早朝。

「すみません。テンテンさん。」
忍具屋であるテンテンさんのお店に来ていた。

「あー！珍しい！お客様！えーっとあなたは火影補佐の⚫⚫⚫⚫⚫⚫ちゃん！だったわよね？」
嬉しそうに出迎えてくれたテンテンさんに、
そうですと答える。
「何が欲しいの？」
クナイとか？と、聞かれ首をふる。

「チャクラ鉱石が欲しいんです。」
「チャクラ鉱石…うーん。たしか一個だけ…。数年に一個見つかるかってぐらいだから、次はいつになるかわからないわ。ごめんね。」
と、奥から取ってきた箱をひとつ、私の手のひらに乗せてくれた。
「ありがとうございます！」
「ごめんね、貴重なものだからこれくらいしちゃうんだけど…」
と出されたお値段は…

うん。私じゃ払えない。六代目に相談だ。


とりあえず手にいれたチャクラ鉱石にチャクラを流し込んでみる。
どれくらい貯めておけるのか。それによって必要量も変わってくる。

宿に向かいながらチャクラをすこーしずつ流し込んでいるが、ぐんぐん吸われていく。
カラッカラのスポンジに細く水をかけているみたい。
油断してチャクラを流すと全部持っていかれそうになる。
…これは結構貯められそうだ。




朝食をとってみんなと火影室へ向かう。

「おはよう。もう⚫⚫⚫から聞いたかな？」
と六代目が問えば
四人は頷いた。
「そうか。」
と立ち上がり、
「里の者が大変申し訳ないことをした。すまない。」
頭を下げた。
シカマルさんも、私も頭を下げる。
「あのっ⚫⚫⚫さんにも昨日言いましたが、火影様には感謝してるんです。本当に。だから頭を上げてください…。」

緑谷くんが言う。

「ありがとう。まだ解決すべき問題はあるけれど、君たちの帰る方法が見つかった。詳しくは…⚫⚫⚫？」

六代目から話がふられる。

「まず、みんながこちらに来た術について説明します。
敵が使ったのは“雷走の術”と言って、術者が思い浮かべたところに瞬時に移動する術です。
みんなを飛ばすときに咄嗟に木ノ葉を思い浮かべたんでしょう。この術はかなりの量のチャクラ、要は術を使うためのエネルギーが必要です。」

「じゃあ、そのチャクラってのがあれば俺らは帰れるんだな？」

爆豪くんが言う。

「もう一つ。術者が移動先をイメージできないといけないの。写真や映像、何でもいいんだけど、イメージのリアルさが位置の精度につながります。だからみんなの世界のことを術者である私が知らなくちゃいけない。正直、そのために一番正確なのはみんなの記憶を見ること。でもそんなことしたくないんです。しかし他にどうしたらいいか、方法が思い浮かばない。」

四人を見ていた目線を下げる。




火影室が沈黙に包まれた。
やっぱり嫌だよね…。




「いいよ！僕の記憶でよかったら見せるよ！⚫⚫⚫さん！」

「⚫⚫⚫ちゃんが見るなら私もいいよ。あ、でも他言無用でお願いしたい　かな！」

「俺もいい。帰れるのなら協力する。」

「俺らにもできることあんじゃねえか。だから言ったろーが。」

緑谷くん、お茶子ちゃん、轟くん、爆豪くん。

「ありがとう。」

泣きそうになるのを堪えてお礼を言う。


「じゃ、移動先はみんなに協力してもらうということで。問題はチャクラか。」
六代目が言う。

「今のところチャクラ鉱石を使って足りない分を補充する予定です。チャクラ鉱石は透明な石なんだけど、その中にチャクラを貯めておけるの。必要な時は石に触れればチャクラを取り出せる。

ただ、このチャクラ鉱石、とても貴重でなかなか手に入らないから必要な数をそろえるのに時間がかかりそう。」

そう私が言うと、

「テンテンの店はどうだったんだ？⚫⚫⚫」
シカマルさんが聞いてくる。
「一つだけ、ありました。でも次の予定はないとのことでした…。」

「まあ、そうだよな…。一つあっただけでも良かったか。」

そうですね、とシカマルさんに頷く。

「今、いろいろなところにチャクラ鉱石について協力を依頼している。すまないが、もう少し待ってくれ。」

と六代目が四人に言った。
「もちろんです。」
と緑谷くんが言った。

「じゃあさっそく、移動先の選定をするか。ただ石が集まるのを待っているのはもったいない。」
とシカマルさんが言い、イノさんを呼びに行った。