第十六訓
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どうやら宇宙船は今日元々江戸に着陸する予定だったが燃料が予想以上に減ってしまい不時着と言う手を使ったそうだ、そこまでは良かったのだが緊急事態なのに艦長が不在らしい
元々放浪癖があり居ない事は度々あるが今は緊急事態、責任者の艦長がいないと事を進めるに進められない、と言う事で作業が難航していた
「とにかく艦長に連絡し続けてください」
「仕方ないのォ」
局長が副艦長に連絡を続けるように頼むと長髪の副艦長は土佐弁で呆れたように答えて無線を鳴らし続けた、話によると商いを行う宇宙船で中々大規模な宇宙船らしい
船の中がザワつく中飛び交う土佐弁を聞いて思わずあのモジャモジャ頭で頭空っぽの人物を思い出してしまう、楽しそうに笑っていた笑い声は今でも耳に残っていて昔はよく励ましてもらった
そう言えば手の傷は治ったのだろうか、表舞台から姿を消してから宇宙に行くと言い続けていたが本当に宇宙に行ったのだろうか……沢山話したい事があるがきっと会う事は無いだろう
懐かしい記憶をパトカーに座りながら思い出しているとボーッとするなと副長に頭を小突かれた、叩かれた場所を撫でつつ艦長が来るのを待つ、こんな大人数でやる事ではないと思うが宇宙船が大きいのでそうはいかないらしい
正直帰りたいと思った時ようやく無線が艦長に通じた様だ、副艦長がイライラした口調で話しているのが聞こえた、話終えると数十分で着く場所にいるらしいが艦長は方向音痴なので迎えを使いたいようだ
「迎えか……俺と近藤さんが行く、花無為達はここで待っててくれ」
「分かりました、あと少しなのでとりあえず艦長が来たらすぐに移動出来るようには整えておきます」
「よろしく頼む」
副長が私に残りの作業を終わらせるように伝えて局長とパトカーに乗り込んだ、パトカーが見えなくなった頃私は隊士達に引き続き作業を進めるように伝えた
副長が置いて行ったこの宇宙船の情報が細かく書かれている書類に目を通すと、責任者の欄に思いもよらない名前が書いてあった
「……坂本……辰馬……」
思わず名前を呟くと聞こえたのか副艦長がこちらに来た、書類によるとこの人は陸奥と言う名前の様だ、その前にこの不在の艦長があの坂本辰馬なのか確認を取る事にした
「何か不備でもあったか?」
「そうではないんですけど……あの……坂本辰馬、さんってどんな方ですか?」
「うちの艦長はアホじゃ、その一言に尽きる、そもそもなんでアホの事を聞く?」
「アホですか……あー……いや、同姓同名の人を少し知ってるので」
陸奥さんと話すがこの艦長の坂本辰馬さんはアホと言う事しか知る事が出来なかった、もう少し容姿の特徴とか聞けると思っていたのである意味驚いている
部下にアホと言われているが、きっと信頼しているからこそそう言えるのだろうと思い、この船の信頼関係がしっかりしていると感じた
何故艦長の事を聞くのか聞かれ、関係が攘夷関係なので言い切るに言い切れず濁す様な答えになってしまった、それが気になったのか陸奥さんは少し顔を顰めた
「ワシらの艦長は真選組の人物に知られる様な奴ではないと思いますが……?」
と疑う様な目で見られてしまった、少し申し訳なくなってしまい私の気のせいだと思うと伝えてとりあえずその場から離れる事にした、今ここで宇宙船の方と揉めると後の作業に支障が出るかも知れないからだ
変に疑われるような事を聞いてしまったと少し反省をしていると艦長を乗せているであろう副長達のパトカーがこちらに向かって来た、作業ももうほとんど終わっているので無事に飛び立てるだろう
これで一段落付いたと思い安心していると、パトカーが止まり中から副長と局長、そして艦長と思われる人物が降りてきた、艦長は背が高い男性のようでパトカーから降りる時に軽く頭をぶつけていた、その時に見えたモサモサとした茶色の頭とぶつけた時に聞こえた声に覚えがあった