君の香りと
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花京院の場合
髪の毛を洗いリンスをしようとしたらどうやら切れていたようで情けない音を立てながらリンスの容器のヘッドが下がった
何度やっても空気の抜ける音が響き、私は小さく溜め息をついた
「やっちゃったなぁ……」
そう呟くと浴室では私の声が響きなんだかより一層落ち込んでしまう、このままリンスをやめてしまってもいいがそれでは女子としてダメだろうと思い私は渋々自分のスタンドを出した
結構な遠隔からも操作できる私のスタンドを分かる範囲にいる花京院の方に向かって動かす
自分の目を瞑ってスタンドが見ている視界を感じ取り、本を読んでいる花京院に声をかける
「花京院、花京院」
「わっ……ナマエのスタンドじゃないか、どうかしたんですか?」
花京院は少し肩をビクつかせ私の方を向いた、そんな花京院に手を出しながら私は頼み事をする事にした
「リンスなくなっちゃったんだ、あったらでいいから貸してくれない?」
出している手が自分の頭の上に来るまで頭を下げて私は花京院に頼み込んだ、すると花京院は少しだけ困ったような顔をしたがそのまま鞄が置いてある方まで歩き出した
戸惑いながらも着いて行くと花京院は少し大きめのリンスのボトルを私のスタンドに持たせた
「僕のでよかったらどうぞ」
そう言ってくれた花京院に私はお礼を言いってからスタンドを浴室まで戻した、私の手には花京院が渡してくれたボトルがある
それをなるべく濡らさないように丁寧に置いて、ノズルを下げるといい匂いのするリンスが出てきた
花京院らしい香りのするリンスを使わせてもらい、私はなんとか自分のキューティクルを守る事に成功した
「花京院ありがとう」
「いえ、大丈夫そうでよかったです」
お風呂から出て花京院に礼を言うと紳士的な返事をしてきた花京院、そんな花京院の言葉に思わず笑ってしまう
花京院がその後すぐに浴室に向かって行ってしまったのでリンスの名前とか聞きたかったが聞けなかった、なんとなくあのリンスの香りは落ち着く好きな香りだ
それから明日の予定を聞いて少し話をしてから私達は体を休ませるために睡眠を取った
翌日花京院の行動がなんとなく不審だったが気のせいだと思い私はあまり気にしなかった
「ナマエから僕と同じ香りが……少し嬉しいような……」
そんな事を呟いていた事もその時の私は全く知らなかった、後々ポルナレフから聞いて分かった事だ
「花京院、私花京院の香り好きだよ」
ポルナレフから話を聞いてから花京院にそう言うと、照れながら笑い頬を指で掻きながらか細い声でありがとうと言ってきた
「またよかったら貸してくれないかな?」
「ええ、いいですよ……なんだか照れてしまいますね……」
花京院にまた貸して欲しいと伝えると長い前髪を指先でクルクルと回しながら花京院はそう言ってきた
旅の途中、時々吹く風に紛れて花京院のリンスの香りがして私は思わず口元が緩んでしまった