大石夢2021
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特別に思い出すような相手でもなかった。
嫌われてると思っていたし、この先人生で関わることなんてないと思っていた。真面目なだけの、面倒な人種だと勝手に思っていた。
それが。まさか。
※※
今日は有休を取った。
というのも、大好きな俳優が出る映画の公開初日だから。
もちろん公開前に原作の小説も読んだ。ちょっと苦手な文体だったけど、そんなことよりストーリーの展開が気になってすぐ読み終えた。
早くあの子の演じる主人公が観たい・・・!!
パンフレットを購入したものの、ネタバレを見たくはなくて(内容はわかってるけど!)表紙だけをじっと見つめて入場時間を待った。
「・・・夢野、さん・・・?」
「はい??」
急に名前を呼ばれて、視線をあげる。
目の前には知らない男性が立っていた。
目が合うと彼は微笑んだ。
「やっぱり!俺・・・ってわからないか・・・」
しゅん、という擬音がピッタリ合うような、分かりやすく落ち込んだ彼をとりあえず見つめる。
文字通り頭の先から足のつま先まで。
身長はそこそこ。顔もかっこいい方。手に持ってるのは私と同じ映画のパンフレット。そしてアイスコーヒーかな。連れもいなさそう。
・・・うん、やっぱりわからない。
「あの、ごめん。申し訳ないんだけど、わからなくて・・・」
「っ、いや・・・俺の方こそ急に話しかけて本当にごめん。中学の時クラス一緒だった大石だけど、わかる??」
彼は本当に申し訳なさそうに名を名乗った。
名前を聞いたら思い出した。
「大石!?え?あの?」
「よかった、わかってくれて」
「え、ごめん!本当ごめん!全然わかんなかった!!大石ってそんな感じだったっけ?」
「自分じゃ分からないけど、ずっとこうだと思うけどね」
そう言って彼は笑った。
その時、開場のアナウンスが流れ始めた。
「あ、行く??」
「うん・・・あ、夢野さん、良ければ終わったあと、少し話せないかな??感想とか」
「え、いいけど」
「じゃ、またあとで」
そう言うと大石は先に入場口へと歩いていった。
っていうか、終わったあと話するってどっか店でも行くってことか・・・
映画がいい感じだったらもう1回位観てから帰ってパンフ堪能とか考えてたのに。勢いに押された。
っていうか、中学時代絶対私嫌われてたと思うんだけど。大石は委員長?だった気がするし?私遅刻魔だったし?宿題も出さなかったし?そもそも接点とかほぼ無かったんだけど。隣の席になったことも無いと思ったけどなあ・・・
そんなことぼんやり考えながら座席についた。
幸いなことに席は離れてるみたいだった。
せっかく来たんだから、大画面で大好きなあの子を堪能しよう。
※※※
簡単に言うと、めっちゃよかった。
大好きなあの子が大画面で笑えば私も笑ったし、泣けば私も泣いた。よかった。来てよかった。
もう1回観たい。なんなら今日やる分全て観たい。推し尊い。キャスティングしてくれた人ありがとう。
「夢野さん」
くっそ空気読めよめっちゃポスター拝んでるの見たらわかるだろそういうとこ中学から変わらないな!!(知らないけど)
「あ、・・・大石。」
「なんか原作の感じと違ってたな・・・夢野さん的にはどうだった?」
「は??」
「え??」
とっさに喧嘩腰に。おいおい私の大好きな子が出てる映画に対して何いちゃもんつけてんだおいコラ。そっちがその気なら戦争だぞ。
「大石。話は長くなりそうだからどっかでお茶しながら語ろうか。」
「もちろん。そのつもりだったし」
こっちの殺気に気がついてないのか、笑顔で返事をされ余計に腹が立った。
※※※
「何食べる??」
とりあえず入ったチェーン店のコーヒーショップ。
先に行って注文してるなーと思ったら、こっちを振り返って聞かれる。
「いやいやいや自分で買うから」
「急に誘ったから。奢らせて。」
「・・・カフェオレ」
「そしたら、席お願いしていいかい?」
「わかった」
・・・本当はケーキセット食べたかったし。(奢られるってなって高いもの頼む女じゃない)
はぁ・・・なんでこんなことになったんだろう・・・
押し強くない?
席について飲み物を飲みながら、さっきの続き。
なんかワッフルもくれたから、気が利かない男じゃないっぽい。でもケーキ食べたかった。
とりあえず話をした。
大石は原作の小説が好きだったこと。
急に今日休みになったから来たこと。
私が好きな俳優出てるって話したら、あの俳優はよかったって褒めちぎってくれたこと。
そして、中学の思い出話。
「夢野さんっていつも遅刻してたよね。今大丈夫??」
「もう大人なんで大丈夫でーす。」
「そっか。それはよかった。」
「・・・てかさー、私大石に嫌われてると思ってたから、こんな風に声かけられると思わなかったんだけど。」
「・・・」
色々話をしたから、ついでに気になったことを聞いてみた。ら、少し沈黙。
「全然。その逆だよ。」
「え」
「・・・夢野さん、目立ってたから。いつも明るくて。いいなーって、思ってた。」
「そうなんだ」
「でも、俺なんて真面目なだけだし、嫌われてるって言うか眼中に無いんだろうなって」
・・・まさにその通りなんだよなあ・・・
さすがに言えないけど。
「だから、今日見かけてすぐわかったし、1人だったから声かけちゃってた。」
・・・なんか、この流れ、あれじゃない??
自意識過剰か??様子見よう。
カフェオレを飲み込む。
「もし、よければ、また会ってくれないかな・・・?」
この流れだった。
え、待って待って。どうしよう。
わかりやすく目をそらす私。わかりやすい。
「今、彼氏とかいる?」
ぶんぶんと首を振る。
「そしたら、とりあえず連絡先、交換しないか?いやならブロックしてくれていいから」
スマホを出されて画面に表示されたコードを読み取る。適当なスタンプを送る。
「ありがとう。また、連絡させてもらうよ」
そう言って彼は立ち上がった。
私はぼんやりと外を見て、もうほとんど残ってないカフェオレに口をつけた。
なんなんだ。押し強すぎないか・・・
スマホを見る。大好きなあの子が笑ってるホーム画面。そこに出てくる通知。
『 今日はありがとう。今度良ければケーキ屋さんでも行かない?女の子がいないと行きづらいところなんだ』
そのケーキ屋さんと思われる写真も添えられてた。可愛い。なんなんだよ。ケーキ食べたかったのバレてんのか。
行ってあげるけど、返事は明日にするし、これから映画観る。大石なんかに気持ちが振り回されてるなんて思いたくないから。大好きなあの子を見て落ち着くんだ。
そして数ヶ月後には付き合うことになってるんだけど。仕方ない。
***
忘れられていると思うけど、稲瀬ちひろ様へ。
ひょんなことから再会するっていうリクエストだったはずです。
嫌われてると思っていたし、この先人生で関わることなんてないと思っていた。真面目なだけの、面倒な人種だと勝手に思っていた。
それが。まさか。
※※
今日は有休を取った。
というのも、大好きな俳優が出る映画の公開初日だから。
もちろん公開前に原作の小説も読んだ。ちょっと苦手な文体だったけど、そんなことよりストーリーの展開が気になってすぐ読み終えた。
早くあの子の演じる主人公が観たい・・・!!
パンフレットを購入したものの、ネタバレを見たくはなくて(内容はわかってるけど!)表紙だけをじっと見つめて入場時間を待った。
「・・・夢野、さん・・・?」
「はい??」
急に名前を呼ばれて、視線をあげる。
目の前には知らない男性が立っていた。
目が合うと彼は微笑んだ。
「やっぱり!俺・・・ってわからないか・・・」
しゅん、という擬音がピッタリ合うような、分かりやすく落ち込んだ彼をとりあえず見つめる。
文字通り頭の先から足のつま先まで。
身長はそこそこ。顔もかっこいい方。手に持ってるのは私と同じ映画のパンフレット。そしてアイスコーヒーかな。連れもいなさそう。
・・・うん、やっぱりわからない。
「あの、ごめん。申し訳ないんだけど、わからなくて・・・」
「っ、いや・・・俺の方こそ急に話しかけて本当にごめん。中学の時クラス一緒だった大石だけど、わかる??」
彼は本当に申し訳なさそうに名を名乗った。
名前を聞いたら思い出した。
「大石!?え?あの?」
「よかった、わかってくれて」
「え、ごめん!本当ごめん!全然わかんなかった!!大石ってそんな感じだったっけ?」
「自分じゃ分からないけど、ずっとこうだと思うけどね」
そう言って彼は笑った。
その時、開場のアナウンスが流れ始めた。
「あ、行く??」
「うん・・・あ、夢野さん、良ければ終わったあと、少し話せないかな??感想とか」
「え、いいけど」
「じゃ、またあとで」
そう言うと大石は先に入場口へと歩いていった。
っていうか、終わったあと話するってどっか店でも行くってことか・・・
映画がいい感じだったらもう1回位観てから帰ってパンフ堪能とか考えてたのに。勢いに押された。
っていうか、中学時代絶対私嫌われてたと思うんだけど。大石は委員長?だった気がするし?私遅刻魔だったし?宿題も出さなかったし?そもそも接点とかほぼ無かったんだけど。隣の席になったことも無いと思ったけどなあ・・・
そんなことぼんやり考えながら座席についた。
幸いなことに席は離れてるみたいだった。
せっかく来たんだから、大画面で大好きなあの子を堪能しよう。
※※※
簡単に言うと、めっちゃよかった。
大好きなあの子が大画面で笑えば私も笑ったし、泣けば私も泣いた。よかった。来てよかった。
もう1回観たい。なんなら今日やる分全て観たい。推し尊い。キャスティングしてくれた人ありがとう。
「夢野さん」
くっそ空気読めよめっちゃポスター拝んでるの見たらわかるだろそういうとこ中学から変わらないな!!(知らないけど)
「あ、・・・大石。」
「なんか原作の感じと違ってたな・・・夢野さん的にはどうだった?」
「は??」
「え??」
とっさに喧嘩腰に。おいおい私の大好きな子が出てる映画に対して何いちゃもんつけてんだおいコラ。そっちがその気なら戦争だぞ。
「大石。話は長くなりそうだからどっかでお茶しながら語ろうか。」
「もちろん。そのつもりだったし」
こっちの殺気に気がついてないのか、笑顔で返事をされ余計に腹が立った。
※※※
「何食べる??」
とりあえず入ったチェーン店のコーヒーショップ。
先に行って注文してるなーと思ったら、こっちを振り返って聞かれる。
「いやいやいや自分で買うから」
「急に誘ったから。奢らせて。」
「・・・カフェオレ」
「そしたら、席お願いしていいかい?」
「わかった」
・・・本当はケーキセット食べたかったし。(奢られるってなって高いもの頼む女じゃない)
はぁ・・・なんでこんなことになったんだろう・・・
押し強くない?
席について飲み物を飲みながら、さっきの続き。
なんかワッフルもくれたから、気が利かない男じゃないっぽい。でもケーキ食べたかった。
とりあえず話をした。
大石は原作の小説が好きだったこと。
急に今日休みになったから来たこと。
私が好きな俳優出てるって話したら、あの俳優はよかったって褒めちぎってくれたこと。
そして、中学の思い出話。
「夢野さんっていつも遅刻してたよね。今大丈夫??」
「もう大人なんで大丈夫でーす。」
「そっか。それはよかった。」
「・・・てかさー、私大石に嫌われてると思ってたから、こんな風に声かけられると思わなかったんだけど。」
「・・・」
色々話をしたから、ついでに気になったことを聞いてみた。ら、少し沈黙。
「全然。その逆だよ。」
「え」
「・・・夢野さん、目立ってたから。いつも明るくて。いいなーって、思ってた。」
「そうなんだ」
「でも、俺なんて真面目なだけだし、嫌われてるって言うか眼中に無いんだろうなって」
・・・まさにその通りなんだよなあ・・・
さすがに言えないけど。
「だから、今日見かけてすぐわかったし、1人だったから声かけちゃってた。」
・・・なんか、この流れ、あれじゃない??
自意識過剰か??様子見よう。
カフェオレを飲み込む。
「もし、よければ、また会ってくれないかな・・・?」
この流れだった。
え、待って待って。どうしよう。
わかりやすく目をそらす私。わかりやすい。
「今、彼氏とかいる?」
ぶんぶんと首を振る。
「そしたら、とりあえず連絡先、交換しないか?いやならブロックしてくれていいから」
スマホを出されて画面に表示されたコードを読み取る。適当なスタンプを送る。
「ありがとう。また、連絡させてもらうよ」
そう言って彼は立ち上がった。
私はぼんやりと外を見て、もうほとんど残ってないカフェオレに口をつけた。
なんなんだ。押し強すぎないか・・・
スマホを見る。大好きなあの子が笑ってるホーム画面。そこに出てくる通知。
『 今日はありがとう。今度良ければケーキ屋さんでも行かない?女の子がいないと行きづらいところなんだ』
そのケーキ屋さんと思われる写真も添えられてた。可愛い。なんなんだよ。ケーキ食べたかったのバレてんのか。
行ってあげるけど、返事は明日にするし、これから映画観る。大石なんかに気持ちが振り回されてるなんて思いたくないから。大好きなあの子を見て落ち着くんだ。
そして数ヶ月後には付き合うことになってるんだけど。仕方ない。
***
忘れられていると思うけど、稲瀬ちひろ様へ。
ひょんなことから再会するっていうリクエストだったはずです。
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