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私の恋愛はとても悲惨なものだと思う、初恋した相手が引っ越した時から始まり恋した人物はいつも知らぬ間に私の前から居なくなっていた気がする
小学生の頃は確か両親が離婚して別の県に行ってしまったり、海外に行ってしまったり、中学生もそんな感じで気が付いたら停学になっていたり、転校していたり……
そもそも他の人には見えない物を持っている私には恋愛なんて一生できないのだろう
高校生になってそんな風に諦めていた、だがある日から私は同じ物が見える人物に出会う事ができたのだ、その名前がスタンドだと聞いた日から私はそのスタンドが見える人達とエジプトに向かう事になった
その旅ももう終わったがそれと同時に私はまた失恋をした、日本に帰る私と故郷に帰るという彼、お互いの気持ちは知らなかったけど私は結果失恋をした
日本に共に帰った友人とも最近は面と向かって話していない、なんだか悲しくなって最近気分転換にイタリアに向かう事にした
「ハァ……やっぱり気分転換とか言って安易にくるものじゃないな」
ガヤガヤと様々な言語が飛び交う空港で私は思わずそう呟いた、右手にはイタリアの観光地などが簡単に書かれたパンフレットがあるが正直ゆっくりと読めない
タクシーを待っていると途中不思議な髪の毛をした青年に声をかけられたが、イタリアでは結構詐欺などが多いと聞いたので無視を続けると、その人はつまらなさそうに次の人に声を掛け始めた
しっかりとした会社のタクシーに乗り込み運転手おすすめの場所に連れて行ってもらう、しかしとある場所で私は迷子になってしまった
何度も何度もパンフレットを読んだり、周りの看板を探したりするが結局ここがどこだか分からずじまい……スタンドがあるので犯罪とかには巻き込まれなさそうだがそれでも心細い
「今日はやたらと運が悪い……」
思わずそう呟いたが状況は全く変わらない当たり前の事だが今の状況では結構心細くなってくる
危険でもなんでもないのにスタンドを出して心細さを紛らわす、これがどうやら機転だったようでスタンドの視界に何か動く物を感じた
幸い熊や不審者などではない、おそらく近くにある廃墟的な家に向かっているのかゆっくりと進んで行く人影、幽霊でもないようだ
スタンドだけでなく自分の視界にもそれが入り込む、その瞬間まるであのスタンド能力を受けたように私の周りの時間だけ止まった気がした
見た事があるピアスと見た事がある個性的な髪の毛、それだけで私はそれが誰だか分かった
思わず私はその彼の所まで走って向かった、枯れ木などが肌に引っかかっても関係ない
「ポルナレフ……ッ」
私の声は想像していたよりも遥かにか細かったがしっかりとした声で彼の名前を呼んでいた
私の声にピクリと肩を動かして反応した彼、だが顔はこちらを向こうとはしていない彼の背中だけが私には見えている
「ポルナレフ……なんでしょう?私の事……分かる?」
恐る恐る声をかけたが彼はこちらを向こうとはしなかった、まるで何かに非常に警戒するように
そんな彼に私はいよいよ痺れを切らし、彼に一歩近付こうとした、だが私が踏み込む瞬間彼は自分のスタンドを出した
「……アイツがいる訳が無いのだ、ここに……貴様は何者だ何故アイツの真似をする」
今まで聞いた事のないような彼の低い声、だが少し期待があるのか彼は完全には警戒していないようだ、現に今シルバーチャリオッツの剣先が私に向いていないのだから
きっと彼は私の知らない別の物と戦っていたのだろう、私が日本で普通に生活している時に、承太郎と連絡が取れなかったのもきっとなにか関係があるのだろう
「……ポルナレフ、アンタは昔香港で承太郎のお母さん、ホリィさんを助ける旅に同行したよね」
「……」
「それからエジプトでDIOと戦った、アヴドゥルさんとイギー、花京院を犠牲にしてしまったけど私達は生き残った」
「……」
「生き残ったのは承太郎とジョースターさんポルナレフ、そして私……ナマエ」
「……ナマエな訳が無い、ここにいるわけがない、その情報をディアボロから聞いたのなら俺の前で言うのは間違いだったな」
私がナマエだと言う事を信じてもらいたくてあのエジプトの旅の事を話したが彼は怒ってしまったようだ、だが本当に怒っているのなら何故シルバーチャリオッツを仕舞ったのか、私にはそれが分からなかった
疑問に思っていると彼がゆっくりとできる顔を横に向けて目だけ動かしこちらを向いた、彼の目は明らかに以前より鋭くなっていた、何かあったのはもう明らかだった
今すぐにでも彼に飛び付きたくて、抱きしめて欲しくて駆け出しそうになったが変わってしまった彼の視線がそれを許さなかった
しかし私を見て彼の目は少しだけ見開かれた、本物の私だと言う事に気が付いてくれたようだ
「ナマエの筈がないんだ」
彼はそう自分に言い聞かすように呟いた、そんな彼に私は出来る限り笑顔を作った
「ポルナレフ、信じてくれた?」
「……ナマエ……」
ようやく私と認めてくれたようでポルナレフは私に向かってゆっくりと車椅子を動かした、キュルキュルと車輪が動く鈍い音が聞こえる
だがまだ私達の間には距離がある、それを縮めていく間にポルナレフは涙の膜が薄ら張っている目でこちらを見ていた
「ナマエ……」
「……ポルナレフ」
ポルナレフがか細い声でそう言うと同時に、ポルナレフは私の目の前に来ていた、そんなポルナレフの視線に合わせるためにしゃがむとポルナレフは私に抱き着いてきた
何度も何度も私の名前を呼ぶポルナレフ、名前を呼ばれる度に私は返事をする、もう二度と聞けないと思っていた声が鼓膜を揺らす、それだけで私の目にも涙の膜が張る
それから落ち着いたポルナレフから再会の言葉と私と同じ感情を抱いていた事を知らされ、私はまた泣いてしまった
これからはこの旧友と共に住むと決めた時、カタリと奥の方で飾ってあった矢のようなものが落ちた音が聞こえた、それからまた私達は奇妙な因縁に巻き込まれる事となる