鳥肉食べたい 尾形百之助夢
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「莉緒、いるか?」
「百之助!」
家の前で私を呼ぶ声に、私は持っていた籠を父ちゃんに押し付けて駆け出した。
前に山で一緒に鳥肉を食べてからしばらく経つけど、百之助は大体週に1回か2回くらい、こうして鳥肉を持ってきてくれる。
「百之助~!」
家の入口をじっと見ている百之助に横から飛びつくと、百之助は一瞬目を丸くして、「おっ」と声を上げた。
いつもいつも、家を出たらじっとこっちをみている百之助と目が合って、びくってなっちゃってたけど、これでおあいこだ!
「なんだ?いつも家から出てくるのに、今日はどうしたんだ?」
「今日はね!父ちゃんの畑仕事を手伝ってたの!」
よくぞ聞いてくれました!と胸を張って答えると、百之助は、なぜかため息を一つ吐いた。
「じゃあ、最後まで手伝ってきたらどうだ?お前の父さんもまだ作業してるぞ」
ほら、と百之助が指す方に目を向けると、父ちゃんが籠を二個持って、ポカンとした顔で立っていた。
そうだった…父ちゃん、まだ風邪が治ったばっかりで、お手伝いしないとまだお仕事大変なんだった。でも…
「どうしよう、百之助…」
「父さんの手伝いに行けばいいだろう?お前の手伝いが終る頃にまた来てやる」
「うん…分かった」
「莉緒ー!!!」
鳥肉を持ち直して背を向ける百之助に手を振ろうとしたところで、父ちゃんに大声で呼ばれた。
両手で口を囲って、「なあにー?」と叫び返すと、父ちゃんは両手をぶんぶん振って言った。
「今日のお手伝いはもういいから、お友達と遊んできなさーい!」
「本当!?いいの!?ありがとう!父ちゃーん!」
嬉しくなってその場でぴょんぴょん飛び跳ねた勢いで百之助に抱きついた。
いつもなら、「ひっつくな」とか「暑苦しい」とか言って、すぐ突き飛ばしてくる百之助も、今日はにっこり笑って、父ちゃんにぺこってお辞儀してた。
「行こう!」
「ああ」
そのまま私は百之助の腕をぐいぐい引っ張って歩き慣れた道をぐんぐん進んでいった。
「邪魔だ。そろそろ離れろ」
「えー?なんでー?さっきはあんなに、にこにこしてたのに」
振り払われた手を見つめて文句を言う。
でも、百之助は振り返るどころか、ちょっと早足になりながら言った。
「ああくっつかれたら山道は歩けないだろう」
そりゃそうかもしれないけどさ!もっともっと優しく言ってほしい!そうしたら、私だって、「はーい!」ってちゃんとすぐ言うこと聞くのに!
むうっとふくれっ面になりながら、私は百之助の背中を追いかけた。
隣に並ぶ頃には、二人とも、いつもの広場に着いていた。
ぶすっとした態度のまま、いつもの席に行こうと、背中を向けたところで、ちょんちょん、と服の袖が引っ張られる。
びっくりして振り返ると、百之助の方も一瞬、びくっと肩を震わせた。
「なあ、おい、これやるから機嫌直せよ」
そう言うと、百之助は袖の中から白い花を何本か取り出した。
「わあっ!きれい!!!百之助、これ、私にくれるの?」
こくんと百之助が頷いたのと同時に、私は両手を伸ばした。
「かわいいなあー!きれいだなあー!ありがとう、百之助!」
木の間から漏れるお日様の光に翳して、お花をくるくる回しながら、めいっぱいの笑顔を百之助に向けて言った。
百之助は、ふんっと息を吐いて、坊主頭を撫でた。
「ははっ、そんなもんで機嫌が直るなんてな。お前は簡単な奴だ」
「そんなことないよ!このお花、とっても素敵だよ!それに、ほら!髪につけたらすっごくかわいい!」
どう?どう?と百之助の周りでくるくる回ってみせると、百之助はきゅっと眉毛を寄せた。
「ぼさぼさの頭にそんなものつけたって大して変わんないだろう。つける前より多少マシになったってくらいだ」
「なにそれ!「かわいいね」とか「きれいだね」とか言ってよ!」
ぴたっと止まってふらふらしながら問い詰めると、百之助はまたきゅって、眉毛を寄せた。
「あー、そうだな、似合ってる、似合ってる」
「もっとちゃんと褒めて!」
ふわあって、あくびまでしてる百之助に腹が立った私は、百之助に絶対かわいいって言わせる!と決心して、気持ち悪くなるまでくるくる回り続けた。
「百之助!」
家の前で私を呼ぶ声に、私は持っていた籠を父ちゃんに押し付けて駆け出した。
前に山で一緒に鳥肉を食べてからしばらく経つけど、百之助は大体週に1回か2回くらい、こうして鳥肉を持ってきてくれる。
「百之助~!」
家の入口をじっと見ている百之助に横から飛びつくと、百之助は一瞬目を丸くして、「おっ」と声を上げた。
いつもいつも、家を出たらじっとこっちをみている百之助と目が合って、びくってなっちゃってたけど、これでおあいこだ!
「なんだ?いつも家から出てくるのに、今日はどうしたんだ?」
「今日はね!父ちゃんの畑仕事を手伝ってたの!」
よくぞ聞いてくれました!と胸を張って答えると、百之助は、なぜかため息を一つ吐いた。
「じゃあ、最後まで手伝ってきたらどうだ?お前の父さんもまだ作業してるぞ」
ほら、と百之助が指す方に目を向けると、父ちゃんが籠を二個持って、ポカンとした顔で立っていた。
そうだった…父ちゃん、まだ風邪が治ったばっかりで、お手伝いしないとまだお仕事大変なんだった。でも…
「どうしよう、百之助…」
「父さんの手伝いに行けばいいだろう?お前の手伝いが終る頃にまた来てやる」
「うん…分かった」
「莉緒ー!!!」
鳥肉を持ち直して背を向ける百之助に手を振ろうとしたところで、父ちゃんに大声で呼ばれた。
両手で口を囲って、「なあにー?」と叫び返すと、父ちゃんは両手をぶんぶん振って言った。
「今日のお手伝いはもういいから、お友達と遊んできなさーい!」
「本当!?いいの!?ありがとう!父ちゃーん!」
嬉しくなってその場でぴょんぴょん飛び跳ねた勢いで百之助に抱きついた。
いつもなら、「ひっつくな」とか「暑苦しい」とか言って、すぐ突き飛ばしてくる百之助も、今日はにっこり笑って、父ちゃんにぺこってお辞儀してた。
「行こう!」
「ああ」
そのまま私は百之助の腕をぐいぐい引っ張って歩き慣れた道をぐんぐん進んでいった。
「邪魔だ。そろそろ離れろ」
「えー?なんでー?さっきはあんなに、にこにこしてたのに」
振り払われた手を見つめて文句を言う。
でも、百之助は振り返るどころか、ちょっと早足になりながら言った。
「ああくっつかれたら山道は歩けないだろう」
そりゃそうかもしれないけどさ!もっともっと優しく言ってほしい!そうしたら、私だって、「はーい!」ってちゃんとすぐ言うこと聞くのに!
むうっとふくれっ面になりながら、私は百之助の背中を追いかけた。
隣に並ぶ頃には、二人とも、いつもの広場に着いていた。
ぶすっとした態度のまま、いつもの席に行こうと、背中を向けたところで、ちょんちょん、と服の袖が引っ張られる。
びっくりして振り返ると、百之助の方も一瞬、びくっと肩を震わせた。
「なあ、おい、これやるから機嫌直せよ」
そう言うと、百之助は袖の中から白い花を何本か取り出した。
「わあっ!きれい!!!百之助、これ、私にくれるの?」
こくんと百之助が頷いたのと同時に、私は両手を伸ばした。
「かわいいなあー!きれいだなあー!ありがとう、百之助!」
木の間から漏れるお日様の光に翳して、お花をくるくる回しながら、めいっぱいの笑顔を百之助に向けて言った。
百之助は、ふんっと息を吐いて、坊主頭を撫でた。
「ははっ、そんなもんで機嫌が直るなんてな。お前は簡単な奴だ」
「そんなことないよ!このお花、とっても素敵だよ!それに、ほら!髪につけたらすっごくかわいい!」
どう?どう?と百之助の周りでくるくる回ってみせると、百之助はきゅっと眉毛を寄せた。
「ぼさぼさの頭にそんなものつけたって大して変わんないだろう。つける前より多少マシになったってくらいだ」
「なにそれ!「かわいいね」とか「きれいだね」とか言ってよ!」
ぴたっと止まってふらふらしながら問い詰めると、百之助はまたきゅって、眉毛を寄せた。
「あー、そうだな、似合ってる、似合ってる」
「もっとちゃんと褒めて!」
ふわあって、あくびまでしてる百之助に腹が立った私は、百之助に絶対かわいいって言わせる!と決心して、気持ち悪くなるまでくるくる回り続けた。