<⚫⚫⚫side>
「術の発動には、チャクラと印を結ぶ、この２つが必要になります。多少の例外はありますが。
まずチャクラですが忍術を使い、操るために使用するエネルギーのことで、身体の細胞一つ一つから取り出す『身体エネルギー』と、修行や経験によって蓄積した『精神エネルギー』の２つを混ぜ合わせ、練ることで作り出すことができます。チャクラを練り、術者の意思である「印」を組んで術を発動できます。」
クラスのみんなと先生方に説明する。
「リスクは…チャクラを使いすぎれば疲れてバテます。酷いと一週間とか二週間とか寝込むときもあります。」
疲れ具合によりますが、と言えば
「だからあん時、一週間目を覚まさなかったのか？」
と相澤先生が言う。
みんなが“あん時？”と首をかしげる。
「そうです。緑谷くんたちを連れてこちらの世界に来るのに、チャクラをかなり消費しましたから。」
そう私が言えば、
「ええ？！⚫⚫⚫ちゃん、あれから一週間も寝込んでたの！？」
「それ大丈夫なの！？⚫⚫⚫さん！」
「本当なのか？⚫⚫⚫。」
「おめェ、今ピンピンしてんじゃねェか。」
「爆豪くんの言う通り、もう大丈夫だよ。いっぱい寝たから回復した！」
起きてからがしんどかったから、もっと早く起きて勉強したかったけど。
「じゃあ、我々の体力と同じ、“疲れる”がリスクかい？」
オールマイトに聞かれる。
「そうですね。体力と同じで使いすぎれば疲れて、最悪死にます。」
まあ滅多にそんなことになりませんけど。と言えばシーンとした。
え？
「⚫⚫⚫さん、大丈夫じゃないよ！」
「あかん！」
「⚫⚫⚫、ダメだ。」
「ハッ！モブが！」
「わっ！大丈夫だよ！最悪の場合！極端な話だから！寝込むのだってそんなにないよ！」
落ち着いてと迫ってきた３人に言う。(爆豪くんは来なかった。)言わない方が良かったかな。でも事実だしな…。

「ちなみに今日の演習はどれくらいの負荷なんだい？」
と塚内さんに聞かれる。これはかなり心配されてる…。
「これくらいで寝込んだりしませんよ！少し休憩すれば今の演習ぐらいならもう一セット出来ますよ。」
と言えば、
「そうか。なら大丈夫そうだね。」
と安心したのか笑ってくれた。
この鈍りきった体をどうにかしないと…！もともとスタミナ不足が弱点なんだから…。
でも、とりあえず、お腹減ったなぁ。
「演習も終わったし解散。寮にまっすぐ帰れよ。」
との相澤先生の言葉にみんなで寮に帰る。



帰る間際、相澤先生に呼び止められる。
皆の輪から一人離れて先生の元へ行けば
「インターンとはいえ、俺の正式な相棒（サイドキック）だ。これから頼むぞ。“燎”。」
と言った。

相棒（サイドキック）…


相澤先生の目をまっすぐ見て
「はい!!」
と返事をした。
すると、相澤先生は私の頭をクシャッと撫でた。
「？」
首を傾げると、早く寮に戻れと言われてしまった。

…なんだったんだろう。











<相澤side>

相棒か…そんなの今までいなかったから違和感しかないが…これも経験か。

「インターンとはいえ、俺の正式な相棒だ。これから頼むぞ。燎。」
と言えば、
「はい!!」
と嬉しそうに笑って返事をしてきた。

あまりにも嬉しそうに返事するから、思わず頭を撫でてしまった。

別に深い意味なんて、ない。

でも、これからのインターンが少し楽しみには、なった。