アシスタントのはなし
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冬は日が沈むのが本当に早い。
まだ3時なのに暗くなってきた。
今日の朝、ギルモア博士に出された課題を、ずっと考えていた。
私がどれくらい生体工学の知識があるか、テストしたいそうだ。
ある装置の不具合を解決しろ、という課題だった。
これだと思う答えをいくつか出した。
が、全部違うと言われてしまった。
うーん。
ちょっと散歩でもしようかしら。
コートを着て出掛けようとすると、それに気づいたフランソワーズが声をかけてきた。
「出掛けるの?悪いんだけど、これをついでに買ってきてくれないかしら?もう暗くなるから気を付けてね」
フランソワーズからメモを受け取って、はーい、と返事をしてギルモア邸を出た。
歩きながらまた考える。
面白そうな装置だった。
確か、名前は加速装置。
頼まれたものを無事に買って帰る。
もう真っ暗だった。
冬は本当に日が短い。
帰ったらまた回路図を見てみよう。
うーん、あのあたりが怪しいと思ったんだけどなぁ…
博士は違うって言ってたから、もう一度、しっかり見てみよう。
明日の朝がタイムリミットだ。
考えながら歩いていると、ふと、知らないお店が目に止まった。
あれ?あんなお店あったっけ?
確かにここに来たばかりで全部のお店を覚えてるわけではないけれど…。
ん?
ここどこ?
あれ?
どこで道を間違えたんだろう?
とりあえずわかる道まで戻ろう。
と、急いで来た道を戻る。
結構歩いたはずなのに、わかる道まで戻れない。
どうしよう。
まさか、
えーーー!
これって迷子?
この歳になって?
こういうときどうしたら良いんだっけ?
どっちに行って良いかもわからず、あたふたする。
泣きそう。
「あーやっと見つけた!どこ行ってたんだよ!お前!」
聞いたことがある声がして振り返ると、
ジェットさんがいた。
「あれ?ジェットさん?なんで…」
私がそう聞くと、
「なんで?じゃねぇよ!いつまでたっても帰ってこないからわざわざ探しに来たんだよ!」
ほら!帰るぞ!
と行ってしまった。
慌てて小走りでその後に着いていく。
「あ、あの、ジェットさん、すみません。探しに来てくださってありがとうございました。」
「…」
無言でどんどん歩いていくジェットさんに頑張って着いていく。
少し歩くとギルモア邸の近くに出た。
知っている道に出てほっとする。
先を歩くジェットさんに走って追い付き、
手を掴んで引き留める。
「あの!ジェットさん、本当にありがとうございました!どうしたら良いかわからなくて、もう、泣きそうだったんです。本当に助かりました」
ありがとうございました、と頭を下げる。
「フン。もう俺は探さねぇからな。」
「はい!気を付けます!」
気合いを入れて返事をする。
もう迷子なんてならないと、肝に命じる。
「今日は本当にありがとうございました」
と笑顔で言った。
ちょっと驚いた顔をしていたジェットさんが、しばらくして、
「どうだか。」
ほら、帰るぞ。
とジェットさんが歩き出す。
私は今度は走ることなく、ジェットさんと並んで歩けた。
そのあとギルモア邸でフランソワーズに怒られたが、私はそんなに落ち込まなかった。
そしたら反省してないって更に怒られちゃったけど。