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週末。早朝。
お米を研いで。
刻んだ、ごぼうと人参・鶏ひき肉、ひじきに椎茸も全部炊飯器に入れて。酒と生姜と醤油とみりんで味付け。でスイッチオン。
今日はこのあと相澤先生のところでインターンだ。
炊き込みご飯でおにぎりしたら食べてくれるかな。相澤先生。いっつもゼリーだもんね。要らないって言われたら自分用に冷凍しよう。
そろそろ炊き上がるというころに
「お。」
轟くんが起きてきた。
「おはよう。早いね。」
と挨拶すれば、今日は仮免の講習とのこと。そっか、週末にやるんだね。
「早く⚫⚫⚫にも追いつかねェとな。」
と轟くんは優しく笑った。
「うん!」
となんとなく嬉しくなって頷けば、
「なんだ?いい匂いするな。何か作ってんのか?」
と聞いてきた。
「あぁ、炊き込みご飯だよ。もう出来るよ。」
と言ったそばから、炊き上がりのお知らせ音が鳴った。
軽く混ぜて、少し蒸らす。
「うまそうだな。」
「!」
とすぐ後ろに轟くんがいた。
「びっくりした!轟くん、朝ごはんまだなら食べる?」
と言えば少し驚いた顔をしたあと、
「いいのか?」
と心なしか嬉しそうに聞いてきた。
「いいよ!いっぱい作ったから!」
とちょっとだけ胸を張って言う。おにぎりにするね、と言えば
「じゃあ茶、入れる。」
と二人分の湯飲みを用意してお茶を入れ始めた。
急いでお味噌汁を作る。ワカメと豆腐のシンプルなものだけど、まあ、いいか。
「炊き込みご飯だけでごめんね。」
とおにぎりとお味噌汁を出せば、
「いや、十分だ。」
と言い、いただきますと手を合わせた。私もそれにならって手を合わせる。
炊き込みご飯を食べる轟くんを見る。
味は大丈夫かな…。前のお弁当は美味しいって言ってくれたけど。
「⚫⚫⚫、どうした?」
と轟くんに話しかけられるまでじっと見てしまった。
「あ、ごめん!味は大丈夫かなって気になって…。」
と慌てて目線を反らして言えば
「うめぇ。」
その言葉に驚いて轟くんを見れば、
「もう1つもらってもいいか?」
と言われた。
「あ、うん!もちろん!」
持ってくるね、と慌てて取りに行く。
「はい。」
「ん。ありがとな。」
とお礼を言われる。
「⚫⚫⚫は料理がうめェんだな。この炊き込みご飯、好きだ。」
先程渡したおにぎりもあっという間に食べてしまった。私、今ふにゃふにゃした変な顔してるんだろうなぁ。だってなんだかとても嬉しい。頬が緩むのが止められない。こんなに料理を誉められるなんて今までなかったからかな。
「えへへ。そんなに誉めてくれるなんてお世辞でも嬉しいなぁ。」
と言えば真面目な顔をして
「お世辞なんかじゃねェ。」
と言ってくれた。
「じゃあまた私が作ったご飯食べてくれる?」
と冗談半分に言えば、
「いいのか?食う。」
と真面目な顔でうなずいた。
今度は何にしようかなと考えながら談笑していたら、轟くんがそろそろ準備しねぇと、と席を立った。
「食器、洗うよ」
と言えば
「悪ぃ。」
と謝られた。気にしなくていいのに。
「いえいえ!いってらっしゃい!」
と笑って言えば轟くんはふっと優しく笑って
「ああ。いってくる。」
と言った。
轟くんを見送りながら、さっきのやり取り、なんだか夫婦みたいだったなと思って一人で照れていたが、相澤先生におにぎり持っていくんだった!と準備をする。
大きめのおにぎりを3つ作る。残りは帰ってきたら小分けにして冷凍しよう。