鳥肉食べたい 尾形百之助夢
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「あ!百之助だ!」
お母ちゃんに頼まれたおつかいの帰り道、向こうの通りに大きな銃を背負った百之助を見つけた私はおおはしゃぎで駆け出した。
「ああ、莉緒か。これから出かけるのか?」
飛びつこうとする私を一歩下がって避けた百之助は、そう言って持っている銃を揺らした。
「あのね!今おつかいが終わって帰るところ!百之助は?もしかしてこれから狩りに行くの?」
ゆらゆら揺れる銃を見上げながらそう聞くと、百之助は大きくこくん、と頷いた。
「やっぱり!ねえねえ!狩りってどんなことするの?」
「山に行って、見つけた獲物をこいつで撃つ」
百之助は、澄ました顔でそう言うと、背中の銃を大事そうに撫でた。
「もっと詳しく教えて!」
そう言って、私も銃に手を伸ばす。
でも、百之助はきゅっと眉毛を寄せて銃を背負い直してしまった。
「詳しく話したら狩りに行く時間が短くなるから嫌だ」
「えー!じゃあ百之助の狩りについて行って見てるのは?」
「嫌だ。お前、歩くの遅いし邪魔」
「ひどい!そこまで言わなくてもいいでしょ!百之助のケチ!鬼!ばーか!」
「なんとでも言え」
そう言って、必死に肘にへばりつく私をべりっと引き剥がした百之助はこっちを振り向きもしないで山の方に歩いて行ってしまった。
「百之助のばか!あほ!えっと…ばーか!!!」
腹が立って、その辺にあった石を蹴っ飛ばしてたら、楽しくなってきて、そのまま近くの木にぶつけて遊んでいると、きゅっと眉毛を寄せた百之助が背中の銃をがしゃがしゃ鳴らして戻ってきた。
「おーい!百之助!狩りはもう終わったのー?」
ぶんぶん両手を振って叫ぶ。
すると百之助は、ぐりんっと私の方を向いて、ずんずんこっちまで歩いてきた。
「まだこんなところにいたのか。とにかく、行くぞ」
「行くって、どこに?」
「狩りだ」
「ええ!?なんで!?さっきまでずーっと一緒に行くの嫌だって言ってたのに!」
「うるさいな。バアちゃんが…いや、なんでもない。で、付いてくるのか?こないのか?」
そう言うと、百之助はふい、と顔を逸らした。
「もちろん行く!」
はいはーい!と手を挙げて答える。
「じゃあ、さっさと行くぞ」
言いながら、百之助は私の手をしっかりと掴むと、山の方にどんどん歩いて行った。
「百之助!見て!あそこ!きれいな花が咲いてる!」
「ああ、その花か。毒持ってるから触るなよ」
「えっ!そうなの!?持って帰ってお家に飾りたかったのに…」
「ははっ。諦めるんだな」
花をじっと見つめて肩を落とす私の後ろで、百之助はバカにしたように笑った。
「なんで落ち込んでるのにそんなこと言うのさ」
私は、振り向いてじとっと百之助を睨みつけた。
「なんでって、しょぼくれてるお前を見てると面白いからな」
「ひどい!」
文句を言ってやろうと、私は百之助に詰め寄った。
「喋るな!」
突然、百之助にがばっと口を塞がれた。
「むー!むー!」
離れようとバタバタ暴れると、百之助はまたぎゅっと口を押さえてきた。
怖くなってきて、おそるおそる見上げると、百之助は「しっ!」と小さく声を出して、向こうの木をあごでくいっと指した。
なんだかよく分からないけど、とにかく百之助に倣って、その木の方にゆっくりと顔を向けた。
「は!ほひひふ!はふほふへ!ふっほいほっひいほひひふ!!!」
「そうだ。今からアイツを仕留めるから、静かにしてるんだぞ。分かったな」
百之助の言葉にこくこく、すぐに頷く。
「よし」
百之助はぱっと私を放して、準備に取り掛かった。
目の前の鳥をじっと見つめたまま、背中の銃を下ろして、すっと構えるまでは一瞬なのに、構えたらピタリと止まって置物みたいにちっとも動かない。
すごい…
私は口を両手でぐっと押さえたまま、動けなかった。
カチリ
引き金が引かれた、と同時にバアンと大きな音がぶるぶる足を伝わって頭に響いた。
「…やった」
振り向いた百之助はほっぺたを真っ赤にして、本当に嬉しそうに笑っている。
それを見ていたら、なんだか私もすごく嬉しくなってきて、「すごいよ!百之助!」ってふらふら背中に抱きついた。
百之助はぎゅっと服を掴む私の頭をくしゃくしゃ撫でると、そのまま近くの木の横に座らせてくれた。
「すぐに焼いてやるから、そこで待ってろ。莉緒」
「うん!」
答えると、百之助はまた私の頭にぽん、と触れて、仕留めた獲物の方にゆっくり、ゆっくり歩いて行った。
あの百之助があんなに夢中になってるところ、初めて見た…銃って、一体どんなものなんだろう?
私は、音も立てずに離れていく百之助の背中をじっと見ながら、ぐいっと足を伸ばした。
お母ちゃんに頼まれたおつかいの帰り道、向こうの通りに大きな銃を背負った百之助を見つけた私はおおはしゃぎで駆け出した。
「ああ、莉緒か。これから出かけるのか?」
飛びつこうとする私を一歩下がって避けた百之助は、そう言って持っている銃を揺らした。
「あのね!今おつかいが終わって帰るところ!百之助は?もしかしてこれから狩りに行くの?」
ゆらゆら揺れる銃を見上げながらそう聞くと、百之助は大きくこくん、と頷いた。
「やっぱり!ねえねえ!狩りってどんなことするの?」
「山に行って、見つけた獲物をこいつで撃つ」
百之助は、澄ました顔でそう言うと、背中の銃を大事そうに撫でた。
「もっと詳しく教えて!」
そう言って、私も銃に手を伸ばす。
でも、百之助はきゅっと眉毛を寄せて銃を背負い直してしまった。
「詳しく話したら狩りに行く時間が短くなるから嫌だ」
「えー!じゃあ百之助の狩りについて行って見てるのは?」
「嫌だ。お前、歩くの遅いし邪魔」
「ひどい!そこまで言わなくてもいいでしょ!百之助のケチ!鬼!ばーか!」
「なんとでも言え」
そう言って、必死に肘にへばりつく私をべりっと引き剥がした百之助はこっちを振り向きもしないで山の方に歩いて行ってしまった。
「百之助のばか!あほ!えっと…ばーか!!!」
腹が立って、その辺にあった石を蹴っ飛ばしてたら、楽しくなってきて、そのまま近くの木にぶつけて遊んでいると、きゅっと眉毛を寄せた百之助が背中の銃をがしゃがしゃ鳴らして戻ってきた。
「おーい!百之助!狩りはもう終わったのー?」
ぶんぶん両手を振って叫ぶ。
すると百之助は、ぐりんっと私の方を向いて、ずんずんこっちまで歩いてきた。
「まだこんなところにいたのか。とにかく、行くぞ」
「行くって、どこに?」
「狩りだ」
「ええ!?なんで!?さっきまでずーっと一緒に行くの嫌だって言ってたのに!」
「うるさいな。バアちゃんが…いや、なんでもない。で、付いてくるのか?こないのか?」
そう言うと、百之助はふい、と顔を逸らした。
「もちろん行く!」
はいはーい!と手を挙げて答える。
「じゃあ、さっさと行くぞ」
言いながら、百之助は私の手をしっかりと掴むと、山の方にどんどん歩いて行った。
「百之助!見て!あそこ!きれいな花が咲いてる!」
「ああ、その花か。毒持ってるから触るなよ」
「えっ!そうなの!?持って帰ってお家に飾りたかったのに…」
「ははっ。諦めるんだな」
花をじっと見つめて肩を落とす私の後ろで、百之助はバカにしたように笑った。
「なんで落ち込んでるのにそんなこと言うのさ」
私は、振り向いてじとっと百之助を睨みつけた。
「なんでって、しょぼくれてるお前を見てると面白いからな」
「ひどい!」
文句を言ってやろうと、私は百之助に詰め寄った。
「喋るな!」
突然、百之助にがばっと口を塞がれた。
「むー!むー!」
離れようとバタバタ暴れると、百之助はまたぎゅっと口を押さえてきた。
怖くなってきて、おそるおそる見上げると、百之助は「しっ!」と小さく声を出して、向こうの木をあごでくいっと指した。
なんだかよく分からないけど、とにかく百之助に倣って、その木の方にゆっくりと顔を向けた。
「は!ほひひふ!はふほふへ!ふっほいほっひいほひひふ!!!」
「そうだ。今からアイツを仕留めるから、静かにしてるんだぞ。分かったな」
百之助の言葉にこくこく、すぐに頷く。
「よし」
百之助はぱっと私を放して、準備に取り掛かった。
目の前の鳥をじっと見つめたまま、背中の銃を下ろして、すっと構えるまでは一瞬なのに、構えたらピタリと止まって置物みたいにちっとも動かない。
すごい…
私は口を両手でぐっと押さえたまま、動けなかった。
カチリ
引き金が引かれた、と同時にバアンと大きな音がぶるぶる足を伝わって頭に響いた。
「…やった」
振り向いた百之助はほっぺたを真っ赤にして、本当に嬉しそうに笑っている。
それを見ていたら、なんだか私もすごく嬉しくなってきて、「すごいよ!百之助!」ってふらふら背中に抱きついた。
百之助はぎゅっと服を掴む私の頭をくしゃくしゃ撫でると、そのまま近くの木の横に座らせてくれた。
「すぐに焼いてやるから、そこで待ってろ。莉緒」
「うん!」
答えると、百之助はまた私の頭にぽん、と触れて、仕留めた獲物の方にゆっくり、ゆっくり歩いて行った。
あの百之助があんなに夢中になってるところ、初めて見た…銃って、一体どんなものなんだろう?
私は、音も立てずに離れていく百之助の背中をじっと見ながら、ぐいっと足を伸ばした。