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私の両親はナルトさんや、サクラさんみたいに飛び抜けて優秀な忍だったわけではない。特別な血継限界があるわけでもない。ごく普通の忍だった。
でも任務は失敗したことないし、仲間を失うこともなかった。怪我もそんなになかった。安定して任務をこなすことの出来る忍だと回りの大人は言っていた。
穏やかに笑う両親を見るたびに、私もいつかこの二人のような忍になるんだと思っていた。
派手さはなくても確実に任務をこなす忍。仲間たちからも信頼される忍に。
その日は両親が同じ任務に着くとのことで、私は家でお留守番。出掛け際に二人に抱き締めてもらったのをよく覚えてる。
夕方に出ていった両親は夜には帰ってくる予定だった。
それが、なかなか帰ってこない。
もう日付も変わってしまった。
…どうしたんだろう?
戸惑っているとインターフォンのチャイムが鳴り、
「⚫⚫⚫ちゃん!お父さんとお母さんが!」
ゲンマさんの焦った声がした。
病院へ着くと
二人は並んで寝ていた。
二人の側にいた、サクラさんを見る。
「ごめんなさい。ここに来たときには、もう…」
サクラさんは泣かないようにこらえていた。
「あと少し早かったら!」
と言って顔を手で覆ってしまった。
まだよくわからなくて、両親の手を握る。
ほんのり暖かったが、でも出掛け際に抱き締めてくれた暖かさは、もう無かった。
そのあとみんなは気を使って私たち家族だけにしてくれた。
遅かったね。お帰り。ずっと待ってたんだよ。そう話しかけても返事はない。
ここにきてやっと現実を受け入れ始めた私は、それでもまだ信じたくなくて必死に話しかける。夜ご飯やアカデミーのこと。
でも返事はなくて。
「ふぅっ…!返事してよ!今日の夜には帰ってくるって!言ったじゃんか!」
返事をしてくれない両親を怒った。
怒りをぶつければ、そのあとはもう、どうしようもないほどの寂しさが来た。
両親にすがりながら泣いていたら、六代目が部屋に入ってきた。
「ごめんね。二人に、これまで木ノ葉の為に頑張ってくれたこと、お礼を言いに来たんだ。」
いいかな?と六代目は言った。泣きながらどうぞと両親から離れれば、困ったような顔で笑って、ありがとうと言った。
六代目が両親に話しかけるのをぼうっと見ながら、さっきのサクラさんの言葉が頭をぐるぐるしていた。
“あと少し早かったら。”
四代目の火影様は一瞬で離れたところに行けたらしい。
もし、私の両親も任務から一瞬で病院に来れたら間に合ったのかな。
「… 火影様、一瞬で病院に来れる術ってなかったんですか。」
と六代目の羽織を掴み聞く。
突然話しかけられて驚いていたが、
「ないんだ。そんな術があったら、良かったのかもな。」
と寂しそうに教えてくれた。
それなら…
「それなら私が作ります!任務の場所から一瞬で帰ってこられる術を!」
それから私は図書館に入り浸り、関係する本や巻物を読み、調べた。
図書館の本が終わればあとは火影様が管理しているところしかない。
許可を取りに行けば、六代目は最初はあまり信じていなかったようで、
「図書館にもあるよ。」
と言った。そこはもう全部読んだことを告げれば横にいたシカマルさんと驚いていた。
それから毎日毎日許可を取りに来るわたしに、本気だとわかってくれたのか、六代目が
「四代目は俺の先生だった。近くで術を見ていた者として何か出来ることがあるかもしれない。何かあれば協力するよ」
と言ってくれた。
アカデミーに通っているときにたった1メートルだけど、飛雷神の術に成功した。下忍になった頃、マーキング無しで術者が思いうかべた場所へ飛ぶ、雷走の術を作った。
そこからさらに2年かけてこの忍術を札にした。
起爆札の雷走バージョンだ。
みんなが使えるようになれば、任務で大怪我しても助けられるかもしれない。
両親のような人を、私みたいな子供を減らせるかもしれない。
作るのに大量のチャクラが必要だったから、作れたのは10枚だけだった。
それが今、盗まれてしまった。
俺にも教えろと暴れる爆豪くんを宥めていると、
「ごめんね。俺が教えたんだ。」
と六代目が言った。
「あの術をどんな気持ちで⚫⚫⚫が作ったのか知っておいて貰いたくて。」
六代目…。
気にかけてくれて、嬉しかった。
「ありがとうございます。六代目。」
「⚫⚫⚫さん!絶対取り返しましょうね!」
拳をぐっと握りしめて緑谷くんが言った。
お茶子ちゃんと轟くんも頷いてくれた。
爆豪くんは腕をくんで拗ねていた。
後でちゃんと言うよと言えば、
「忘れんじゃねーぞ」
絶対だかんな。と言う。
無理やり聞いたり、緑谷くんたちから聞くこともせず、ちゃんと私が話すのを待ってくれる。
爆豪くんて実は優しいよね。こんなこと言ったら怒られそうだけど。
私は笑ってうん、と頷いた。
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あとがき
⚫⚫⚫の過去でした。
ちょっとチートっぽいけど、努力の賜物なのです。
いつかカカシ先生と修行してるころのことも短編とかで書けたらいいなぁ。