13日の金曜日
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ーーー私は、一体何者なの?
ひどい頭痛と共に目が覚めた。
昨日、握りしめながら寝た、「日記」は、確実に私が記載していたものだった。
ここまで私に固執するなんて、確実に、零くんは私との過去に何かがあったということたろう……。
(零くんに直接聞く? けど、それはリスクが高そう……)
そこに触れてしまったら、戻れないような気がするーー。
私の過去についておそらく知っているであろう人物……。
「名前、行ってらっしゃい」
(ーーー!先生!)
施設の先生なら確実に私の過去について知っているはず。それに、私の味方のはずだ。
手紙だとやりとりも多くなるかもしれないから、直接聞いて、私が何者か知りたい!
けれど、外に出るには確実に宇海零の助けが必要だ。施設に行くなんて言ったら、怪しまれそうだ。
なら、電話はどうだろう。少し話すぐらいなら怪しまれないだろう。
私はベットから起き上がり、鏡に映る自分の姿を眺め、軽く髪を結ぶ。
その足取りで、零くんが待っているであろうリビングに向かった。
「おはよう、名前」
「おはようございます」
いつも通りの、いや、いつもより過剰な零くんの笑顔だ。
「昨日はよく眠れた?」
「あ、まあまあ……」
知ってか知らずかの意見。何かを見透かしていそうだ。
「けど、少し頭痛が……」
「それは大変だね。後で頭痛薬を渡すよ。」
「ありがとう」
ズキズキの状態が続いていたから、嬉しい申し出だ。
そんなやりとりをしている間に、朝食が運ばれてきた。ハチミツのかかったフレンチトーストと、フルーツいっぱいの彩りの良いヨーグルト。
私は程よく焼き色がついているフレンチトーストにナイフで切りながら考える。
(施設に電話するって言ったら、零くんはどう思うだろう。せっかくここで良くしてもらってるのに、嫌な気持ちになるかもしれない)
夜中に、こっそりかけようかな。
確か廊下の突き当たりに黒電話があったし。
音が響くかもしれないから、小声で。
零くんに、バレませんようにーーー。
朝食を終え、自室に篭りながらプランを私は練る事にした。
まず、夜中にこっそりとドアを開け、黒電話に向かう。そこで、私は施設にダイヤルを回して、先生と話す。話す内容はーーー
「私が、何者なのか」
零くんとの関係
なぜ私が施設にいたのか
零くんの過去
……
聞きたいことは山ほどある。
けれど、今回聞きたいことは私が何者なのかの一点だけだ。
そこが分かれば、全て繋がる気がする。
私は祈りをこめながら、摘み取ったマーガレットを握りしめた。