第十一訓
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高杉との一件で傷を負った部分を医者に診てもらう事になり、私は今医者の前で傷口の包帯を解いているが女医さんが少し恥ずかしそうにフッと目を逸らしたので少し傷心している
包帯を解き終えて傷口を見せると医者はなるべく痛みを感じないように優しく触れながら傷口の診断をし始めた、化膿していないのか確認したり傷はどこまで到達しているのかなどを時々私に聞きながら診察をしていた、女医さんは仕事熱心なのかさっきまで恥じていた事が嘘のようにキリッとした表情で医者の補助をしていた
軽く麻酔をかけた後肩の傷口を縫って抜糸の日付を聞いて診察は終わった、近くに畳んでおいた隊服を着直すと女医さんは専門器具を片付けながら
「女性の方だったのですね……」
と言ってきたそんな女医さんの言葉に医者は小さく笑い出した、この人は真選組の専属の医者なので私の事は知っているが女医さんは新しく入った人なのだ、それにしても笑うとは酷い医者だ
女医さんの言葉に思わず苦笑いをしながら隊服のスカーフを結ぶ、医者に礼を言ってから門まで見送り部屋に戻ると局長が抜糸までなるべく安静にするようにと言われた
傷口はもうほぼ塞がってきているのだがどうも局長は過保護過ぎると思いながら言われた通り外に出るような仕事はやめて、高杉と再会して以来全く触っていない書類を片付ける事にした
「ふぅ……肩凝るなぁ」
一人で肩をグルグルと回しながらそう呟くと肩に縫ってあった糸が突っ張って軽い痛みが走った、そう言えばそろそろ麻酔が切れる頃なので痛みを紛らわす物が欲しいなと思い部屋を出た
自動販売機でコーヒーを買いプルタブに指をかけた時、廊下から集団が歩いてきたのか振動が伝わってきた、目を向けるとスキンヘッドが特徴の原田さんを中心に隊士達が歩いてきた
「あ、花無為さん傷はもう大丈夫ですか?」
「うん、まあね、原田さん達はどうしたの?休憩?」
原田さんは私に気が付くとぺこりと頭を下げて私の傷の事を聞いてきた、そんな原田さんに大丈夫だと言いながらどこへ向かっているのか聞いてみた
すると原田さん達は軽い苦笑いで答えたのでどうやら休憩ではなくちょっとしたサボリのようだ、原田さんはそろそろ禁煙しようかと言っていたが連れている隊士がほぼ全員喫煙者の所を見ると我慢出来なくなったようだ
「大丈夫、副長には言わないよ、だけど吸いすぎは良くないから」
副長には言わないと言うと全員の顔から緊張が消えホッと溜め息をついた、だがタバコの事は別、注意をすると原田さんはバレた事に軽く驚いていた
そんなやり取りの後喫煙者グループ達も無事に喫煙所に向かったので私はコーヒーを一気に喉に流し込み部屋に戻る事にした、残った書類の処理はあと半分残っている
私は縫った肩の傷に注意しながら首を鳴らし廊下を歩いた、ジンジンとした鈍痛が肩から感じたのでもう麻酔は切れてしまったのだろう、そう思うとやる気がなくなってきたがあと半分なので終わらせる事に決めた