火影室を出て、シカマルさんが押さえた宿に向かう。



やっぱり格好が独特だからか、視線が痛い。


「明日は皆さんの洋服を買いにいきましょう。」
とちょっとげんなりしながら言うと、後ろにいた女の子が、
「え？いいんですか？嬉しい！着替えとか無かったから…」
そうだよね。戦ってたって言ってただけあって、四人が着ている服は汚れている。
返事のかわりににこっと笑えば、
「でも、僕たちお金ありませんよ！」
緑髪の男の子が焦ったように言う。
「あぁ、大丈夫。火影様からある程度預かってますよ。」
と言えば
「すまない…」
と白と赤の髪の男の子が申し訳なさそうに言った。
いえいえ、とか話をしている間に宿屋に着いた。





宿屋には話が通ってるようで火影様の名前を出せば部屋にすぐに案内された。



男子部屋と女子部屋。
とりあえず男子部屋に入り、これからのことを説明する。

「まずは自己紹介しましょうか。私は⚫⚫⚫⚫⚫⚫。⚫⚫⚫って呼んでください。
火影様の補佐をやっています。これからよろしくお願いします。」
軽く会釈すれば、
「僕は緑谷出久です。えっと…最初に会えたのが⚫⚫⚫さんで良かった！いろいろとありがとうございます。」
「なげぇよ。デク。爆豪勝己。」
「わ、私は麗日お茶子です！お茶子と呼んでください！よろしくお願いします！」
「轟焦凍だ。お世話になります。」

自己紹介もそれぞれ個性が出てたなぁ。
うん。

「ありがとうございます。えっと、いくつか守ってもらいたいことがあるので、そこから説明します。」
と言ったところで、爆豪くんが、
「お前、俺らとそんな年齢変わんねぇだろうが。めんどくせぇ。タメ語で話せよ。」
と言い出してきた。

彼なりに気を使ってくれたのかなぁ？

「ありがとう、じゃあタメ語で。
守ってほしいのは、
ひとつめ、１人での外出の禁止。どこかに行くときは必ず私に声をかけてね。二つ目、みんなが持ってる力の使用禁止。珍しい力は狙われやすいから。三つ目、別の世界から来たことは他言無用で。さっきも言った通り、不思議な力は狙われやすからね。基本的にはあとは自由にしてもらっていいよ。なにか質問は？」
「この宿代とか生活費を“火影様”が出してくれるんだろう？“里”、“火影”、“忍”そのへんのことを詳しく教えてくれないか？」
轟くんから基本的な質問が！
そうだった。初歩的なことを説明してなかった。


「えっとね、まず…」
こんな話、アカデミー以来だとか思いながら説明をする。伝わるかしら。







だいたい説明し終わったところで、誰かのお腹がなった。
「あ、ごめんなさい！」
と緑谷くんがわたわたする。
ふざけんなって爆豪くんに怒られてる。
それを笑って見ていたが、
あーそういえば、私もお昼食べてなかったなぁ。
そう思うととてもお腹が空いてきた。
「ご飯、食べに行こうか！」
と言ったが、みんなはエッて顔をして、自分達の格好を見てうつむいた。

そうだ。洋服が無かったんだ。

とりあえず、今日の洋服があればいいか。
お茶子さんには、私の服を貸せばいいかな。
男子三人は…シカマルさん？かな？

「ちょっと待ってね。影分身の術！」

出来た分身二人によろしくと声をかければ、サッと居なくなった。
それを見ていた三人は
「すごい！本物の忍術だ！」
「かっこいいー！」
「忍術って便利だな…」
と盛り上がっていた。
大したことない術だけど、そんなに盛り上がるとは。
なんだか小さい頃、初めて術を発動させたときのことを思い出す。
爆豪くんはけっとか言ってたけど。









数分後、分身たちがそれぞれ洋服を持ってきた。

お茶子さんと着替えのために隣の部屋にいく。
彼女にはパーカーワンピースだ。

「どうかな？サイズとか…。デザインは気に入らないかもしれないけど、明日買うまでだから。」
ごめんね、我慢して。と言うと
「サイズぴったり！このワンピース可愛よ！」
お茶子さんが、誉めてくれてお世辞でもうれしかった。
「ありがとう！明日、楽しみだね！」
と、話していたら轟くんが、

「すまん、こちらは準備できたんだか…」
とドア越しに申し訳なさそうに話しかけてきた。
ごめんごめん、とあわててドアを開けて３人と合流する。








目指すは一楽！

私の大好きなラーメン屋！