1から始まるお付き合い
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ベットの下は真っ暗で、やけにヒンヤリとした冷気が漂っていた。
塵1つないよく清掃が行き届いた床。真っ暗だが、何も怪しげなものはなさそうだ。
(やっぱこんなあからさまなところに隠すわけないよね)
もっと分かりづらい場所とか、もしくは持ってないとか?というか、そもそも零くんってそういう事に、興味あるのかな……
階段を登って来る気配がしたので、私は急いでクッションへ座る。こっそりと行動してたからか、心臓がバクバクしている。
「お待たせ」
零くんがオレンジジュースを乗せたお盆を持って戻ってきた。純粋無垢な姿に、私の考えの愚かさの対比をすごく感じる。
零くんの笑顔って本当、何もかも浄化する力を持ってるんじゃないかな。
「零くんって穢れた事とか一切なさそう……」
「どうしたの、唐突に」
しまった。思っていた事が声に出ていた。
「えっと! 何でもないよ!」
「名前って、俺を何だと思ってるの。突然穢れって、何?」
どうしよう。完全に零くんに疑われてる。
これは生半可な言い訳じゃ通用しなさそうだ……
「えと、零くんは……」
男子高校生みたいな、性的な関心が無さそう……そう言おうとした瞬間
私の発言を引き裂くように、ピカッと窓から眩い閃光が瞬き、すぐ外からゴロゴロと大きな音が鳴る。雷だ。そして立て続けに、バケツをひっくり返したような土砂降りの雨が降り続けた。
「この雨の量は、尋常じゃないね。」
疑問を持った零くんが私を一階のリビングに招く。テレビをつけると、緊急速報として、大雨警戒情報が流れていた。
さっきまで平和そうな晴れだったのに、どうして突然こうも変わってしまったのか。私はあまりの変わりように呆然としていた。
「もしかしたら、親が帰ってこれないかも知れない。」
警戒情報と共に、運転を中止した電車の情報が流れている。きっとこの中に、彼のご両親の利用している電車があるのだろう。
零くんの読みは当たっていた。後ほど零くんのご両親からの電話が掛かってきて、帰宅が出来ない有無を伝えていた。
私たちはまた零くんの部屋に戻り、それぞれの席に着いた。そうすると、間髪入れずに彼が言う。
「名前、俺の家に泊まって」
彼の言葉に、ひどく私は動揺した。
「こんな大雨の中、名前を帰せないよ。明日まで降り続けるみたいだし。」
零くんと過ごせる時間が伸びればいいのにって願っていた私には嬉しい申し出だ。だけど、突然お泊まりなんて。
「め、迷惑じゃないかな」
「全然。こんな中帰るって言われる方がやだよ。……それに」
零くんが私を見つめる。
「名前は俺と一緒は嫌?」
捨てられた子犬みたいな瞳にウルウルした瞳で言われると……
「零くんは狡いよ」
「え? どうして?」
「そんなこと言われたら、絶対断れないもん」
「名前だって、ずっとずっと狡いよ」
彼も拗ねたように言う。私が狡い?
「いつもすごい可愛いし、無邪気だし、今日だって色々無防備だし……」
零くんが視線をチラリと私に移す。
でも、私の顔じゃなくて視線はもっと下。
私がクッションの上に、体育座りで座っていたから、スカートの中が見えていた。思わず私は体育座りを崩す。
「俺、ずっと堪えてたんだよ」
零くんが熱い吐息を吐きながら、顔を赤くしている。
こんな状況の中でお泊まりしたら、私、どうなっちゃうんだろう?