夜の帰り道1章
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夏祭りにプールに、楽しかった夏休みも終盤に差し掛かってきた憂鬱な今日。私達バレー部の毎年恒例北海道山合宿が始まる。
全体集合時間の朝7時半まであと10分もないというのに、何人もの部員達が水着のギャルを夢見て海パンを持って現れてはマネージャーに現実を突きつけられて寮に慌てて戻っていく。
ここまで来たんだったら海パン置きに行って集合時間ギリギリになるよりバッグの奥にでも隠して3泊4日やり過ごす方が楽に決まっているのに本当にバカだなあ。
この場に残った数少ない真面目な部員の中に前田がいるのは引っかかるけど。
工藤と辰巳を連れて部室の点検に行ってしまった他の2人の代わりに合宿の荷物の確認をしないと、ということで私はバスの方に向かった。
「よお、小宮、大変そうだな。手伝ってやろうか?」
作業を始めて1分もしない内にヤツがやって来た。
ド派手な南国の植物柄で見るからに海パンだと分かるハーフパンツと練習着の白Tシャツなんていう本物のバカしか着てこない服装とニヤケ面。もうすでに面倒臭い。
「いい。すぐ終わるから。それより前田はそのズボンをどうにかするのが先じゃない?」
作業の手を止めないままそう言うと、前田は「ああ」って返事をしたっきり黙ってしまった。
「…なに?まだ何かあるの?」
「お、おう!そうだ水着だ水着!おい小宮!あのエロい水着、ちゃんと持ってきただろうな?」
「は?」
「いや、だから約束したじゃねえか。合宿の時にエロい水着、着てくれるってさ」
「そんな約束した覚えないけど。それに合宿先は山だって言ったよね。しかも北海道。水着なんていらないよ」
「川で泳ごうぜ!!!」
そう言い放つと、前田はふんぞり返って胸を張って見せた。
かなりキツめに返したのに、ここまでくるとバカを通り越していっそ清々しいな。勿論褒めているわけじゃないけど。
「合宿所近くの川、3歳児が余裕で立てるくらい浅いらしいよ。用が終わったらどっか行ってくれる?私、前田に構ってるほど暇じゃないんだけど」
「あー!待て待て!!!用あるから!!!」
さとちゃん作持ち物リストを読み上げはじめたところで前田が私と荷物の間に強引に割って入ってきた。マジでうざい。
「なに?本当に邪魔なんだけど」
「お、おう!あー、あのさあ…」
「そういうのいいから。用があるならさっさと言ってくれない?」
「3日目の夜の自由時間空けとけよ!小宮!!!2人で抜け出すぞ!!!」
「なんで私がそんなことしないといけないの?嫌だからね。見つかって先生に怒られるわ皆にいじられるわで絶対散々な目に遭うに決まってる」
誘ったどさくさに紛れて肩に置かれた手を振り払ってもう一度リストに向き直ると、前田は私の隣にしつこく寄ってきて顔を覗き込んできた。
「邪魔。話は終わったでしょ、寮にその海パン脱ぎに行って黒木に怒られれば?」
「終わってねえよ。なあ、どうしても来ねえの?ジュースでもアイスでも驕るぜ?お前の好きなジョリジョリ君も大サービスで付けてやるからさあ」
「確かにジョリジョリ君は好きだけど」
「よし!!!決まりな!!!3日目の夜8時に合宿所の裏口集合!必ず来いよ!!!」
「ちょっと!最後まで話を聞いて!」
「遅れるなよ。じゃあ後でな!!!」
勝ち誇ったようにびしっとこちらを指差すと、前田は寮から走ってきた集団に混ざってどっかに行ってしまった。
マジでなんなの?アイツ。そんなの行くわけないじゃん。そもそも私は、ジョリジョリ君もジュースも買いたかったら自分で買えるからいらないし。本当に人の話を聞かないな。
掴まれた肩のところをこれ見よがしに払って、私はまた作業に戻った。
全体集合時間の朝7時半まであと10分もないというのに、何人もの部員達が水着のギャルを夢見て海パンを持って現れてはマネージャーに現実を突きつけられて寮に慌てて戻っていく。
ここまで来たんだったら海パン置きに行って集合時間ギリギリになるよりバッグの奥にでも隠して3泊4日やり過ごす方が楽に決まっているのに本当にバカだなあ。
この場に残った数少ない真面目な部員の中に前田がいるのは引っかかるけど。
工藤と辰巳を連れて部室の点検に行ってしまった他の2人の代わりに合宿の荷物の確認をしないと、ということで私はバスの方に向かった。
「よお、小宮、大変そうだな。手伝ってやろうか?」
作業を始めて1分もしない内にヤツがやって来た。
ド派手な南国の植物柄で見るからに海パンだと分かるハーフパンツと練習着の白Tシャツなんていう本物のバカしか着てこない服装とニヤケ面。もうすでに面倒臭い。
「いい。すぐ終わるから。それより前田はそのズボンをどうにかするのが先じゃない?」
作業の手を止めないままそう言うと、前田は「ああ」って返事をしたっきり黙ってしまった。
「…なに?まだ何かあるの?」
「お、おう!そうだ水着だ水着!おい小宮!あのエロい水着、ちゃんと持ってきただろうな?」
「は?」
「いや、だから約束したじゃねえか。合宿の時にエロい水着、着てくれるってさ」
「そんな約束した覚えないけど。それに合宿先は山だって言ったよね。しかも北海道。水着なんていらないよ」
「川で泳ごうぜ!!!」
そう言い放つと、前田はふんぞり返って胸を張って見せた。
かなりキツめに返したのに、ここまでくるとバカを通り越していっそ清々しいな。勿論褒めているわけじゃないけど。
「合宿所近くの川、3歳児が余裕で立てるくらい浅いらしいよ。用が終わったらどっか行ってくれる?私、前田に構ってるほど暇じゃないんだけど」
「あー!待て待て!!!用あるから!!!」
さとちゃん作持ち物リストを読み上げはじめたところで前田が私と荷物の間に強引に割って入ってきた。マジでうざい。
「なに?本当に邪魔なんだけど」
「お、おう!あー、あのさあ…」
「そういうのいいから。用があるならさっさと言ってくれない?」
「3日目の夜の自由時間空けとけよ!小宮!!!2人で抜け出すぞ!!!」
「なんで私がそんなことしないといけないの?嫌だからね。見つかって先生に怒られるわ皆にいじられるわで絶対散々な目に遭うに決まってる」
誘ったどさくさに紛れて肩に置かれた手を振り払ってもう一度リストに向き直ると、前田は私の隣にしつこく寄ってきて顔を覗き込んできた。
「邪魔。話は終わったでしょ、寮にその海パン脱ぎに行って黒木に怒られれば?」
「終わってねえよ。なあ、どうしても来ねえの?ジュースでもアイスでも驕るぜ?お前の好きなジョリジョリ君も大サービスで付けてやるからさあ」
「確かにジョリジョリ君は好きだけど」
「よし!!!決まりな!!!3日目の夜8時に合宿所の裏口集合!必ず来いよ!!!」
「ちょっと!最後まで話を聞いて!」
「遅れるなよ。じゃあ後でな!!!」
勝ち誇ったようにびしっとこちらを指差すと、前田は寮から走ってきた集団に混ざってどっかに行ってしまった。
マジでなんなの?アイツ。そんなの行くわけないじゃん。そもそも私は、ジョリジョリ君もジュースも買いたかったら自分で買えるからいらないし。本当に人の話を聞かないな。
掴まれた肩のところをこれ見よがしに払って、私はまた作業に戻った。