ハンター試験
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クラピカが男性という事を知り、ついでにレオリオがクラピカのボディガードではないという事も知った私は先程クラピカに晒した羞恥の怒りをゴンにぶつけていた。
「クラピカが男の人だなんて聞いてない!」
「いたた…だってルル、わかってると思ってたもん」
「分かるわけないでしょ?!あんな綺麗な顔の男の人どこにいるって言うの!」
収まらない腹の中の熱はゴンの言い分など耳にも届けず八つ当たりをするばかり。
でも私悪くない!あんなの誰だって女の人って勘違いするに決まってんじゃん!私じゃなくても間違える!!
クラピカが男だと明かした時私はさりげなく、いや、猛ダッシュでゴンの元へ帰ってきた。だって男の人にぶ、ぶら…の話なんて恥ずか死ぬに決まってんじゃんんんん!!レオリオは爆笑するしクラピカは真っ赤なままだし居た堪れなさすぎる。
思い出すだけで熱を持つ頬を抑えながらついさっきまで話してた金髪の彼を見つめる。今はもうなんとも思ってないみたい……普通にレオリオと話してるし……気にされてても恥ずかしいから辞めて欲しいけどね!!
「おかしいな」
ぽとり、クラピカが落とした呟きはレオリオと私の頭をクエスチョンマークで埋めるには十分すぎた。
……あれ?………………あれ???なんか周りがだんだん小走りに……っていうか、めちゃくちゃ追い抜かされてくんだけど…………なぜ?
「おいおい何だ?やけに皆急いでねーか?」
確かに私もそう思ってたところ。何をこんなに急ぐ必要なあるんだろう。今までみたいに少し早足だけど歩いてれば着くんじゃないの?
「やはり、進むペースが段々はやくなっている!」
「前の方が走り出したんだよ!」
ルル、とゴンは私の名前を呼んですぐ手を繋いだ。まだ状況を理解出来ていない私の足は え、え、と混乱する間もなく彼の大きな手に引かれて走り始めていた。
うそ待って、走るなんて聞いてない。
それもそのはず、ハンター試験の内容なんて事前に掲示してたら誰でもハンターになれる。頭の一部でそんな冷静な考えもしているけど、やっぱり私の体は混乱しまくっている。もつれそうな足を必死に動かしゴンの手に素直に引かれて走り続ける。
クラピカもレオリオも驚いている風に、でもとりあえず足を動かして周りの受験者達について行ってる。
「申し遅れましたが私、一次試験担当官のサトツと申します」
「は、?」
いつの間にか口から、変な声を漏らしていたけどそんな事気にせず、先頭に立っているであろうさっきのおじさん、もといサトツさんが、また口を開く。
「これより皆様を二次試験会場へ案内致します」
ニジシケンカイジョウ。確かにサトツさんは抑揚のない声でそう言った。
二次試験会場ってことは、じゃあ一次試験は?サトツさんは一次試験の担当なんだよね?
「ねぇゴン」
「うん、多分_____」
「二次試験会場まで私についてくること。これが一次試験でございます」
ゴンの言葉の続きを言うように、また抑揚のない声でサトツさんは言った。
……じゃあ、一次試験はその二次試験会場まで走れって事……??一次試験って持久戦なの……?!
「場所や到着時刻はお答えできません。ただ私に着いてきていただきます」
「む、無理ぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
サトツさんが言い終わるのと同時、私の口から出た悲鳴のような言葉は洞窟全体に響き渡った。
無理、無理無理無理。くじら島にいた頃はゴンとずっと遊んでたし体力もそこそこあったけど…くじら島を出てからの数年間。私は立派な引きこもりに成長したのだ!!だから体力なんて皆無、無し、これっぽっちもない!!なのに一次試験が持久戦なんて……ハンター試験鬼畜すぎるでしょ?!殺しにかかってる、帰ればよかった!!!!!
「ルル大丈夫だよ、すぐ着くって」
「アンタのすぐは私にとってのすぐじゃない!!」
既に半べそをかきながらゴンのあとをついて行っている私に気を使って声をかけてくれたんだろうけど、なんっっっの励ましにもなってないからなこの野生児!!私のすぐは50mなんだよ!!そっちはフルマラソン以上だろうがっ!!倍以上だわ!!
「…ありゃ重症だぜ」
「あぁ、…先程の元気はもうないみたいだな」
帰りたい、帰りたい〜……!もう走れない、きついよ辛いよ〜…ゴンもクラピカもレオリオも私のペースに合わせて走ってくれてるけど…今のペースでもきついんです、怒らないでほんとに心臓潰れるからぁ!!
「は、は…ぅ、ぉえっ」
なんか逆流してきそうだわ……こんなに走ったのいつぶりなの…1時間くらい走ったっけな……あ、目の前が白くなって……
「…まだ5分も経ってないと思うよ」
「現実をみせるんじゃなあああああい!!」
デリカシーのなさは人一倍だな、何時まで経っても!!
そんな時。
スーッと私たちの横を何かが通り過ぎた。
何、何?下ばかり向いていた目を前方へむける。ふわふわとした銀髪が風に揺れてる。この後ろ姿見た事ある。だってここに来た時からお世話になってるじゃん、この人、
「おい汚ぇぞ、「あーーーっ!!!」
文句を言いそうになったレオリオを遮って彼を指さして声を上げる。きっと彼は何事かと思って振り向いてるんだろう、随分久し振りに感じるけどそこまで時間も経ってないのかな。だってこっちを振り向いたイケメンの彼も私の顔を見て「あ」って声を漏らしたから。
「何、アンタの連れ?」
「え、う、うん、友達!」
「ふぅん…」
隣でレオリオがグチグチ文句を言ってゴンが正論をぶつけてる間、銀髪イケメンは私たちの方へ乗っていたスケボーの速度を落として近付いてきた。
猫目の彼は私の手を繋いで走っているゴンの方をまじまじ見てから、もう一度私の方へ視線を戻した。
「デキてんの?」
「は?!?!」
多分、今顔真っ赤だ。いや、できてない。決してできている訳では無い。つかこのイケメンませてるの?!私とゴンと同い歳くらいだよね?!
隣のゴンは頭にハテナを浮かべて「できてるって何?」なんて持ち前の好奇心で突っかかってくるけど、カチ無視してぶんぶん首を横に振り否定した。
「そ。……ねぇ君、歳いくつ?」
なんだその感想。人の事をからかってたのか?からかってたんだな?!しかも私の事もう見向きもしないでゴンに話しかけてるし!イケメンだけど少しムカッとする!
「もうすぐ12歳!ちなみにこっちの子も12歳」
「ちょ、何勝手に」
ゴンが勝手に私の年齢もバラすもんだから突っかかろうとした時。
「やっぱ俺も走ろっと」
ダンっ、と音を立てて銀髪イケメンはスケボーから飛び降りた。…不覚にもイケメンだと思った……!!くそぅ!見惚れてなんてないからね!
「俺キルア」
「俺はゴン!」
「………………」
男の子同士の友情ってイマイチわからん……いや今ここには友情が無いかもしれないけど、何がどうなってこんな自己紹介の展開になる訳?これは男の子にしか分からない感覚なのかな……
「ねぇ、そっちは?」
「私?」
「しかいない」
むっかちーん。「しかいない」ってなんですか。うんそうだよとか、聞いてもいい?とか言えないの?イケメンだけどこんな人にときめいてたなんて私……!同い年ってわかったからもう遠慮なく文句言ってもいいよね?!
「何それ、人に名前聞く態度なの?」
「ルルって言うんだ」
「へぇルルね、おっけー」
ゴンンンン!あんた、あんたほんと空気読まないね?!そこもいい所なんだろうけどさ?!銀髪イケメン、キルアもなんか勝ったみたいにニヤニヤしてるし更に腹立つんですけど……!!
拝啓、お父さんお母さん。
ゴンと再会出来たのはいいけど、あのイケメンが結構腹立たしいです。
(「つかお前、バテんの早すぎ」)
(「な、なによー!!」)
(会ったばっかりなのに、仲良しだなぁ)
「クラピカが男の人だなんて聞いてない!」
「いたた…だってルル、わかってると思ってたもん」
「分かるわけないでしょ?!あんな綺麗な顔の男の人どこにいるって言うの!」
収まらない腹の中の熱はゴンの言い分など耳にも届けず八つ当たりをするばかり。
でも私悪くない!あんなの誰だって女の人って勘違いするに決まってんじゃん!私じゃなくても間違える!!
クラピカが男だと明かした時私はさりげなく、いや、猛ダッシュでゴンの元へ帰ってきた。だって男の人にぶ、ぶら…の話なんて恥ずか死ぬに決まってんじゃんんんん!!レオリオは爆笑するしクラピカは真っ赤なままだし居た堪れなさすぎる。
思い出すだけで熱を持つ頬を抑えながらついさっきまで話してた金髪の彼を見つめる。今はもうなんとも思ってないみたい……普通にレオリオと話してるし……気にされてても恥ずかしいから辞めて欲しいけどね!!
「おかしいな」
ぽとり、クラピカが落とした呟きはレオリオと私の頭をクエスチョンマークで埋めるには十分すぎた。
……あれ?………………あれ???なんか周りがだんだん小走りに……っていうか、めちゃくちゃ追い抜かされてくんだけど…………なぜ?
「おいおい何だ?やけに皆急いでねーか?」
確かに私もそう思ってたところ。何をこんなに急ぐ必要なあるんだろう。今までみたいに少し早足だけど歩いてれば着くんじゃないの?
「やはり、進むペースが段々はやくなっている!」
「前の方が走り出したんだよ!」
ルル、とゴンは私の名前を呼んですぐ手を繋いだ。まだ状況を理解出来ていない私の足は え、え、と混乱する間もなく彼の大きな手に引かれて走り始めていた。
うそ待って、走るなんて聞いてない。
それもそのはず、ハンター試験の内容なんて事前に掲示してたら誰でもハンターになれる。頭の一部でそんな冷静な考えもしているけど、やっぱり私の体は混乱しまくっている。もつれそうな足を必死に動かしゴンの手に素直に引かれて走り続ける。
クラピカもレオリオも驚いている風に、でもとりあえず足を動かして周りの受験者達について行ってる。
「申し遅れましたが私、一次試験担当官のサトツと申します」
「は、?」
いつの間にか口から、変な声を漏らしていたけどそんな事気にせず、先頭に立っているであろうさっきのおじさん、もといサトツさんが、また口を開く。
「これより皆様を二次試験会場へ案内致します」
ニジシケンカイジョウ。確かにサトツさんは抑揚のない声でそう言った。
二次試験会場ってことは、じゃあ一次試験は?サトツさんは一次試験の担当なんだよね?
「ねぇゴン」
「うん、多分_____」
「二次試験会場まで私についてくること。これが一次試験でございます」
ゴンの言葉の続きを言うように、また抑揚のない声でサトツさんは言った。
……じゃあ、一次試験はその二次試験会場まで走れって事……??一次試験って持久戦なの……?!
「場所や到着時刻はお答えできません。ただ私に着いてきていただきます」
「む、無理ぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
サトツさんが言い終わるのと同時、私の口から出た悲鳴のような言葉は洞窟全体に響き渡った。
無理、無理無理無理。くじら島にいた頃はゴンとずっと遊んでたし体力もそこそこあったけど…くじら島を出てからの数年間。私は立派な引きこもりに成長したのだ!!だから体力なんて皆無、無し、これっぽっちもない!!なのに一次試験が持久戦なんて……ハンター試験鬼畜すぎるでしょ?!殺しにかかってる、帰ればよかった!!!!!
「ルル大丈夫だよ、すぐ着くって」
「アンタのすぐは私にとってのすぐじゃない!!」
既に半べそをかきながらゴンのあとをついて行っている私に気を使って声をかけてくれたんだろうけど、なんっっっの励ましにもなってないからなこの野生児!!私のすぐは50mなんだよ!!そっちはフルマラソン以上だろうがっ!!倍以上だわ!!
「…ありゃ重症だぜ」
「あぁ、…先程の元気はもうないみたいだな」
帰りたい、帰りたい〜……!もう走れない、きついよ辛いよ〜…ゴンもクラピカもレオリオも私のペースに合わせて走ってくれてるけど…今のペースでもきついんです、怒らないでほんとに心臓潰れるからぁ!!
「は、は…ぅ、ぉえっ」
なんか逆流してきそうだわ……こんなに走ったのいつぶりなの…1時間くらい走ったっけな……あ、目の前が白くなって……
「…まだ5分も経ってないと思うよ」
「現実をみせるんじゃなあああああい!!」
デリカシーのなさは人一倍だな、何時まで経っても!!
そんな時。
スーッと私たちの横を何かが通り過ぎた。
何、何?下ばかり向いていた目を前方へむける。ふわふわとした銀髪が風に揺れてる。この後ろ姿見た事ある。だってここに来た時からお世話になってるじゃん、この人、
「おい汚ぇぞ、「あーーーっ!!!」
文句を言いそうになったレオリオを遮って彼を指さして声を上げる。きっと彼は何事かと思って振り向いてるんだろう、随分久し振りに感じるけどそこまで時間も経ってないのかな。だってこっちを振り向いたイケメンの彼も私の顔を見て「あ」って声を漏らしたから。
「何、アンタの連れ?」
「え、う、うん、友達!」
「ふぅん…」
隣でレオリオがグチグチ文句を言ってゴンが正論をぶつけてる間、銀髪イケメンは私たちの方へ乗っていたスケボーの速度を落として近付いてきた。
猫目の彼は私の手を繋いで走っているゴンの方をまじまじ見てから、もう一度私の方へ視線を戻した。
「デキてんの?」
「は?!?!」
多分、今顔真っ赤だ。いや、できてない。決してできている訳では無い。つかこのイケメンませてるの?!私とゴンと同い歳くらいだよね?!
隣のゴンは頭にハテナを浮かべて「できてるって何?」なんて持ち前の好奇心で突っかかってくるけど、カチ無視してぶんぶん首を横に振り否定した。
「そ。……ねぇ君、歳いくつ?」
なんだその感想。人の事をからかってたのか?からかってたんだな?!しかも私の事もう見向きもしないでゴンに話しかけてるし!イケメンだけど少しムカッとする!
「もうすぐ12歳!ちなみにこっちの子も12歳」
「ちょ、何勝手に」
ゴンが勝手に私の年齢もバラすもんだから突っかかろうとした時。
「やっぱ俺も走ろっと」
ダンっ、と音を立てて銀髪イケメンはスケボーから飛び降りた。…不覚にもイケメンだと思った……!!くそぅ!見惚れてなんてないからね!
「俺キルア」
「俺はゴン!」
「………………」
男の子同士の友情ってイマイチわからん……いや今ここには友情が無いかもしれないけど、何がどうなってこんな自己紹介の展開になる訳?これは男の子にしか分からない感覚なのかな……
「ねぇ、そっちは?」
「私?」
「しかいない」
むっかちーん。「しかいない」ってなんですか。うんそうだよとか、聞いてもいい?とか言えないの?イケメンだけどこんな人にときめいてたなんて私……!同い年ってわかったからもう遠慮なく文句言ってもいいよね?!
「何それ、人に名前聞く態度なの?」
「ルルって言うんだ」
「へぇルルね、おっけー」
ゴンンンン!あんた、あんたほんと空気読まないね?!そこもいい所なんだろうけどさ?!銀髪イケメン、キルアもなんか勝ったみたいにニヤニヤしてるし更に腹立つんですけど……!!
拝啓、お父さんお母さん。
ゴンと再会出来たのはいいけど、あのイケメンが結構腹立たしいです。
(「つかお前、バテんの早すぎ」)
(「な、なによー!!」)
(会ったばっかりなのに、仲良しだなぁ)