君の香りと
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ポルナレフの場合
久しぶりにのんびりと体を休ませる事が出来ると思ったのだがどうやらそれは無理なようだ
今回の部屋割りで同じ部屋になったのはポルナレフだからだ、ポルナレフは楽しいムードを作ってくれるので良い奴なのだが疲れている時は結構厄介だ
この間もアヴドゥルさんが被害にあって、ポルナレフに当て身をしたと言う事を聞いた、きっとポルナレフも悪気があってやったわけではない様だが疲れている時はゆっくりと過ごしたいものだ
「なぁなぁナマエ、このホテルのコーヒーってうめぇのかな?」
「……」
ポルナレフがホテルの冊子を見ながらそう聞くが私は一人掛け用ソファーに座り黙っていた、疲れているのだ察してくれポルナレフよ
そう思うがやはりポルナレフはエスパーではないのでキョトンとしながら冊子から目を離した
「なぁナマエ聞いてる?」
「聞いてる聞いてる」
少しつまらなさそうに言ってきたポルナレフに目を瞑りながら適当に答える、しかしやはり感情が入ってないのが分かるのか遂にはポルナレフが立ち上がった
「ナマエ」
「……なに?」
「お前もしかして疲れてる?」
「……察しがいいね」
どうやらこうも露骨に雰囲気を出しているといくらポルナレフでも分かるようで少し心配そうに聞いてきた
これなら私はゆっくり休めるかもしれないと思ったが現実はそうは上手くいかないようで、ポルナレフが急に私の腕を引っ張り無理矢理立ち上がらせた
「何するの」
「ナマエさぁ、疲れてるなら早く風呂入って寝た方がいいぜ?俺は別に平気だから後で入るけど……」
ポルナレフはこれでも本当に私を心配しているそうで、なんだか少し申し訳なくなった
だがせっかく与えられたチャンスをみすみす逃すわけにはいかないので、言葉に甘えて先にお風呂に入る事にした、途中シャンプーが切れている事に気が付いてポルナレフに言うと貸してくれた
流石のフランス人、日本の男子が使っている様な爽快感を重視したような物ではなくいい香りがするシャンプーだ
ポルナレフらしいと思わず笑いながらも使わせてもらう事にした、浴室に入りシャンプーのノズルを何回か押すとフワリとポルナレフから時々香る香りがした
少しだけ戸惑ったがもう出してしまったのでそれを泡立てながら髪の毛を洗う、最後にしっかりシャワーで洗い流し浴槽は無かったのでシャワーをまんべんなく浴びて浴室を出た
「ポルナレフありがとう」
「おう、今日は早めに寝ろよナマエ」
髪の毛をタオルで拭きながらシャンプーを返してポルナレフに礼を言うとポルナレフは笑いながら早く寝ろと言ってきた、ポルナレフはこういう所でお兄さん属性が現れる
急なポルナレフのお兄さんらしい発言に思わず戸惑っていると、ポルナレフが私からシャンプーを受け取ったまま固まっていた
何事かと思ってポルナレフに声をかけるとポルナレフはビクリと肩をビクつかせたのでこちらも思わず驚いてしまう
「ポ……ポルナレフ……?」
「あ、悪ィ……なんでもない……じゃあ俺は風呂に入ってくるから、それまでは寝てろよナマエ」
ポルナレフは私に早口にそう言って少しだけ頬を染めながら浴室に向かって行ってしまった、どうしたのだろうと思ったが一度ベッドに横になるとフワフワとした睡魔が襲ってきた
ウトウトとしているとポルナレフが出てきたのが分かった、声をかける事すら億劫だったのでそのまま寝てしまおうかと考えているとポルナレフがこちらに近付いてきたのを感じた
「……ナマエ?」
私の名前を呼んできたが私はそのまま寝るつもりだったので返事はしなかった、ふと自分の顔に影がかかった気がした時
「やっぱりナマエから俺と同じ香りがするぜ……嫌じゃねぇけど、なんか恥ずかしくて調子でねぇ……」
とポルナレフが困ったような照れたような声色でそう言ってきた、思わず目を開けそうになったがポルナレフのその声を聞いた直後いよいよ意識が無くなってきた
目が覚めてからあれは夢だったのかと思ってしまうが、私から香るポルナレフと同じ香りが鼻腔をついてポルナレフが言った事がなんとなく分かった気がしたし、ポルナレフと時々目が合う時があるので夢ではないのではと思った
強めの風が吹いた時、またあのポルナレフの香りがして今度は私が恥ずかしくなってしまった