしているのも分かった
ほんの少し疲れているからと言って油断しているとそれが大きな事故に繋がるかもしれないと思いながら、俺はナマエのタイミングに合わせて一歩踏み出した
トスンと軽い衝撃が右側にかかり、ナマエの小さい悲鳴が聞こえた後謝る声が聞こえた
焦ったような顔をしていたが俺の顔を見てナマエはすぐに口角を緩めた、本当にそういう所が可愛らしいのを分かってやっているのか、なんて少し思いながらナマエに挨拶をする
「奇遇ですね承太郎さん、もしかしてなにか用事でもあるんですか?」
と聞いてくるナマエに俺は少し緩む口角を必死に押さえながら
「暇ができたので辺りをフラフラしていた」
とそれっぽい事を言っておく事にした、するとナマエは目を輝かせながら俺を見て
「なんでしたら一緒に喫茶店に行きませんか?一人で飲もうと思ってたんですが最近あの辺物騒で……承太郎さんと一緒なら安心できますし!!」
なんて言ってきたどこまで俺の心を鷲掴みにするつもりなのだろうかと思いながらも平静を装い短く返事をしてナマエに着いて行く事にした
いつもより近くにいるナマエを見て俺は今日はなんて素晴らしい日なのだろうと考えながら風に流されてフワフワと浮かぶナマエの髪を眺めていた
あっという間に喫茶店に着き俺とナマエは同じ席に座り注文をする事にした
店員がコーヒーを注いでる間、ナマエは俺との唯一の共通点である仗助の事を積極的に話題に出して話をしてきた、きっと俺に気を使っているのだろうそう思うとナマエが他の男の事を話していても不思議と不快感は薄れていった、完全には無くなっていないが
丁度ナマエの話が終わった時、店員からコーヒーを俺達の机の上に手際よく置いて来てくれた
「このお店、コーヒーも美味しいですけどココアも捨て難いんですよねェ……」
そう呟きながらココアを飲み始めるナマエを見て、俺もココアにすればよかったなんて思いながら
「今度飲んでみる」
と短く伝えてコーヒーを一口流し込んだ、いつも自分が煎れるコーヒーより少し美味く思わず自嘲的な笑みをこぼしてしまった
それから適当に甘い物を頼みナマエとの雑談を楽しむ事にした
俺の方からはあまり話を振る事はできなかったがナマエはそれを気にしていないようで安心した
ナマエが少し手洗いに行ってくると言って席を離れた時、まだ一つのケーキに手を付けてない事に気が付いた俺はつい魔が差してコッソリと薬を盛る事にした
全く違法的なものでないが、少し強いと噂の睡眠薬だ、元々だいぶ前からナマエに飲ませて部屋に連れて行きたかったのだが機会がなかったのだ
今は絶好のチャンスなので実行したのだがだいぶ罪悪感という物があるものだ
やめようかと思いケーキの皿を掴んだ時、ナマエが帰ってきてしまった
「?どうしたんですか承太郎さん?ケーキ食べたいんですか?」
「いや……そう言う訳でない、気にするな」
ナマエが不思議そうに聞いてきたが俺はそう答えて深く椅子にもたれ、帽子のつばを押さえた
ナマエがケーキを食べてから無事店は出たが、やはり睡眠薬の効果が出始めたのか街中でフラリと俺にもたれてきたナマエ、慌てて支えた時はもう夢の中だった
こうなったら最後までとことんやるしかないと思い、俺はナマエの鞄を持ちながらもう一度タクシーを捕まえた
この杜王町に居る間の自室であるホテルに入りナマエをソファーに慎重に降ろす
まだスヤスヤと眠っているがいつ起きるのかが分からないのが怖いなんて思いながらナマエの顔を間近で見てみる事にした
完全に閉じている瞼の先には少し長めの睫毛が規則正しく生えている、鼻筋はしっかりしていて何処にでもいる女の子の顔をしている、だが俺にはナマエだけは特別で一層愛らしく見えるのは何故だろうか
このままここに閉じ込めて、誰の目にも触れずに過ごさせたいと狂気じみてる考えが一瞬頭をよぎったが、それではナマエに迷惑がかかってしまうと考えを振り払う
落ち着いて考えるのだもし俺がここにナマエを閉じ込めたとしてもナマエが今日のような表情をしてくれるとは限らない、なによりナマエが苦しむ事はしたくない
ナマエが悲しむ姿を思い浮かべてなんとか完全に狂気じみてる考えを振り払う事ができた、今はまだ耐えられるがもし耐えれなくなってしまったら俺はどうなってしまうのだろう
そう思った時目の前にいるナマエがモゾリと寝返りを打った後ゆっくりと目を開け数回瞬きをし始めた、どうやらまだ状況が理解できていないようだ
俺は気付かれないうちに離れて水をコップに注ぎ、上半身を起こし周りをキョロキョロ眺めているナマエに差し出した
「あ……ありがとうございます……」
戸惑いながらも俺からコップを受け取り一、二口飲んだ後、ここはどこなのか聞いてきたそう言えばまだ自室には連れてきてなかったのだと思い出してから
「俺の部屋だ」
と短く伝えたするとナマエは明らかにうろたえ始めて覚えていないだのお手数を掛けてすみませんだの謝りはじめた、そんなナマエの目の前に手を伸ばして言葉を遮る
そして先程までの下心を隠しながら意識がしっかりするまでここに居ていい、丁度一人ではつまらないと思っていた等それっぽい事を言っておいた
するとナマエは疑いの心を一切見せずにお礼を言ってからまた水を飲み始めた、あのコップは永久保存しようと心に決めながら、こうなるなら何か気の利いた飲み物でも買ってくるべきだったと後悔しながら、ナマエの前に座り形だけでも書類に目を通す事にした
ついでにここでなにか話そうと思ったが上手く言葉が整わなくてとてももどかしい時間が進んでいく、ナマエも緊張しているようでまだキョロキョロと周りを見ている、こんな事もあろうかとこまめに掃除をしておいて正解だった
俺は書類に目を通すフリをしながらナマエを眺め続け、また監禁してしまおうかというドロドロした感情が浮かんでくるのを感じた