鳥肉食べたい 尾形百之助夢
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「できたぞ、莉緒」
自分の席にもたれて、はあはあ息を切らしていたら、百之助が焼き上がった鳥肉を持ってきてくれた。
「ありがとう!百之助!」
元気にお礼を言ってからくらくらする頭で立ち上がろうと、ふんっと腕に力を入れる。
それを見た百之助は「立たなくてもいい」と、きゅっと眉毛を寄せて肩を押してきた。
「うわっ」
大声を上げて尻もちをつくと、百之助は頭を撫で上げて、はんって息を吐きだした。
「むきになってぐるぐる回り続けてるからだ、ばかめ」
「ばかじゃないもん!それに、むきになってたのは百之助も同じでしょ!どれだけお花見せてもちっとも褒めてくれなかった!」
「それはそうだろう。べつに、かわいいともきれいとも思っていないからな」
「なにそれ!本当に百之助って素直じゃないよね!」
頭の邪魔な花を投げ捨てて、ひったくった鳥肉にかぶりつくと、百之助は、さっきよりも大きく息を吐き出した。
「いつもいつも鳥肉を貰ってきてくれるのは嬉しいけど、百之助って私にすんごく失礼だよね!」
腹が立って、ふいっとそっぽ向いてそう言う。
百之助は、怒られたことにびっくりしたのか、目を丸くしてじっとこっちを見た。
と、思ったら、またすぐにいつもの澄ました顔に戻って、バカにしたようにははって笑ってきた。
「なあ、お前、俺が持ってくる肉は誰が獲ったものだと思ってるんだ?」
「えっ?誰って、百之助のおじいちゃんかお父ちゃんじゃないの?」
今度は私の方が目を丸くして聞いた。
百之助はまた一つ笑って、こっちを見下ろしてきた。
「違うな。今までお前がおいしい、おいしいって食べてた肉は全部その失礼な奴が獲った肉だ」
「え!うそ!じゃあ、今食べてるこれも、この前食べたやつも、その前に食べたやつもみんな百之助が獲ったの?」
「そうだ」
百之助は、ふふん、と鼻を鳴らして頭を撫でた。
「すごいね!百之助!そんなこと、みんなできないよ!百之助、すっごくかっこいい!」
食べかけの鳥肉を持ったまま、前へ走って出てきて、ぴょんぴょん飛び跳ねると、百之助はちょっと俯いて、だけど、「ありがとう」って言ってくれた。
「あー!百之助と食べる鳥肉は本当においしいな!大きくなってもこんな風に一緒に…そうだ!百之助のお嫁さんになればいいんだ!」
そう言うと、百之助は突然きゅっと眉毛をくっつけて、隣に座ろうとする私をぐいぐい押しのけ始めた。
「ちゃんと分かってるのか?莉緒、結婚するっていうのはな、毎日うまい肉を食いてえからする、なんて簡単なことじゃないんだぞ」
「そんなこと分かってるもん!それに、おいしい鳥肉が食べたいっていうのも一番の理由じゃないから!」
百之助の横からしぶしぶ飛び降りて、大きな声で叫ぶ。
百之助は、耳をぐっと押さえて、真剣な顔でじっとこっちを見てきた。
「じゃあ、その一番の理由ってのは何だ?」
「それは…」
うっと黙り込んじゃった私を見て、百之助はまたはんっと息を吐いた。
「やっぱり理由は肉なんじゃないか」
「そんなことないもん!」
「そんなことあるだろう」
「そんなことないったらない!」
何回違うって言っても、百之助は全然信じてくれなくて、今日は別れるまでずっとそうやって言い合った。
自分の席にもたれて、はあはあ息を切らしていたら、百之助が焼き上がった鳥肉を持ってきてくれた。
「ありがとう!百之助!」
元気にお礼を言ってからくらくらする頭で立ち上がろうと、ふんっと腕に力を入れる。
それを見た百之助は「立たなくてもいい」と、きゅっと眉毛を寄せて肩を押してきた。
「うわっ」
大声を上げて尻もちをつくと、百之助は頭を撫で上げて、はんって息を吐きだした。
「むきになってぐるぐる回り続けてるからだ、ばかめ」
「ばかじゃないもん!それに、むきになってたのは百之助も同じでしょ!どれだけお花見せてもちっとも褒めてくれなかった!」
「それはそうだろう。べつに、かわいいともきれいとも思っていないからな」
「なにそれ!本当に百之助って素直じゃないよね!」
頭の邪魔な花を投げ捨てて、ひったくった鳥肉にかぶりつくと、百之助は、さっきよりも大きく息を吐き出した。
「いつもいつも鳥肉を貰ってきてくれるのは嬉しいけど、百之助って私にすんごく失礼だよね!」
腹が立って、ふいっとそっぽ向いてそう言う。
百之助は、怒られたことにびっくりしたのか、目を丸くしてじっとこっちを見た。
と、思ったら、またすぐにいつもの澄ました顔に戻って、バカにしたようにははって笑ってきた。
「なあ、お前、俺が持ってくる肉は誰が獲ったものだと思ってるんだ?」
「えっ?誰って、百之助のおじいちゃんかお父ちゃんじゃないの?」
今度は私の方が目を丸くして聞いた。
百之助はまた一つ笑って、こっちを見下ろしてきた。
「違うな。今までお前がおいしい、おいしいって食べてた肉は全部その失礼な奴が獲った肉だ」
「え!うそ!じゃあ、今食べてるこれも、この前食べたやつも、その前に食べたやつもみんな百之助が獲ったの?」
「そうだ」
百之助は、ふふん、と鼻を鳴らして頭を撫でた。
「すごいね!百之助!そんなこと、みんなできないよ!百之助、すっごくかっこいい!」
食べかけの鳥肉を持ったまま、前へ走って出てきて、ぴょんぴょん飛び跳ねると、百之助はちょっと俯いて、だけど、「ありがとう」って言ってくれた。
「あー!百之助と食べる鳥肉は本当においしいな!大きくなってもこんな風に一緒に…そうだ!百之助のお嫁さんになればいいんだ!」
そう言うと、百之助は突然きゅっと眉毛をくっつけて、隣に座ろうとする私をぐいぐい押しのけ始めた。
「ちゃんと分かってるのか?莉緒、結婚するっていうのはな、毎日うまい肉を食いてえからする、なんて簡単なことじゃないんだぞ」
「そんなこと分かってるもん!それに、おいしい鳥肉が食べたいっていうのも一番の理由じゃないから!」
百之助の横からしぶしぶ飛び降りて、大きな声で叫ぶ。
百之助は、耳をぐっと押さえて、真剣な顔でじっとこっちを見てきた。
「じゃあ、その一番の理由ってのは何だ?」
「それは…」
うっと黙り込んじゃった私を見て、百之助はまたはんっと息を吐いた。
「やっぱり理由は肉なんじゃないか」
「そんなことないもん!」
「そんなことあるだろう」
「そんなことないったらない!」
何回違うって言っても、百之助は全然信じてくれなくて、今日は別れるまでずっとそうやって言い合った。