アシスタントのはなし
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「むむ…最近の寝不足が原因かのぉ…フラフラするわい。」
頭を押さえながらギルモアはリビングに来た。
「おはようございます。ギルモア博士。具合悪いんですか?」
フランソワーズがキッチンから心配そうに声をかけた。
「昨日ちょっと集中しすぎての。あまり寝ておらんのだ。ほら、009の加速装置に違和感があると言っておったのが気になっての。」
ふう、とソファーに座り、コーヒーを持ってきたフランソワーズに言った。
そう。早く治してやらねば。
ブラックゴーストのやつらがいつ、攻めてくるかもわからん。
万全の体制でなれければ。
それが彼らを守ることにも繋がるのだから。
コーヒーを一口飲み、ふう、と息を吐く。
「コーヒーをありがとう。ワシはもうちょい調べてくる。」
フランソワーズに礼を言って立ち上がった。
はずだった。
頭痛がする。
額が冷たくて気持ちいい。
心なしか体が重いように感じる。
ワシは今何をしてた?
「んん?」
状況が飲み込めず、必死に記憶をたどる。
「あ、博士、気づきましたか?」
先程のギルモアの声に気づいたフランソワーズが、
「良かった。朝コーヒーを飲んで、立ち上がろうとしたときに倒れられたんですよ。熱もあるし、しばらく休んでいてください。病院に行きますか?」
ほーっと胸に手をあて、長く息を吐き、ギルモアに声をかけた。
心配をかけてしまったようだ。
しかし加速装置のこともある。早く原因を突き止めてやらねば。
仕方がない。今日だけ休ませてもらおう。
「心配をかけてすまなかった。なに、少し疲れがたまっていたのだろう。悪いが今日だけ休ませてもらうとしよう。」
病院というほどでもなかろう。寝てれば治る。
と思ってもう2日。熱が下がらない。
さすがに車を出してもらい、今日は病院に行ってきた。
インフルエンザとのことだ。
予防接種はしていたから油断していた。
みんなから
絶対に安静にしてるように。
と言われてしまった。
「しかしのぉ…009…」
「仲間がいますから。大丈夫です。加速装置は出来る限り使いません。」
ですから、早く元気になってください。
と言われてしまえばもう何も言えなかった。
あぁ、こんなときにワシが二人いれば。
ワシの研究したことを共に理解してくれる人物がいれば。
この先、ワシに何かあっても彼らを支えてくれる人間がいたら。
コズミくんにも相談してみようかの。
「ふーむ。ギルモア博士程の頭脳の持ち主はそうはいまい。」
「いやいや、私の研究はそんな大したことはないのだよ。ただ、彼らのことを受け入れてくれるかどうか…」
そう、生体工学などに詳しければ誰でもいいわけではないのだ。
「ふーむ。きみのお眼鏡に叶うか、わからんが1人居るよ。」
豊かな髭を撫でつつ、のんびりと言った。
「ほ、本当かね?!」
思わず、コズミくんの肩を強く揺すってしまった。
「お、落ち着きたまえ。ワシの遠縁の娘なんだがな。生化学が専門の大学生でな。一度ワシの研究の助手をしてもらったんだが、あれはなかなかの逸材じゃよ。成績も非常に良いらしい。が、こう、一つのことに集中しすぎるというか。就活にも苦労してると聞いた。」
その娘はどうか?と。
ギルモアが決めかねていると、
「心配なら助手としてしばらく雇ってみたらいかがかね。お試し期間というやつじゃな。大学なら2月は休みじゃろ。」
と提案してくれた。
彼女の名前は⚫⚫⚫。
アルバイトで1ヶ月、研究の助手をすることになった。
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