アシスタントのはなし
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ギルモア博士のところに来て一週間が経つ。
この一週間はいろいろあった。
ギルモア博士の研究に二人で徹夜したり、
お使いを頼まれて迷子になったり。
そして。
彼らがサイボーグだと知った。
それはここに来て5日目の夜だった。
「ふぁあ…」
夕食の片付けをしていたら、大きなあくびがでてしまった。
「あら⚫⚫⚫、眠そうね。」
ふふふとフランソワーズに笑われてしまった。
昨日、ギルモア博士と研究室であぁでもない、こうでもないと、議論が白熱。
気付いたら空が白んできていた。
もう寝なければと解散したが、そのあと眠れたのは二時間。
ギルモア博士も疲れていたのだろう。夕食を食べ終えると寝室に行ってしまった。
「僕が代わろう。⚫⚫⚫さんは今日はもう寝た方がいいよ。」
「う…ごめんなさい。」
ピュンマさんが片付けを代わってくれた。
お言葉に甘えて寝させてもらおう。
とても眠い。
「それじゃあ、皆さん、おやすみなさい。」
私が挨拶すると
「おやすみなさい、⚫⚫⚫。」
「ゆっくり休むネ!」
「また明日ね、⚫⚫⚫。」
そのときリビングにいた、ジョーさん・張々湖さん、フランソワーズが返事してくれた。
自分の部屋に入り、ベッドにまっすぐ向かう。
ボフッと倒れ込む。
あー癒される…。
襲ってくる睡魔に、少しも抵抗することなく、目を閉じた。
どれくらい時間がたったのかは、わからない。
『起きて。⚫⚫⚫。みんなを助けて』
耳で普通に聞くのとは違う、頭に響くような不思議な声がした。
『起きて。キミの力が必要なんだ。』
目をあけてぼんやりしてたら、また聞こえた。
ガバッとベッドから起き上がり、声の主を探す。
でもここ、個室だし…。
『急いでリビングに来て。みんなもそこに呼ぶから。』
キョロキョロしていると指示が。
なんだか緊迫した感じ。
リビングに行けば声の主はいるだろうか?
部屋着の上からカーディガンを羽織り、急いでリビングへ向かう。
リビングにはイワンくんを抱えたギルモア博士がいた。
「ギルモア博士、博士ですか?この声は。」
詳しく話を聞こうとしたが、
『僕だよ。⚫⚫⚫。テレパシーってやつさ。詳しいことは後で話す。まずはみんなを診てくれ。薬にやられた。みんなをここに呼ぶから。』
と、イワンくん?に言われた。
みんな?誰のことだろう?薬?
戸惑っていると、音もなく、赤い服を着た“みんな”が現れた。
思わずいきをのんだ。
ぐったりして苦しそう!
どうしよう、救急車を!
と慌てていたら、またイワンくんにテレパシーをされた。
『僕らはサイボーグ。救急車では対応出来ないよ。みんなは敵の毒にやられたんだ。解毒薬を作ってほしい。』
「サイボーグ…?!解毒薬って…私には無理です!ギルモア博士の方が…!」
混乱する頭でなんとか断る。
「頼む。生化学はキミの方が知識は上じゃ。協力してくれんか!」
『大丈夫。⚫⚫⚫なら出来る。さあ、早く!』
ギルモア博士とイワンくんに言われ、腹をくくる。
私のこの知識が人助けに役立つなら。
精一杯頑張ってみよう。
フランソワーズから採血し、ギルモア博士にも手伝ってもらい分析する。
症状と分析の結果、毒の正体が判明。
それを元に薬を作る。
全員に投薬を終え、ベッドに寝かせたときには空は白んでいた。
寝ているみんなを見ながら、部屋の壁に寄りかかり、ふうと深く息を吐く。
もう薬が効き始め、呼吸も穏やかになっていた。
良かった。薬がちゃんと効いて。少しは役に立てたかな。
そのままずるずると座り込む。
そういえば昨日は徹夜で寝不足で、
今日もあんまり寝てないな…
自覚したとたん、強い睡魔に襲われた。