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32.
それから私たちは“エリちゃん”の居場所が特定出来るまで待機となった。
みんなの助けになりたい。
いざ連合と戦闘になっても勝てるように。
守れるように。
強くなりたい。
そんな思いから授業は特に気合いが入った。
気合いが入っているのは他のインターン組も同じみたい。
…ただ緑谷くんは浮かない顔をしていた。
あの会議の日から緑谷くんのシュートスタイルの特訓も兼ねて放課後、組手をやるようになった。
必死というよりは、何かを焦っているような組手は日を追うごとに荒々しくなっていった。
何かあったのかな…。気になったけど、言いたくないことも有るだろうし、特に聞くことはしなかった。
だけど。
「もう終わりにしよう。そんな力任せにやっても無意味だよ。」
食堂で泣いているのを目撃した今日、開始10分でstopをかけた。
「そうだよね…ごめん…。せっかく付き合ってくれてるのに…」
「私の修行にもなるからいいんだけど…。大丈夫?ずっと、心ここにあらずって感じがする。」
と声を掛ければ
「…うん。」
と泣きそうな声で返事した。
その声に私もなんだか悲しくなる。こういうとき、どうしたらいいんだろう。
「…私でよければ話聞くよ。何かあったら、言ってね。」
考えた末に言ったのはありきたりな言葉だった。
ごめん、緑谷くん。気の効いたこと言えなくて…。
でも、本心だ。
肩をぽんと叩いて帰ろうとすれば、
「ま、待って!」
緑谷くんに引き留められた。
不思議に思って振り向けば
「あ、あの、迷惑じゃなかったら少しだけ話しに付き合ってくれないかな…」
と言った。まさか、頼って貰えるなんて思ってなかったから不謹慎かもしれないけど、嬉しかった。
「もちろん。私で良ければ。」
そう返事すれば緑谷くんはほっとした顔をした。
二人並んで体育館の端に座る。
「詳しくは言えないんだけど…」
「うん、いいよ。」
「⚫⚫⚫さんはさ、大切な人が近いうちに死んじゃうかもって聞いたら、どうする?」
あ、病気以外で!と言う緑谷くんに少し考える。
「私に出来ることをするかなぁ。」
と返事すれば、緑谷くんの大きな目が更に大きくなった。
「私はリカバリーガールみたいに治癒は出来ないし、ナイトアイのような予知も出来ない。でも私にも出来ることはあるはず。いざという時になって、もう少し強かったらって後悔しないよう、強くなる。守れるように。私に出来るのはそれくらいだと思うから…。緑谷くんにも当てはまるかわからないけど…。」
緑谷くんから視線を外して自分の膝を見る。
「そうか…そうだね。ウジウジ悩んでても解決しない!」
緑谷くんはそう言うとバッと立ち上がった。
「今の僕に出来ることをやるよ!⚫⚫⚫さん!もう一度手合わせお願いします!」
その言葉にニッと笑って
「はい!」
力強く頷いた。
その二日後、
私たちに決行日の連絡が来たのだった。
それから私たちは“エリちゃん”の居場所が特定出来るまで待機となった。
みんなの助けになりたい。
いざ連合と戦闘になっても勝てるように。
守れるように。
強くなりたい。
そんな思いから授業は特に気合いが入った。
気合いが入っているのは他のインターン組も同じみたい。
…ただ緑谷くんは浮かない顔をしていた。
あの会議の日から緑谷くんのシュートスタイルの特訓も兼ねて放課後、組手をやるようになった。
必死というよりは、何かを焦っているような組手は日を追うごとに荒々しくなっていった。
何かあったのかな…。気になったけど、言いたくないことも有るだろうし、特に聞くことはしなかった。
だけど。
「もう終わりにしよう。そんな力任せにやっても無意味だよ。」
食堂で泣いているのを目撃した今日、開始10分でstopをかけた。
「そうだよね…ごめん…。せっかく付き合ってくれてるのに…」
「私の修行にもなるからいいんだけど…。大丈夫?ずっと、心ここにあらずって感じがする。」
と声を掛ければ
「…うん。」
と泣きそうな声で返事した。
その声に私もなんだか悲しくなる。こういうとき、どうしたらいいんだろう。
「…私でよければ話聞くよ。何かあったら、言ってね。」
考えた末に言ったのはありきたりな言葉だった。
ごめん、緑谷くん。気の効いたこと言えなくて…。
でも、本心だ。
肩をぽんと叩いて帰ろうとすれば、
「ま、待って!」
緑谷くんに引き留められた。
不思議に思って振り向けば
「あ、あの、迷惑じゃなかったら少しだけ話しに付き合ってくれないかな…」
と言った。まさか、頼って貰えるなんて思ってなかったから不謹慎かもしれないけど、嬉しかった。
「もちろん。私で良ければ。」
そう返事すれば緑谷くんはほっとした顔をした。
二人並んで体育館の端に座る。
「詳しくは言えないんだけど…」
「うん、いいよ。」
「⚫⚫⚫さんはさ、大切な人が近いうちに死んじゃうかもって聞いたら、どうする?」
あ、病気以外で!と言う緑谷くんに少し考える。
「私に出来ることをするかなぁ。」
と返事すれば、緑谷くんの大きな目が更に大きくなった。
「私はリカバリーガールみたいに治癒は出来ないし、ナイトアイのような予知も出来ない。でも私にも出来ることはあるはず。いざという時になって、もう少し強かったらって後悔しないよう、強くなる。守れるように。私に出来るのはそれくらいだと思うから…。緑谷くんにも当てはまるかわからないけど…。」
緑谷くんから視線を外して自分の膝を見る。
「そうか…そうだね。ウジウジ悩んでても解決しない!」
緑谷くんはそう言うとバッと立ち上がった。
「今の僕に出来ることをやるよ!⚫⚫⚫さん!もう一度手合わせお願いします!」
その言葉にニッと笑って
「はい!」
力強く頷いた。
その二日後、
私たちに決行日の連絡が来たのだった。