零くんとアオハル
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宇海君とのメールの一件から私は宇海君の気持ちを再確認しようとしていた。
宇海君のことは、もちろん気になる。けど、好きなのか分からない。好きって、一体なんだろう。
好きの気持ちが分からずモヤモヤしていたら突然クラスの女子に呼ばれた。
「ねえ、零とのランチ、私も参加していい?」
そりゃあそうか。クラスの目立たない女が突然殿上人と付き合ってるのは何かしらの疑惑があるよね。
それを暴きたいのかな。
「う、宇海君にも聞いてみないと……」
「苗字さーん!あれ?」
この子は?と言いたげな瞳で私をみた。
「あ、今日のランチ一緒に食べたいって……」
「……俺たち付き合ってるから2人で食べたいんだよね。」
「……あのさ、零。なんで、この子なの?」
なんで、この子なの?
私の頭の中でその言葉がリフレインする。
「その理由がわからないって事は、君はその程度って事だよ。」
「っ、零! 私、零がずっと好きだったの……なんで、こんな子に……」
嗚呼やっぱり私は零くんと一緒にいるとそんな風に見られてしまうんだ。
「あのさ。そんな失礼なことを本人の目の前で言う子のことを俺は好きになれない。
さっきから苗字さんを見下したような発言ばかりしてるよね、それを聞いて彼女が傷つかないと思ってるの?
自分が言った発言によって、相手がどう思うのかを思いやれない相手なんて、俺は好きじゃないよ。
苗字さんはいつも、相手のことを思いやって行動が出来るんだ。俺は彼女のそういうところが好きなんだよ。」
誰になんて思われようが、私を一番大切に想ってくれている彼が私を認めてくれるから大丈夫なんだ、そんな気持ちが持てた。
「……そうだよね。私が持ち合わせてない部分を、彼女は持ってる。ごめんなさい、苗字さん……
つい悔しくて、敢えて苗字さんが傷つく事を言っちゃった。
多分、私はどこかで貴方には勝てないって、そう思ってたんだと思う……
だから苗字さんが絶対言わないような相手を傷つける事を言って、自分が優位に立とうとしてた
卑怯だよね」
「きっと今、気づけたからこそ貴方は前進できると思うよ……!」
「そうやって相手を想える人なんだ、苗字さんは。だから、好きだよ。」
そう言って宇海君は慈しむような瞳で私を見つけ、私の頭の形に沿うように手を添えてゆっくりと撫でた。どきりと心臓が跳ねる。
私の価値を認めてくれる大切な存在、宇海君。
彼の存在は私の中でとても大きくなっていっていると感じた。
(きっと、この気持ちが、恋なのかな)
初恋という2文字が私の脳裏をよぎる。
同時にその単語がやけに腑に落ちるのを感じた。
(私は、彼が好き。)
止めどなく溢れる思いを堪えながら私は彼を見つめた。彼は慈しむような顔で私を見つめていた。