第十五訓
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「ヴぁー……」
「何してんですかい花無為さん」
「沖田か……いや、ちょっと昨日色々あってな」
昨日の事が衝撃的で縁側で現実逃避をしているとどこからか沖田がやって来た、死んだ目をしている私を見るなり声をかけてきたが正直昨日の事は話したくない
話そうと思い出すとあの謎のハーモニーがぶり返して来そうになるからだ、もう二度とあんな事は体験したくない
「昨日って……花無為さんがマーライオンになったぐらいしか話のネタはありやせんぜ」
「ちょっと待て」
昨日の事をダメージがない程度に思い出していると沖田がサラッととんでもない事を言った、いつどこで私が昨日厠でマーライオンと化した事を知ったのか
一点を眺めていたため動かなかった眼球をすぐさま動かし沖田を睨みつける、すると沖田はニヤニヤと嫌な笑みを浮かべているだけだ
更にはおもむろに懐から携帯を取り出し、私が口を抑え半泣きで厠へ駆け込む姿が写っている写真を見せてきた、自分の口元が引くつくのが手に取るように分かった
この屯所内で一番見られてはいけない人物に見られてしまったと分かり、私の精神は昨日から削られ続け、もうそろそろ限界を迎えそうだった
「……よく撮ったな」
「実は昨日藁人形の材料が足りなくて儀式を早めに切り上げたんでさぁ、そしたら花無為さんが……」
「その先は言うな……と言うか儀式ってなんだよ怖いよ」
サラッと儀式とかそう言う事を言う沖田は本当に底が知れないので敵に回すと厄介なのは知っていた筈なのに、一女性としては秘密にしておきたい事を見られてしまった
弱味を握られてしまうとは思いもよらなかったがこの際仕方ない事だ、逆にギャーギャー喚くと沖田は喜んでしまうので諦める事にする
「花無為さんどう思います?」
「……もう、いいさ……気にしない」
携帯の画面をチラチラと見せながら嬉しそうに感想を聞いてくる沖田に額を押さえながら諦めた雰囲気でそう言うと、やはり思っていた通り沖田はつまらないと言わんばかりに携帯を閉じた
個人的には消して欲しいが沖田の飽きがくるまで待つしか手はない、それとも奪い取ると言う手があるが後が怖いのでやめておく
携帯を閉じた沖田はドシンと私の隣に座ってきた、そして懐からガムを取り出し噛み始める、私も気分転換に欲しいと思ったが副長に見つかると厄介なのでやめた
むしろ昨日の衝撃的出来事のせいで今日はなにも出来ない気がする、結局今日はなにも仕事を終わらせる事が出来ないまま一日が終わってしまった