JOJO
name changes
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(少年ジョセフ視点)
僕には少し変わった家族がいる家族と言ってもその人は僕とは血の繋がりがない、それだけでも変わっている家族だろう、しかしその人の変わっている部分は他にもあった、その人は僕のエリナお婆ちゃんが子供の時の事を知っていると言うのだ、しかしその人は年齢はまだ十代と言う
初めは嘘かと思ったがエリナお婆ちゃんの昔の写真にその姿があった、それを見てから僕にとってその人は変わった家族と言う立ち位置になった
その人の名前はナマエ、ナマエが言うには元々は未来人、偶然エリナお婆ちゃん達の時代に時間を飛んで来てしまったらしい、タイムトラベラーとかなんとか言っていた
そんな事は僕には関係なく俺はナマエを家族だと思っている、未来人だとしても僕の家族には変わりない
「お邪魔してるよジョセフ」
「ナマエ!!久しぶり!!」
今日はナマエが毎月遊びに来る日だ、いつもはスピードワゴンの爺さんの所で働いているナマエだがこうして月に二、三回泊まりに来てくれるし何かあればすぐに駆けつけてくれる
ナマエに抱き着き頭を撫でてもらう、記憶にない母親を感じさせる手つきに思わず眠くなってくるが今日はいっぱい遊ぶとナマエと約束していたのだ
名残惜しいがパッとナマエから離れてエリナお婆ちゃんに新しく買って貰ったサスペンダーをパチンパチンと鳴らし何して遊ぶか聞いた、しかしナマエはいつものように微笑みながら何でもいいと言うだけだ
「じゃあさ僕ナマエの昔の話が聞きたい!!」
「えっ?私の?」
前々から聞きたかったナマエの昔の話、つまりナマエがお婆ちゃん達の時代に来る前の話を聞かせて欲しいとねだる、未来の話を昔の話と言うのは少し奇妙に感じるがナマエには通じたようだ
少し考える素振りをしながら誰にも言わないし未来にどんな事が起きるのかは教えないと言う条件を付けてナマエは僕の隣に座り、まずは昔自分がどのように暮らしていたのか話し出した
今の僕と同じくらいの年齢の時は無意識のうちに時々数分や数時間時間を飛んでしまって大変だったとか、何百年も時間を飛んだのは初めてだったから驚いたとか、ようやくその時代の生活に慣れてきたのにまた飛んでこの時代に来た時は半分諦めていたとか
ナマエの話す言葉はその辺の本より面白くとても惹かれた、真剣に話を聞いていると、ふいにナマエは僕の頭を優しく撫でた
「……ジョナサン……」
聞こえるか聞こえないかの声でそう呼んだのが聞こえた、思わずナマエを見上げるととても寂しそうな表情をしていた、エリナお婆ちゃんが僕に昔の話をする時にも時々見せる表情にとても良く似てる
ジョナサンと言う名前は何回も聞いた事がある、でも僕はあまり気にしていない人物だ、もう死んでしまっているし会ってもいない人を気にする奴の方が少ないと思う
「ナマエ?」
「……ジョセフはよく似てる」
「……そうかなぁ」
「うん、笑った顔が特に」
目を伏せて僕の知らない祖父を思い出しながら悲しそうに笑うナマエ、その笑顔が何故かとても綺麗で僕はナマエにそんな顔をさせる祖父に無意識に嫉妬していた、きっと祖父は僕なんかよりもっとずっとナマエの事を知っているのだろう、そう思うとなんだかとても悲しくなってきてそれと同時にムカムカした気分になる
どんな顔をしていいのか分からず思わず頬をかいてしまう、そんな僕を見てナマエはクスリと笑った、この顔も僕の祖父は既に見ていたのだろうか、そう思うとまた嫉妬心が溢れていく、僕は祖父とは違うのだ、きっとナマエを一人にしない、祖父は若くして亡くなったらしいので僕は長生きしてやる
フツフツと今は亡き祖父への対抗心が湧いてきて、僕はその気持ちをナマエに知って欲しくてナマエの目を見て話す事にした
「ナマエ、俺はナマエと一緒にいてあげるよ」
「ジョセフ……?」
「ナマエに悲しい顔をさせないし、例えまた時間を超えても僕は長生きするからナマエを一人にさせないよ」
これはナマエに悲しい顔をさせる祖父に対する一種の挑戦状のような物だ、僕は祖父とは違う、それをナマエに知って欲しくてそう言った、するとナマエは意味が理解出来たのか一瞬目を大きく見開いた後、綺麗な目を伏せてしまった
「ジョセフ、ごめんね、ありがとう」
次に目を開いたナマエは嬉しそうに綺麗に笑い僕にそう言った、ナマエの笑顔を見ると僕も嬉しくなる、やはりナマエは嬉しそうに笑っているのが一番綺麗だ、思わず嬉しくなり僕も笑う
ナマエの謝罪の言葉を聞いて、今度こそちゃんと僕の事を見てくれたような不思議な感覚がした、今まで僕を見てくれなかった訳じゃないがなんとなくそんな感じがしたのだ、それが何より嬉しかった
ナマエは笑う僕の頭をまた撫でてきた、ナマエの手は温かい、この温もりは僕にとっての安らぎを与えてくれる不思議な手だ、ウトウトと瞼が重くなるのを感じる、まだ寝てはダメだ、まだナマエと話していたい、そう思い必死に睡魔と戦うが、そんな僕の気持ちを知らないナマエはゆっくりと耳元で囁いた
「おやすみジョセフ」
その言葉を聞いて僕は張り詰めていた糸が切れたように瞼を閉じて眠りについてしまった、意識が途切れる最後に感じていたのはやはりナマエの温かい手の感触だった