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資料室の鍵をあわてて締め、轟くんの気配を探す。
いた。
甘栗甘の近くだ。
轟くんに気づかれないよう、近くの屋根の上に行く。
ずっと走っている轟くんを気配を消しながら追う。
何してるんだろう…。
どこかに止まることもなく走り続け、宿に着いた轟くん。
瞬身の術で部屋に先回りし、影分身と合流する。
ふと、女子部屋のドアにメモが挟まっているのに気が付いた。
“夜中にすみません。少し走ってくる。轟”
そういうことか。
そういえばみんな引き締まった体をしてた。
敵と戦うんだもん。いくら便利な個性があっても基礎である体はちゃんと鍛えているのだろう。
夕方の残念そうな顔は
きっと外で修行がしたかったんだ。
「おかえり」
部屋の前で、水の入ったボトルを差し出しながら笑って言えば驚いた顔をして、
「⚫⚫⚫さん、起きてたのか。わりぃ。一人で外出して。」
と申し訳なさそうに言った。
「今回は特別ね。ちゃんと書き置きあったし。轟くんって真面目だね。」
と笑いながら言えばちょっと照れてた。
それぞれにシャワーを浴び、宿のロビーで二人で座る。部屋だとみんな寝てるからね。
「いつもあんなに走ってるの?」
一時間くらい走ってたよね。と聞けば
「!?見てたのか。全然気づかなかった。」
と驚かれた。
「これでも忍ですから。気配を消して追跡なんてわけないよ。」
と笑えば
「そうか。忍者だもんな。」
と目線を反らした。
「ね、ね、轟くんの個性って、氷と炎でしょ?見てみたい!」
と言えば、轟くんは左手で私の頭をさわった。ふわっと暖かい風がきて濡れていた髪を乾かしてくれた。
そして右手から氷を出して私にくれた。
手のひらに乗るほどの氷は不純物や空気が少ないせいか、綺麗に透き通って満月の光をよく通していた。
「綺麗…すごいね。綺麗な個性だね。」
氷を見ながら呟く。
「左も炎を出すだけじゃないんだね。使い方しだいで癒しにも攻撃にもなるんだね。」
と言えば、じっとこっちを見ていた轟くんが自分の両手を見て
「癒しか…。そんなふうに考えたことはなかったな。こっちの個性は嫌なヤツから受け継いだものだったから。」
と。
「そっか。うまく言えないけど…。
元がどんな個性であれ、個性の良さを引き出して生かすのも工夫や努力が必要だと思うんだよなぁ。
個性を生かすことが出来るっていうのはその人の努力や工夫があってこそだから、もうそれはその人の力なんじゃないかな。私は右の個性も優しい感じがして好きだよ。それは多分、轟くんがそういうふうにも個性を使えるからだと思う。」
「……」
「……」
「……」
「あ!ご、ごめんね!会ったばかりのくせに何言ってるんだろうね?! ごめんなさい!」
とあわてて謝罪をすると、
轟くんは驚いた顔から、ふっと笑って
「そうか。そういうふうに考えたことはなかったな。ありがとう、⚫⚫⚫さん。」
…轟くんが怒ってなくてよかった。
思ったことをろくに整理もせずペラペラしゃべる癖が出てしまった。
研究中はブツブツよく喋りながらやってたからなぁ。
「あ、そうだ。明日はみんなで修行をしようか。朝六代目に許可を貰ってくるよ。」
私もみんなの個性見たいし、と提案すれば、
「やる。やりたい。」
と即答してくれた。
じゃあもう寝ようと部屋に向かう。
別れてそれぞれの部屋に入るとき、
轟くんが
「…なぁ、⚫⚫⚫って呼んでいいか?」
と聞いてきた。
急にどうしたんだろうと思いながらも
「?もちろん。」
と答えれば
「じゃあ、⚫⚫⚫、また明日。おやすみ。」
と言ってくれた。
「おやすみなさい。轟くん。」
今度こそそれぞれの部屋に入っていった。
いた。
甘栗甘の近くだ。
轟くんに気づかれないよう、近くの屋根の上に行く。
ずっと走っている轟くんを気配を消しながら追う。
何してるんだろう…。
どこかに止まることもなく走り続け、宿に着いた轟くん。
瞬身の術で部屋に先回りし、影分身と合流する。
ふと、女子部屋のドアにメモが挟まっているのに気が付いた。
“夜中にすみません。少し走ってくる。轟”
そういうことか。
そういえばみんな引き締まった体をしてた。
敵と戦うんだもん。いくら便利な個性があっても基礎である体はちゃんと鍛えているのだろう。
夕方の残念そうな顔は
きっと外で修行がしたかったんだ。
「おかえり」
部屋の前で、水の入ったボトルを差し出しながら笑って言えば驚いた顔をして、
「⚫⚫⚫さん、起きてたのか。わりぃ。一人で外出して。」
と申し訳なさそうに言った。
「今回は特別ね。ちゃんと書き置きあったし。轟くんって真面目だね。」
と笑いながら言えばちょっと照れてた。
それぞれにシャワーを浴び、宿のロビーで二人で座る。部屋だとみんな寝てるからね。
「いつもあんなに走ってるの?」
一時間くらい走ってたよね。と聞けば
「!?見てたのか。全然気づかなかった。」
と驚かれた。
「これでも忍ですから。気配を消して追跡なんてわけないよ。」
と笑えば
「そうか。忍者だもんな。」
と目線を反らした。
「ね、ね、轟くんの個性って、氷と炎でしょ?見てみたい!」
と言えば、轟くんは左手で私の頭をさわった。ふわっと暖かい風がきて濡れていた髪を乾かしてくれた。
そして右手から氷を出して私にくれた。
手のひらに乗るほどの氷は不純物や空気が少ないせいか、綺麗に透き通って満月の光をよく通していた。
「綺麗…すごいね。綺麗な個性だね。」
氷を見ながら呟く。
「左も炎を出すだけじゃないんだね。使い方しだいで癒しにも攻撃にもなるんだね。」
と言えば、じっとこっちを見ていた轟くんが自分の両手を見て
「癒しか…。そんなふうに考えたことはなかったな。こっちの個性は嫌なヤツから受け継いだものだったから。」
と。
「そっか。うまく言えないけど…。
元がどんな個性であれ、個性の良さを引き出して生かすのも工夫や努力が必要だと思うんだよなぁ。
個性を生かすことが出来るっていうのはその人の努力や工夫があってこそだから、もうそれはその人の力なんじゃないかな。私は右の個性も優しい感じがして好きだよ。それは多分、轟くんがそういうふうにも個性を使えるからだと思う。」
「……」
「……」
「……」
「あ!ご、ごめんね!会ったばかりのくせに何言ってるんだろうね?! ごめんなさい!」
とあわてて謝罪をすると、
轟くんは驚いた顔から、ふっと笑って
「そうか。そういうふうに考えたことはなかったな。ありがとう、⚫⚫⚫さん。」
…轟くんが怒ってなくてよかった。
思ったことをろくに整理もせずペラペラしゃべる癖が出てしまった。
研究中はブツブツよく喋りながらやってたからなぁ。
「あ、そうだ。明日はみんなで修行をしようか。朝六代目に許可を貰ってくるよ。」
私もみんなの個性見たいし、と提案すれば、
「やる。やりたい。」
と即答してくれた。
じゃあもう寝ようと部屋に向かう。
別れてそれぞれの部屋に入るとき、
轟くんが
「…なぁ、⚫⚫⚫って呼んでいいか?」
と聞いてきた。
急にどうしたんだろうと思いながらも
「?もちろん。」
と答えれば
「じゃあ、⚫⚫⚫、また明日。おやすみ。」
と言ってくれた。
「おやすみなさい。轟くん。」
今度こそそれぞれの部屋に入っていった。