寂しがり少女
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「明王さん、私がいなくてもちゃんと自炊しなよ。インスタントばっかは体に悪いんだから」
「カップ麵に感動してた奴に言われたくねぇよ。お前こそ携帯電話、ちゃんと携帯しとけよな。出掛ける時に部屋に置いて行ったら携帯電話の意味ねーんだよ」
「う……」
日本代表になった一日目の朝。私は合宿の準備をしながらしばらく一人暮らしに戻る明王さんへと注意をすれば、小言を倍返しされた。
選考試合の時だって私は家に携帯を置きっぱなしにしていたので、真帝国のみんなからのお祝いメールを見たのは家に帰ってからだった(彼らは私が携帯を使いこなせないことは知ってるので、今更怒られはしないけれど、ネタにはされた)
「メール一日経っても返信なかったら合宿所に押しかけるからなー」
「……やめてよね」
私はスポーツバックの内ポケットに携帯電話がしっかり入ってることを確認して家を出る準備をしていると、明王さんはからかい半分にそんなことを言ってきて思わず睨みつける。
……チームと上手くいかないであろう私の姿なんて、見せれる訳ない。
「じゃあ、行ってきます」
「おう。……ああ、そう言えば言ってなかったな」
「ん?」
私は靴を履いて、バックの紐を肩にかけて立ち上がった所で明王さんは目の前にやって来た。
「日本代表おめでとう、明奈チャン」
そんな祝う言葉と共にいつの間にか持っていたのか、何かを私へと差し出してきて、私はよく分からないまま受け取った。
青色のシンプルな箱……いやこれは、
「……ペンケース?」
「お前はこっちの方いいんだろ?中のペンも適当に買ったから嫌だったら買い直せや」
境目を見つけて軽く力を入れれば、パカリと開いて中にはシャーペンと数本のカラーペンが入っていて……明王さんからの言い分からわざわざ私が好きそうなのを選んで買い揃えてくれたということだろう。
「……り……う」
「あ?」
「……ありがとう。大事にする」
私はペンケースの蓋を閉じて、明王さんに礼を言えば彼は目を丸くして固まっていた……礼も言えない娘だと思われてるのか、心外な。
「あっ、電車!じゃあ、今度こそ行ってきます!!」
それを指摘しようとしたけれど、電車の乗る時間も迫っていたことを思い出して私は慌ててペンケースをバックの中(傷つかないように着換えやタオルの間)に入れて、玄関を飛び出した。
「おはよう、不動さん」
「っおはようございます」
合宿所である雷門の校舎へと行けば丁度玄関で掃き掃除をしているマネージャーの一人である木野さんと出会った。彼女は私の姿を見つけるとにこりと微笑んでくれた。
「朝ご飯食べた?今丁度食堂でみんなご飯食べてるの」
「えっと、朝食は家で食べたので……部屋へ荷物置いてきます」
事実ではあるけれど、これじゃあ意図的に避けているように見えてるな。
「そっか。じゃあ不動さんの部屋に案内するわね」
「え?あ、ありがとうございます」
気まずく思ったけれど、予想に反して木野さんは不審な顔一つせずに掃除道具を片付けに行ってしまった。
「ここが不動さんの部屋。隣は私の部屋だから何か分からない事があったら言ってね」
「はい」
木野さんに案内された部屋の中は私の部屋よりもさらにシンプルな内装だった。
私は机に置いたバックから今日の練習に必要なものを取り出して、改めて手に取ったのは日本代表のユニフォーム。8と書かれた背番号が私に与えられたものだった
まだ、着るには少し緊張する代物。だけど、私が代表になって喜んでくれたり、祝ってくれた人もいるんだから……頑張らないと。
「……よしっ」
一度大きく深呼吸をする。
そして、着替えるために私は立ち上がった。
「今のお前達では世界に通用しない!」
イナズマジャパンとしての練習初日、久遠監督から新しいマネージャーとして監督の娘である久遠冬花さんが紹介された後、そう監督はハッキリと告げた。
世界レベルにするために一から鍛え直す。口答えは一切許さない。
試合に出たければ、死ぬ気でレギュラーの座を勝ち取ってみろ。
そんな数々の鋭い言葉に、昨日の私個人に向けた言葉の意味がさらに重く感じて息が詰まりそうになるが、そんな弱音許されないだろう。
世界の壁はそれほどまでに分厚いんだ。
そんな不穏な空気の中始まった練習は、かなりハードなものだった。
練習が終わった後に集まった食堂ではテーブルに項垂れている者もいた。……響木さんによるリハビリがなかったら今頃私も倒れてたんじゃないかと思いながらその様子を陰から眺めて、私は食堂に立ち寄ることなくさっさと自室へと戻った。
翌日の練習も変わらず容赦がなく、詳しい説明もなくそんな指導をする久遠監督。素性も分からない事も相まって不信感を抱く者も少なくはないという雰囲気を肌で感じ始めた頃だった。
「いいぞ!不動、ナイスチャージだ!」
「…………チッ」
今の褒め言葉はわざとだろ……!!
私は反射的に久遠監督を睨みつけるが、もちろん効果なんてない。
いつものような紅白戦の最中、私は風丸さんからボールを取ろうとスライディングをした際に当たり所が悪く、彼はそのまま転んでしまった。……一応言うけど決して故意ではない。今回は本当にただの事故だ。
ただ、監督の言葉でそうも言ってられなくなってしまった。
「……すみません。わざとじゃないので許してください」
視線を感じながら私は久遠監督の手法に付き合うために、淡々とした口調で謝罪をして、最後に取って付けたような笑みを浮かべた。
「……ああ、分かってる」
なのに風丸さんは私に対して怒る素振りも見せずに、すぐに立ち上がって心配の声を上げる円堂さんに向かって「大丈夫だ」と返していた。
私は首筋に流れる冷たい汗を誤魔化すようにユニフォームで拭いながらその場を離れた。
なんで、よりによって風丸さんなんだろう。
……私に気を遣ってくれた人なのに、未だに何も返せていない。
いっそ怒鳴りつけたり恨まれた方がマシだ、なんて。
「不動。練習後に私の部屋に来るように」
「……はい」
夕方ごろに立て続けに久遠監督に呼ばれてそう言われた。ただその絵面は “ラフプレイに近いプレイをした私を一目置いている監督” ということで、周りによく映っていなかったらしい。
現に私のプレイがレギュラー狙いだと勘違いした緑川さんに敵視されたり、同級生に前以上に怯えられたり散々だった。
「なんでお前みたいなのが日本代表なんだよ」
「は?」
何なら直接文句を言われるぐらいには私は嫌われているらしい。
練習が終わって久遠監督との話のせいで少し遅れた夕食の時間、最後に残ったサラダにあったミニトマトを眺めているタイミングでそんな声をかけられた。
視線を下げればとっくに食べ終わったらしいイナズマジャパンで一番小柄な選手である木暮くんが私を睨みつけていた。
「……監督の采配なんだから、文句ならそっちに言えよ」
「家族を裏切ったくせに」
その一言で彼が私を睨みつける理由がサッカーとはまた別件なことに気づいて、適当に流そうとした口を閉じた。
彼は真・帝国学園の時にもいたはずだけど、その時は佐久間さん達の気迫に視界の端でびくびくと怯えているような選手だったはずだ。……エイリア学園との戦いが彼を変えたのだろう。
そして、あの子も関わっているんだろうな。
小耳に挟んだ木暮くんの出身校が漫遊寺中だということ。それから当時マスターランクだった彼の話を思い出して私はそんな結論を出す。
だから私はため息をつきながら机に肘をついて木暮くんを見下ろした。
「だったら言ってやってよ。こんな奴さっさと忘れろって」
「言ってるよ」
その件に関して私が弁明する権利なんてない。
だから正直にそう伝えると、私を睨んでいた木暮くんはふいに俯いて、不満を隠そうとしない声音でそう言った。
「もう何十回も言ってる。けどアイツ、馬鹿だから聞く耳もたないんだ」
「……………そう」
一瞬だけ、思わず食堂のカウンターへと目線を送れば、あの子は返却口に皿を返しに来た選手と元気よく話していた。
それから視線を戻せば、俯いていたはずの木暮くんは私の顔を見ていた。
「お前はそれ以上の馬鹿だけど」
一連の流れを見ていた上での言葉だと言う事は嫌でも分かった。
木暮くんは言いたいことを言って満足したのかくるりと背を向けて「壁山ー!」と友人の所へと駆け出して行ってしまった。
「……言い逃げかよ」
残された私は椅子に凭れながら、そう呟くことしかできなかった。
…………いい加減、ミニトマト食べないとなぁ。
+++
私は風呂に入る前にグラウンドでボールを蹴っていた。
個人練習でわざわざ照明もつけていないのでバレることなくここ数日ボールを自由に蹴れている。
今日だっていつものようにドリブルで突き進んでいたけれど、とある場所で自然と足が止まった。
そこは私が風丸さんを転ばした場所で。
記憶の中にある転んだ風丸さんが、潜水艦のグラウンドで足を押さえて蹲るあの人の姿に重なって、私はまた冷たい汗が流れるのを感じながら手で顔を覆った。
「……ああもう、」
…………本当にどうしようもない。
頭に浮かぶのは過去の所業だったり、現在の木暮くんの言葉だったりと様々で、チーム練習はともかく個人練習になるといつもこれだ。
違うだろ、今自己嫌悪している時間なんてない。
日本代表の選手として、やるべき事は山ほどある。久遠監督に言われた事もしないといけないんだから。
「強く、ならないと」
強くなって、少しでも自信をつけれたら、彼らとちゃんと話せられるんじゃないかって。そう思い込むことしかできなかった。
「カップ麵に感動してた奴に言われたくねぇよ。お前こそ携帯電話、ちゃんと携帯しとけよな。出掛ける時に部屋に置いて行ったら携帯電話の意味ねーんだよ」
「う……」
日本代表になった一日目の朝。私は合宿の準備をしながらしばらく一人暮らしに戻る明王さんへと注意をすれば、小言を倍返しされた。
選考試合の時だって私は家に携帯を置きっぱなしにしていたので、真帝国のみんなからのお祝いメールを見たのは家に帰ってからだった(彼らは私が携帯を使いこなせないことは知ってるので、今更怒られはしないけれど、ネタにはされた)
「メール一日経っても返信なかったら合宿所に押しかけるからなー」
「……やめてよね」
私はスポーツバックの内ポケットに携帯電話がしっかり入ってることを確認して家を出る準備をしていると、明王さんはからかい半分にそんなことを言ってきて思わず睨みつける。
……チームと上手くいかないであろう私の姿なんて、見せれる訳ない。
「じゃあ、行ってきます」
「おう。……ああ、そう言えば言ってなかったな」
「ん?」
私は靴を履いて、バックの紐を肩にかけて立ち上がった所で明王さんは目の前にやって来た。
「日本代表おめでとう、明奈チャン」
そんな祝う言葉と共にいつの間にか持っていたのか、何かを私へと差し出してきて、私はよく分からないまま受け取った。
青色のシンプルな箱……いやこれは、
「……ペンケース?」
「お前はこっちの方いいんだろ?中のペンも適当に買ったから嫌だったら買い直せや」
境目を見つけて軽く力を入れれば、パカリと開いて中にはシャーペンと数本のカラーペンが入っていて……明王さんからの言い分からわざわざ私が好きそうなのを選んで買い揃えてくれたということだろう。
「……り……う」
「あ?」
「……ありがとう。大事にする」
私はペンケースの蓋を閉じて、明王さんに礼を言えば彼は目を丸くして固まっていた……礼も言えない娘だと思われてるのか、心外な。
「あっ、電車!じゃあ、今度こそ行ってきます!!」
それを指摘しようとしたけれど、電車の乗る時間も迫っていたことを思い出して私は慌ててペンケースをバックの中(傷つかないように着換えやタオルの間)に入れて、玄関を飛び出した。
「おはよう、不動さん」
「っおはようございます」
合宿所である雷門の校舎へと行けば丁度玄関で掃き掃除をしているマネージャーの一人である木野さんと出会った。彼女は私の姿を見つけるとにこりと微笑んでくれた。
「朝ご飯食べた?今丁度食堂でみんなご飯食べてるの」
「えっと、朝食は家で食べたので……部屋へ荷物置いてきます」
事実ではあるけれど、これじゃあ意図的に避けているように見えてるな。
「そっか。じゃあ不動さんの部屋に案内するわね」
「え?あ、ありがとうございます」
気まずく思ったけれど、予想に反して木野さんは不審な顔一つせずに掃除道具を片付けに行ってしまった。
「ここが不動さんの部屋。隣は私の部屋だから何か分からない事があったら言ってね」
「はい」
木野さんに案内された部屋の中は私の部屋よりもさらにシンプルな内装だった。
私は机に置いたバックから今日の練習に必要なものを取り出して、改めて手に取ったのは日本代表のユニフォーム。8と書かれた背番号が私に与えられたものだった
まだ、着るには少し緊張する代物。だけど、私が代表になって喜んでくれたり、祝ってくれた人もいるんだから……頑張らないと。
「……よしっ」
一度大きく深呼吸をする。
そして、着替えるために私は立ち上がった。
「今のお前達では世界に通用しない!」
イナズマジャパンとしての練習初日、久遠監督から新しいマネージャーとして監督の娘である久遠冬花さんが紹介された後、そう監督はハッキリと告げた。
世界レベルにするために一から鍛え直す。口答えは一切許さない。
試合に出たければ、死ぬ気でレギュラーの座を勝ち取ってみろ。
そんな数々の鋭い言葉に、昨日の私個人に向けた言葉の意味がさらに重く感じて息が詰まりそうになるが、そんな弱音許されないだろう。
世界の壁はそれほどまでに分厚いんだ。
そんな不穏な空気の中始まった練習は、かなりハードなものだった。
練習が終わった後に集まった食堂ではテーブルに項垂れている者もいた。……響木さんによるリハビリがなかったら今頃私も倒れてたんじゃないかと思いながらその様子を陰から眺めて、私は食堂に立ち寄ることなくさっさと自室へと戻った。
翌日の練習も変わらず容赦がなく、詳しい説明もなくそんな指導をする久遠監督。素性も分からない事も相まって不信感を抱く者も少なくはないという雰囲気を肌で感じ始めた頃だった。
「いいぞ!不動、ナイスチャージだ!」
「…………チッ」
今の褒め言葉はわざとだろ……!!
私は反射的に久遠監督を睨みつけるが、もちろん効果なんてない。
いつものような紅白戦の最中、私は風丸さんからボールを取ろうとスライディングをした際に当たり所が悪く、彼はそのまま転んでしまった。……一応言うけど決して故意ではない。今回は本当にただの事故だ。
ただ、監督の言葉でそうも言ってられなくなってしまった。
「……すみません。わざとじゃないので許してください」
視線を感じながら私は久遠監督の手法に付き合うために、淡々とした口調で謝罪をして、最後に取って付けたような笑みを浮かべた。
「……ああ、分かってる」
なのに風丸さんは私に対して怒る素振りも見せずに、すぐに立ち上がって心配の声を上げる円堂さんに向かって「大丈夫だ」と返していた。
私は首筋に流れる冷たい汗を誤魔化すようにユニフォームで拭いながらその場を離れた。
なんで、よりによって風丸さんなんだろう。
……私に気を遣ってくれた人なのに、未だに何も返せていない。
いっそ怒鳴りつけたり恨まれた方がマシだ、なんて。
「不動。練習後に私の部屋に来るように」
「……はい」
夕方ごろに立て続けに久遠監督に呼ばれてそう言われた。ただその絵面は “ラフプレイに近いプレイをした私を一目置いている監督” ということで、周りによく映っていなかったらしい。
現に私のプレイがレギュラー狙いだと勘違いした緑川さんに敵視されたり、同級生に前以上に怯えられたり散々だった。
「なんでお前みたいなのが日本代表なんだよ」
「は?」
何なら直接文句を言われるぐらいには私は嫌われているらしい。
練習が終わって久遠監督との話のせいで少し遅れた夕食の時間、最後に残ったサラダにあったミニトマトを眺めているタイミングでそんな声をかけられた。
視線を下げればとっくに食べ終わったらしいイナズマジャパンで一番小柄な選手である木暮くんが私を睨みつけていた。
「……監督の采配なんだから、文句ならそっちに言えよ」
「家族を裏切ったくせに」
その一言で彼が私を睨みつける理由がサッカーとはまた別件なことに気づいて、適当に流そうとした口を閉じた。
彼は真・帝国学園の時にもいたはずだけど、その時は佐久間さん達の気迫に視界の端でびくびくと怯えているような選手だったはずだ。……エイリア学園との戦いが彼を変えたのだろう。
そして、あの子も関わっているんだろうな。
小耳に挟んだ木暮くんの出身校が漫遊寺中だということ。それから当時マスターランクだった彼の話を思い出して私はそんな結論を出す。
だから私はため息をつきながら机に肘をついて木暮くんを見下ろした。
「だったら言ってやってよ。こんな奴さっさと忘れろって」
「言ってるよ」
その件に関して私が弁明する権利なんてない。
だから正直にそう伝えると、私を睨んでいた木暮くんはふいに俯いて、不満を隠そうとしない声音でそう言った。
「もう何十回も言ってる。けどアイツ、馬鹿だから聞く耳もたないんだ」
「……………そう」
一瞬だけ、思わず食堂のカウンターへと目線を送れば、あの子は返却口に皿を返しに来た選手と元気よく話していた。
それから視線を戻せば、俯いていたはずの木暮くんは私の顔を見ていた。
「お前はそれ以上の馬鹿だけど」
一連の流れを見ていた上での言葉だと言う事は嫌でも分かった。
木暮くんは言いたいことを言って満足したのかくるりと背を向けて「壁山ー!」と友人の所へと駆け出して行ってしまった。
「……言い逃げかよ」
残された私は椅子に凭れながら、そう呟くことしかできなかった。
…………いい加減、ミニトマト食べないとなぁ。
+++
私は風呂に入る前にグラウンドでボールを蹴っていた。
個人練習でわざわざ照明もつけていないのでバレることなくここ数日ボールを自由に蹴れている。
今日だっていつものようにドリブルで突き進んでいたけれど、とある場所で自然と足が止まった。
そこは私が風丸さんを転ばした場所で。
記憶の中にある転んだ風丸さんが、潜水艦のグラウンドで足を押さえて蹲るあの人の姿に重なって、私はまた冷たい汗が流れるのを感じながら手で顔を覆った。
「……ああもう、」
…………本当にどうしようもない。
頭に浮かぶのは過去の所業だったり、現在の木暮くんの言葉だったりと様々で、チーム練習はともかく個人練習になるといつもこれだ。
違うだろ、今自己嫌悪している時間なんてない。
日本代表の選手として、やるべき事は山ほどある。久遠監督に言われた事もしないといけないんだから。
「強く、ならないと」
強くなって、少しでも自信をつけれたら、彼らとちゃんと話せられるんじゃないかって。そう思い込むことしかできなかった。