大石夢2020
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勉強をしているとスマホが震えた。
丁度喉が渇いたと思ったところだった。
軽く伸びをしてからスマホを手に取りそのまま部屋を出てキッチンへ向かう。
冷蔵庫を開け、ミネラルウォーターのペットボトルを手に取る。そしてそのまま近くの椅子に腰かけた。
スマホを見ると手塚からだった。
『氷帝の跡部に連絡先を聞かれたから教えた。連絡があったら頼む』
思いもよらない連絡にむせそうになった。
(跡部が?どうして?)
混乱していると、またスマホが震えた。
知らない電話番号が表示されている。
「もしもし・・・」
「大石か?」
「ああ・・・跡部・・・?」
「よくわかったな。・・・手塚から連絡行ったか」
「ああ」
「急に悪かったな。悪いが大石に頼みがある」
「頼み・・・?」
手塚ではなく俺に。しかもわざわざ連絡先を聞いてまで。
何があったのだろう。・・・俺がなにかした・・・?いやそんなはずはない・・・
などと頭の中で考えていると、思いもよらない言葉が耳に飛び込んできた。
「・・・俺の知り合いと・・・デートして欲しい・・・」
✳✳✳
あれから1週間。俺は駅前で待ち合わせをしている。
あの時の跡部の頼みはこうだった。
『懇意にしている会社のお嬢さんがお前の事を気になってるらしい。青学には知り合いがいないからと俺に話が来た。1度会ってくれないか』
あの跡部が動くほどのお嬢さんなんて、それはとんでもないお嬢様なのではないか。そもそもなんでそんなお嬢様が俺なんかを。
頭の中を色んな思いが駆け巡る。
が、そんなとんでもない頼みを一般庶民の俺なんかが断れるはずもなく。
今に至る。
今日は最初は跡部もいてくれるという話だ。
最初とは言わずずっと居て欲しい気もするが、だがそもそも跡部とも仲がいいわけではない。
だからってお嬢様と俺でどんな話をしたらいいんだ・・・世界が違いすぎるんじゃないのか・・・
「待たせたな」
丁度胃が痛くなりそうな気がしていた時に後ろから声がかけられた。跡部だ。
横にいるのが・・・
「はじめまして。夢野菜々花です。」
「大石秀一郎です。よろしくお願いします・・・」
想像ではもっと煌びやかだったり、高飛車なのかと思っていたが、思っていたより普通だった。
少し安心し、胸を撫で下ろす。
が、その瞬間に跡部は後ろを向いた。
「じゃあ後は任せた」
「は?」
跡部はただ夢野さんを送ってきただけのようだった。
俺は胃が痛くなってきた。
「夢野・・・さん」
どうしたらいいかわからず、とりあえず彼女の名前を呼ぶと、彼女も口を開いた。
「あの・・・」
「はい?」
「今日は本当にすみません・・・」
目の前で頭を下げられる。と言ってもここは休日の駅前で人目が気になる。
「ちょっ、夢野さん!頭上げてください!」
「迷惑じゃないです・・・?」
「じゃないです!」
「そっか、よかった・・・」
そう言って彼女は顔を上げて微笑んだ。
どきん、と胸が鳴る。
でもそれは初めて女の子とふたりで出かけるからだ、気のせいだ、と思うことにした。
「とりあえず・・・お茶でも飲みませんか?」
「それなら行ってみたいお店があります」
いいですか?と尋ねられ、俺はもちろん、と答えた
それは落ち着いた喫茶店だった。
「ここのコーヒーがとてもおいしいってお父さんが。」と彼女が案内してくれたのは、普段なら絶対入らないような個人で経営している喫茶店。
カランカランとドアに付いた鈴を鳴らしながら店内に入ると、ふわっとコーヒーの香りがした。
「お好きな席へどうぞ」
奥から出て来たマスターらしき人物が声をかけてきた。どちらともなく窓際の席に座る。
お互いコーヒーを頼み(店主のこだわりブレンドにした)、夢野さんは苺のショートケーキを頼んだ。
注文が終わり、話題を探す。一体何から聞けばいいのか考えながら外を見る。
「あの、同い年なんで、タメ語でお願いします!」
急に彼女から話しかけられびっくりしながら顔を向けた。
俯きながらも緊張している様子だった。
「そうなんだね・・・でもそれなら夢野さんも。」
「はい!・・・じゃない。うん。」
恥ずかしそうに彼女は笑った。
俺もつられて笑った。
「・・・ほんとだ、ここのコーヒーすごく美味しい・・・」
注文していたコーヒーとケーキが一緒に運ばれてきた。香りがいいのはもちろんだが、とても飲みやすかった。
「ね。うちのお父さん、コーヒーにはうるさいんだ」
「そうなんだ。夢野さんもコーヒーよく飲むの?」
「うん。でも普段はミルク入れたり甘くしちゃってるかな」
何ともない会話を続ける。
途中沈黙も訪れるが、特に気にならなかった。
喫茶店の雰囲気も相まって、そこまで必死に喋る必要を感じなかった。
その中で彼女のことが少しずつわかった。
跡部と同じクラスであること、小学校からの付き合いであること、テニス部に入っていたことがあること、だからテニスが好きであること。
たまたま見に行った大会で俺を見つけたことー・・・
「別に何がってわけじゃなくて。でも目が離せなかったんだ。すごく・・・かっこよくて。」
「そっか・・・ありがとう」
「だからね、恥ずかしいけど、どうしても話してみたくて跡部に相談したの。別に対して仲がいいわけじゃないのに。ただ小学校からの腐れ縁みたいなもんなのに。だから、今こうやって一緒にお茶して話出来てるのが夢見たい。本当にありがとう」
彼女は今にも泣き出すんじゃないかと言うくらい声が震えていた。
今日で最初で最後と思ってるのかもしれない。
別にそれでもいいのだろう。
だけど・・・
「・・・連絡先、交換しない・・・?」
「え?」
彼女の目が大きく見開いた。
俺も自分の言葉に驚く。こんな言葉言えるんだな、俺でも。
「・・・せっかくこうして会えたんだし、・・・また試合見に来てくれたらいいなって・・・」
「・・・いいの・・・?」
「もちろん」
✳✳✳
「夢野、帰るぞ」
喫茶店を出ると跡部が居た。
俺と目が合うとそばに寄ってきた。
「悪かったな」
「いい出会いに感謝するよ」
「・・・大石でもそんなこというんだな・・・」
跡部が面食らったような顔をした。こいつもこんな顔するんだなと思った。
跡部に促されて車に乗る夢野さんを見送る。
(やっぱりお嬢様なんだよな)
そう思いながら歩き出そうとするとスマホが震えた。
『今日は本当にありがとう。また出かけたいな』
思わず顔がにやけた。
今回ばかりは跡部に感謝しよう。
丁度喉が渇いたと思ったところだった。
軽く伸びをしてからスマホを手に取りそのまま部屋を出てキッチンへ向かう。
冷蔵庫を開け、ミネラルウォーターのペットボトルを手に取る。そしてそのまま近くの椅子に腰かけた。
スマホを見ると手塚からだった。
『氷帝の跡部に連絡先を聞かれたから教えた。連絡があったら頼む』
思いもよらない連絡にむせそうになった。
(跡部が?どうして?)
混乱していると、またスマホが震えた。
知らない電話番号が表示されている。
「もしもし・・・」
「大石か?」
「ああ・・・跡部・・・?」
「よくわかったな。・・・手塚から連絡行ったか」
「ああ」
「急に悪かったな。悪いが大石に頼みがある」
「頼み・・・?」
手塚ではなく俺に。しかもわざわざ連絡先を聞いてまで。
何があったのだろう。・・・俺がなにかした・・・?いやそんなはずはない・・・
などと頭の中で考えていると、思いもよらない言葉が耳に飛び込んできた。
「・・・俺の知り合いと・・・デートして欲しい・・・」
✳✳✳
あれから1週間。俺は駅前で待ち合わせをしている。
あの時の跡部の頼みはこうだった。
『懇意にしている会社のお嬢さんがお前の事を気になってるらしい。青学には知り合いがいないからと俺に話が来た。1度会ってくれないか』
あの跡部が動くほどのお嬢さんなんて、それはとんでもないお嬢様なのではないか。そもそもなんでそんなお嬢様が俺なんかを。
頭の中を色んな思いが駆け巡る。
が、そんなとんでもない頼みを一般庶民の俺なんかが断れるはずもなく。
今に至る。
今日は最初は跡部もいてくれるという話だ。
最初とは言わずずっと居て欲しい気もするが、だがそもそも跡部とも仲がいいわけではない。
だからってお嬢様と俺でどんな話をしたらいいんだ・・・世界が違いすぎるんじゃないのか・・・
「待たせたな」
丁度胃が痛くなりそうな気がしていた時に後ろから声がかけられた。跡部だ。
横にいるのが・・・
「はじめまして。夢野菜々花です。」
「大石秀一郎です。よろしくお願いします・・・」
想像ではもっと煌びやかだったり、高飛車なのかと思っていたが、思っていたより普通だった。
少し安心し、胸を撫で下ろす。
が、その瞬間に跡部は後ろを向いた。
「じゃあ後は任せた」
「は?」
跡部はただ夢野さんを送ってきただけのようだった。
俺は胃が痛くなってきた。
「夢野・・・さん」
どうしたらいいかわからず、とりあえず彼女の名前を呼ぶと、彼女も口を開いた。
「あの・・・」
「はい?」
「今日は本当にすみません・・・」
目の前で頭を下げられる。と言ってもここは休日の駅前で人目が気になる。
「ちょっ、夢野さん!頭上げてください!」
「迷惑じゃないです・・・?」
「じゃないです!」
「そっか、よかった・・・」
そう言って彼女は顔を上げて微笑んだ。
どきん、と胸が鳴る。
でもそれは初めて女の子とふたりで出かけるからだ、気のせいだ、と思うことにした。
「とりあえず・・・お茶でも飲みませんか?」
「それなら行ってみたいお店があります」
いいですか?と尋ねられ、俺はもちろん、と答えた
それは落ち着いた喫茶店だった。
「ここのコーヒーがとてもおいしいってお父さんが。」と彼女が案内してくれたのは、普段なら絶対入らないような個人で経営している喫茶店。
カランカランとドアに付いた鈴を鳴らしながら店内に入ると、ふわっとコーヒーの香りがした。
「お好きな席へどうぞ」
奥から出て来たマスターらしき人物が声をかけてきた。どちらともなく窓際の席に座る。
お互いコーヒーを頼み(店主のこだわりブレンドにした)、夢野さんは苺のショートケーキを頼んだ。
注文が終わり、話題を探す。一体何から聞けばいいのか考えながら外を見る。
「あの、同い年なんで、タメ語でお願いします!」
急に彼女から話しかけられびっくりしながら顔を向けた。
俯きながらも緊張している様子だった。
「そうなんだね・・・でもそれなら夢野さんも。」
「はい!・・・じゃない。うん。」
恥ずかしそうに彼女は笑った。
俺もつられて笑った。
「・・・ほんとだ、ここのコーヒーすごく美味しい・・・」
注文していたコーヒーとケーキが一緒に運ばれてきた。香りがいいのはもちろんだが、とても飲みやすかった。
「ね。うちのお父さん、コーヒーにはうるさいんだ」
「そうなんだ。夢野さんもコーヒーよく飲むの?」
「うん。でも普段はミルク入れたり甘くしちゃってるかな」
何ともない会話を続ける。
途中沈黙も訪れるが、特に気にならなかった。
喫茶店の雰囲気も相まって、そこまで必死に喋る必要を感じなかった。
その中で彼女のことが少しずつわかった。
跡部と同じクラスであること、小学校からの付き合いであること、テニス部に入っていたことがあること、だからテニスが好きであること。
たまたま見に行った大会で俺を見つけたことー・・・
「別に何がってわけじゃなくて。でも目が離せなかったんだ。すごく・・・かっこよくて。」
「そっか・・・ありがとう」
「だからね、恥ずかしいけど、どうしても話してみたくて跡部に相談したの。別に対して仲がいいわけじゃないのに。ただ小学校からの腐れ縁みたいなもんなのに。だから、今こうやって一緒にお茶して話出来てるのが夢見たい。本当にありがとう」
彼女は今にも泣き出すんじゃないかと言うくらい声が震えていた。
今日で最初で最後と思ってるのかもしれない。
別にそれでもいいのだろう。
だけど・・・
「・・・連絡先、交換しない・・・?」
「え?」
彼女の目が大きく見開いた。
俺も自分の言葉に驚く。こんな言葉言えるんだな、俺でも。
「・・・せっかくこうして会えたんだし、・・・また試合見に来てくれたらいいなって・・・」
「・・・いいの・・・?」
「もちろん」
✳✳✳
「夢野、帰るぞ」
喫茶店を出ると跡部が居た。
俺と目が合うとそばに寄ってきた。
「悪かったな」
「いい出会いに感謝するよ」
「・・・大石でもそんなこというんだな・・・」
跡部が面食らったような顔をした。こいつもこんな顔するんだなと思った。
跡部に促されて車に乗る夢野さんを見送る。
(やっぱりお嬢様なんだよな)
そう思いながら歩き出そうとするとスマホが震えた。
『今日は本当にありがとう。また出かけたいな』
思わず顔がにやけた。
今回ばかりは跡部に感謝しよう。
