カイジと幼馴染
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「ねー、カイジってば」
俺の肩を鬱陶しく揺らすコイツは苗字名前。俺の小学校からの幼馴染だ。俺が上京すると共に名前も何故かついてきた。
「だーかーら、行かねーって」
「いいじゃん、映画! 観たいよー。」
そう言って俺は立ち上がり、部屋の隅に移動した。名前は何故か俺と、同居してる。
東京は心配だけどカイジくんとなら、と彼女の両親が俺との同居を頼んだのだ。
もっとこう、別の心配は無いのか。
俺だって男なんだぞ……。
信頼されて嬉しいのやら男として認識されてなくて悲しいのやら。
普段どんな気持ちで俺が耐えてると思ってるんだっ……。
「じゃあお出かけしたい! 散歩! 」
「はいはい、わかったわかった。」
人懐っこく相手を翻弄する名前にどれほど振り回されてきたか。数えきれないほど経験がある。そんな関係が嫌なように見せかけて、実は嬉しい。こうやって他の誰でも無い自分に向き合ってくれているのだから。
というのも、カイジはずっと名前に恋をしていた。無論、こんな幼馴染として育ってきた仲として、そんな事を告白できるわけもなかった。
(こいつはオレの気も知らないで……お気楽でいいよな……)
「あ! カイジ、あれ!」
何かを発見したようで名前が強引にカイジの腕を引っ張る。その際に、彼女の柔らかな胸が腕に触れた
「っ、おい!」
動揺し、堪らずに声に出てしまった。
「あっ、ご、ごめんね……」
突然大声を出したカイジに驚いたのか、はたまた機嫌が悪い彼に対して嫌気がさしたのか。彼女はそっぽを向いてしまった。
「いや、俺の方こそ、悪い。……おい、こっち向けよ。」
こんな険悪な雰囲気で名前と過ごしたくないと思った俺は強引に彼女の肩を引き、顔を覗き込んだ。
すると、思いがけず、彼女の頰は熟れた林檎のように真っ赤であった。
「……どうした?」
状況が全く飲み込めず、彼女に問う。
「カイジのバカ! ……カイジのこと好きだから……その……そういうの、気にするの! ……もう! あっち行って! 」
彼女が肩に置いた俺の手を振り払ってドンドン歩みを進める。
スキ?俺の事が? 嘘だろ?
今まで俺たちの関係は何にもないフリをしていた彼女だったが、意外な純情な様子が垣間見えた。
「……俺も、好き。」
ポツリとカイジも自分の思いを口に出すと、彼女が立ち止まる。
「え……両思い、なの? 」
「俺の台詞なんだけど……」
何のために俺は今まで葛藤してたんだっ……!!
よく考えてみたら、俺たちの間には身体的スキンシップが無かったり、一緒に暮らしているとはいえ、今まで一度もこいつの下着姿や、下着を見たことがなかった。今まで上手く隠してたんだろう。
「えっ、いつから!?」
「教えてやんねーよ! 」
「お願いっ!」
いつも振り回してくる名前を少し懲らしめてやろう。そう思ったカイジはニヤリと笑い、こう呟いた。
「名前が自分からキスしたらな。」
「なっ……」
明らかに動揺した様に彼女がワナワナと震える。
「ふーん。する気ないのか。なら、そのままで良いけどな。」
相手を煽る様に言い放ち、その場を去ろうとする。
「カイジッ……待って!」
彼女が後ろから追ってきて、俺の手を掴み、引き止めた。
「……あの……その……目を瞑ってほしいの……」
仕方ない、そう呟きカイジは目を閉じた。
数秒後、顔に彼女が近づいてる気配を感じた。
待っていると、頬に温かい感触を感じ、すぐに離れた。
「おい、今の」
「へへっ、したよ? キス。どこにしろ、とは言ってないでしょ? 」
嵌めてやるつもりが逆にこちらが一本取られた。
「くそっ……! やったな!? 今度はひんひん言わせてやるからなっ……」
「やれるもんならやってみなよー♪」
彼女は呑気にそんなことを言いながら陽気な様子だ。
「言ったな?」
「へ?」
俺は名前の耳元でそっと囁く
「家に帰ったら覚悟しておけよ?……泣いても許してやらねえよ。」
余裕そうな彼女だったが、俺が言った意味を理解した様で顔を真っ赤にしながら震えだした。
「ごっ、ごめんなさい! 許して!」
カイジは顎に手を当て、少し考えている様子を見せた。しかし、冷酷に言い放つ。
「ダメだ。朝まで寝かしてやらねえよ。」
そう言って余裕の笑みを浮かべたカイジは宣言通り彼女を夜通し狂わせるのであった。
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