ハンター試験
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ゴンと会っていない4年間のうちに彼が小悪魔スキルを習得しているとわかって少し。
金髪もでるのクラピカ(もでるは私が勝手に決めた)と既に仲良く打ち解けていた。お互い女の子だし自己紹介は自分で言えなかったけどその後勇気出して声掛けて良かったぁ、ゴンがいるからあんまり心細くないけど更に数少ない女の子と一緒に居られるっていうの、気持ち的にだいぶ余裕ができたように感じる。
クラピカはまじかで見るとそれはもう文字通りの美少女で。まつげ長いし髪の毛サラサラ、肌は白い。私が欲しかったもの全て、全てが彼女には備わってる。……もしかして私がこんな容姿だったらもでるになれてたのかも……なんて。うへへ。
「クラピカって意外と身長高いんだね」
「ふふ、私はもうちょっと欲しいくらいなのだが」
あ”ーっっっ!!!何そのハニカミ!!!え、なに?!?!ねぇ何それ!!!めっっっっちゃ可愛いじゃん!!!!いやもう美しい、もう、もう眩し過ぎて細目になっちゃう、やばいもう可愛い好き。語彙力無くなっちゃう、元から無いのに全て無くなっちゃう。
「私だってもっと伸ばしたいのに……!」
「ルルはそのままで十分可愛らしいよ」
どぎゅん。心臓鷲掴み。私クラピカにその言葉言われる為にこの身長になりました、はい。この身長でよかった。今の身長より1ミリでも小さかったり大きかったりしたら言われてないかもしれないし、昔の私この身長で留まってくれてありがとう……!!!
「く、クラピカも!クラピカも可愛い!て言うかクラピカの方が可愛い!美しい!」
「ありがとう、しかしどちらかと言うと“かっこいい”の方が嬉しい気もするな」
「かっこいい…?クラピカは可愛いし綺麗だしクール!」
「…あまり変わっていない気が……」
あぁ、そんな微妙な顔して苦笑い浮かべる所もいい、美しい、そんな顔も美しいなんて神様ったら不平等……!ううんクラピカだからこんなに綺麗な容姿になったんだよ、はぁすき……、てかゴンったらここに来るまでこんな美少女と行動を共にしてたの……?羨ましい!私も一緒にいたかった!ボディガードさんのレオリオに頼んで一回だけ、一回だけぎゅってしていいかな……女の子同士だし問題ないでしょ……手を握るだけでもいいの……!!
「そう言えばルルはなぜこの試験を?」
「私?私はね、ゴンの家族から頼まれて一緒について行ってあげてって。ここに来た時、あ、みんな本気だって思ってさ。私だけ動機が不純かなぁなんて罪悪感もあるんだけど」
そうそう、忘れそうになるけど私自分の意思って言うより頼まれてきたっていう方がこの試験を受けた理由の大半を占めてるんだよね。ゴンに会いたいがために二つ返事で了承したけど……ハンター試験。改めて考えると私みたいな半端な覚悟で来る場所じゃない。毎年この試験で命を落とす人なんて両手を遥かに超えるし、みんな目的をもってこのハンター試験に望んでる。
でもかという私は既にゴンに会うという目的を果たしてしまって、もうこの試験を望む理由がない。ライセンスを取ったって私みたいな故郷から全然出ない人なんて持ってる意味がないも同然。それなら本気でライセンスを取りに来ている人に譲った方が早いし、そういう人が手にする方が断然私なんかよりもいい。……だから少し、ううん、結構罪悪感に押し潰されそうなんだよね。あのイケメンとここに来た時雰囲気がもう本気だった。本気の人で溢れかえってたから。私みたいな半端者はきっと歓迎されてない。されないに決まってる。
「あまり難しい顔をしないでもいい」
彼の声に無意識に爪先を見つめていた顔を上げる。優しい、顔。
「何も目的がなくここに来るのが悪いという事ではない。力試しという理由で来ている輩も居るからな。ルルは、試験中にはっきりとした目的が出来るかもしれない。だから、そう落ち込まなくてもいいんだ」
にこりと目尻を細めて優しい笑顔を向けてくれる。つられてへらっとだらしない笑みを零してしまった。
試験中に目的、か。試験中、私にも何かしらライセンスを取りたいって、絶対に取りたいって思う目的ができるのかな。…そうだな、クラピカの言う通り。今はまだ何も無くたってこれから出来るかもしれない。今はまだゴンと一緒にいたいって、それだけでいいのかもしれない。
「…クラピカってなんか余裕あるなぁ」
「私だって緊張しているよ」
「え〜、嘘だ」
ゴンみたいにふわっとした雰囲気が伝わってきた。なんか安心できるなぁ。
ジリリリリリリリリリリリッッッ
そんな雰囲気をぶち壊しにしたのは洞窟全体に突如として響き渡ったベルの音だった。向こうで話していたゴンとレオリオもそのベルの音を聞き、私とクラピカの元へ近寄ってきた。なんだか怖くてゴンの袖を握ったら私と同じくらいだった手はいつの間にか大きくなっていて、私の手を簡単に包んでくれた。
暫くうるさい程のベルが鳴り続いた。次いでピタッとその音が止まると私を含め受験者全員の目が上空へ注がれた。
洞窟内を通るパイプ管の上に一人の男性がたっている。口髭を生やし黒いスーツに身を包んだダンディなおじさん。その人の手にはベルのような、何かの顔のようなものが握られていてそれがさっきの音を鳴らしていたのかと納得した。
「ただ今をもって、受付時間を終了致します。では、これよりハンター試験を開始いたします」
パイプ管の上に立っていた男性はふわりと身軽そうに私たちと同じ地面へ降り立ち受験者全員の顔を見渡す。ゴンの手を握る強さが、無意識に強くなった気がする。
「こちらへどうぞ」
スーツのおじさんは固まる受験者の前に立って暗くて見えない先へ促している。
暗い、な。少しだけ怖い。ゴンに心配かけたくないから言いたくないけど。
「さて、一応確認致しますが、ハンター試験は大変厳しいものもあり、運が悪かったり、実力が乏しかったりすると怪我をしたり、最悪の場合、死に至ります。先程のように、受験生同士の争いで再起不能になる場合も多々ございます」
ひゅ、と、喉が鳴った。さっき一人の受験者がぶつかった時に謝らなかったからという理由で両腕を消され、再起不能になった。もし、もし私がトラブルにあったら、私もあんなふうに再起不能になるの?身体の末端から徐々に体温が逃げていくのがわかる。
「それでも構わない、という方のみついて来てください」
そうおじさんが言い終えると彼は私たちに背を向けて洞窟の奥へ進み始めた。私の横、前、後ろ、至る所から地面を擦る音が聞こえる。ザッ、ザッ、ザッ。そんな中私は動けない。半端な覚悟で来てしまったから改めて命を落とすかもしれない恐怖を提示されると、死が間近に迫っている気がして動けなかった。
ここを動かなければ、今すぐ来た時のエレベーターに乗り込めば、まだ受けないで済む?私の手を握ってくれているゴンは動かない。動かないでいてくれている。これは私の問題って分かってるから無理に行こうとか手を引っ張ったりなんて絶対にしない。私が帰るといえば手を離して、またねって笑顔を向けてくれるだろう。これは私の問題。命を掛けてまで欲しいものが私にはある?再起不能になってまで手にしたいものがある?…………怖い、この奥に行くのも、周りの足音も。
「ルル」
優しい声音が耳を通り抜ける。隣の彼は、優しい昔みたいな無邪気な笑顔を浮かべていた。……試験中に目的が見つかるかもしれない。この会場に来れたのだってあのイケメンのおかげ。無理だと思ったら死んじゃう前に辞退しよう。だって私まだ、ゴンと居たい。
周りの足音に遅れる形で一歩踏み出す。ゴンはそれを見届けて一緒な速度で歩いてくれる。怖い、怖い。だけど隣の彼が、クラピカが、レオリオが居てくれるなら私は頑張れる気がするから。目的が、見つかる気がするから。
(ハンター試験、開始だ)
金髪もでるのクラピカ(もでるは私が勝手に決めた)と既に仲良く打ち解けていた。お互い女の子だし自己紹介は自分で言えなかったけどその後勇気出して声掛けて良かったぁ、ゴンがいるからあんまり心細くないけど更に数少ない女の子と一緒に居られるっていうの、気持ち的にだいぶ余裕ができたように感じる。
クラピカはまじかで見るとそれはもう文字通りの美少女で。まつげ長いし髪の毛サラサラ、肌は白い。私が欲しかったもの全て、全てが彼女には備わってる。……もしかして私がこんな容姿だったらもでるになれてたのかも……なんて。うへへ。
「クラピカって意外と身長高いんだね」
「ふふ、私はもうちょっと欲しいくらいなのだが」
あ”ーっっっ!!!何そのハニカミ!!!え、なに?!?!ねぇ何それ!!!めっっっっちゃ可愛いじゃん!!!!いやもう美しい、もう、もう眩し過ぎて細目になっちゃう、やばいもう可愛い好き。語彙力無くなっちゃう、元から無いのに全て無くなっちゃう。
「私だってもっと伸ばしたいのに……!」
「ルルはそのままで十分可愛らしいよ」
どぎゅん。心臓鷲掴み。私クラピカにその言葉言われる為にこの身長になりました、はい。この身長でよかった。今の身長より1ミリでも小さかったり大きかったりしたら言われてないかもしれないし、昔の私この身長で留まってくれてありがとう……!!!
「く、クラピカも!クラピカも可愛い!て言うかクラピカの方が可愛い!美しい!」
「ありがとう、しかしどちらかと言うと“かっこいい”の方が嬉しい気もするな」
「かっこいい…?クラピカは可愛いし綺麗だしクール!」
「…あまり変わっていない気が……」
あぁ、そんな微妙な顔して苦笑い浮かべる所もいい、美しい、そんな顔も美しいなんて神様ったら不平等……!ううんクラピカだからこんなに綺麗な容姿になったんだよ、はぁすき……、てかゴンったらここに来るまでこんな美少女と行動を共にしてたの……?羨ましい!私も一緒にいたかった!ボディガードさんのレオリオに頼んで一回だけ、一回だけぎゅってしていいかな……女の子同士だし問題ないでしょ……手を握るだけでもいいの……!!
「そう言えばルルはなぜこの試験を?」
「私?私はね、ゴンの家族から頼まれて一緒について行ってあげてって。ここに来た時、あ、みんな本気だって思ってさ。私だけ動機が不純かなぁなんて罪悪感もあるんだけど」
そうそう、忘れそうになるけど私自分の意思って言うより頼まれてきたっていう方がこの試験を受けた理由の大半を占めてるんだよね。ゴンに会いたいがために二つ返事で了承したけど……ハンター試験。改めて考えると私みたいな半端な覚悟で来る場所じゃない。毎年この試験で命を落とす人なんて両手を遥かに超えるし、みんな目的をもってこのハンター試験に望んでる。
でもかという私は既にゴンに会うという目的を果たしてしまって、もうこの試験を望む理由がない。ライセンスを取ったって私みたいな故郷から全然出ない人なんて持ってる意味がないも同然。それなら本気でライセンスを取りに来ている人に譲った方が早いし、そういう人が手にする方が断然私なんかよりもいい。……だから少し、ううん、結構罪悪感に押し潰されそうなんだよね。あのイケメンとここに来た時雰囲気がもう本気だった。本気の人で溢れかえってたから。私みたいな半端者はきっと歓迎されてない。されないに決まってる。
「あまり難しい顔をしないでもいい」
彼の声に無意識に爪先を見つめていた顔を上げる。優しい、顔。
「何も目的がなくここに来るのが悪いという事ではない。力試しという理由で来ている輩も居るからな。ルルは、試験中にはっきりとした目的が出来るかもしれない。だから、そう落ち込まなくてもいいんだ」
にこりと目尻を細めて優しい笑顔を向けてくれる。つられてへらっとだらしない笑みを零してしまった。
試験中に目的、か。試験中、私にも何かしらライセンスを取りたいって、絶対に取りたいって思う目的ができるのかな。…そうだな、クラピカの言う通り。今はまだ何も無くたってこれから出来るかもしれない。今はまだゴンと一緒にいたいって、それだけでいいのかもしれない。
「…クラピカってなんか余裕あるなぁ」
「私だって緊張しているよ」
「え〜、嘘だ」
ゴンみたいにふわっとした雰囲気が伝わってきた。なんか安心できるなぁ。
ジリリリリリリリリリリリッッッ
そんな雰囲気をぶち壊しにしたのは洞窟全体に突如として響き渡ったベルの音だった。向こうで話していたゴンとレオリオもそのベルの音を聞き、私とクラピカの元へ近寄ってきた。なんだか怖くてゴンの袖を握ったら私と同じくらいだった手はいつの間にか大きくなっていて、私の手を簡単に包んでくれた。
暫くうるさい程のベルが鳴り続いた。次いでピタッとその音が止まると私を含め受験者全員の目が上空へ注がれた。
洞窟内を通るパイプ管の上に一人の男性がたっている。口髭を生やし黒いスーツに身を包んだダンディなおじさん。その人の手にはベルのような、何かの顔のようなものが握られていてそれがさっきの音を鳴らしていたのかと納得した。
「ただ今をもって、受付時間を終了致します。では、これよりハンター試験を開始いたします」
パイプ管の上に立っていた男性はふわりと身軽そうに私たちと同じ地面へ降り立ち受験者全員の顔を見渡す。ゴンの手を握る強さが、無意識に強くなった気がする。
「こちらへどうぞ」
スーツのおじさんは固まる受験者の前に立って暗くて見えない先へ促している。
暗い、な。少しだけ怖い。ゴンに心配かけたくないから言いたくないけど。
「さて、一応確認致しますが、ハンター試験は大変厳しいものもあり、運が悪かったり、実力が乏しかったりすると怪我をしたり、最悪の場合、死に至ります。先程のように、受験生同士の争いで再起不能になる場合も多々ございます」
ひゅ、と、喉が鳴った。さっき一人の受験者がぶつかった時に謝らなかったからという理由で両腕を消され、再起不能になった。もし、もし私がトラブルにあったら、私もあんなふうに再起不能になるの?身体の末端から徐々に体温が逃げていくのがわかる。
「それでも構わない、という方のみついて来てください」
そうおじさんが言い終えると彼は私たちに背を向けて洞窟の奥へ進み始めた。私の横、前、後ろ、至る所から地面を擦る音が聞こえる。ザッ、ザッ、ザッ。そんな中私は動けない。半端な覚悟で来てしまったから改めて命を落とすかもしれない恐怖を提示されると、死が間近に迫っている気がして動けなかった。
ここを動かなければ、今すぐ来た時のエレベーターに乗り込めば、まだ受けないで済む?私の手を握ってくれているゴンは動かない。動かないでいてくれている。これは私の問題って分かってるから無理に行こうとか手を引っ張ったりなんて絶対にしない。私が帰るといえば手を離して、またねって笑顔を向けてくれるだろう。これは私の問題。命を掛けてまで欲しいものが私にはある?再起不能になってまで手にしたいものがある?…………怖い、この奥に行くのも、周りの足音も。
「ルル」
優しい声音が耳を通り抜ける。隣の彼は、優しい昔みたいな無邪気な笑顔を浮かべていた。……試験中に目的が見つかるかもしれない。この会場に来れたのだってあのイケメンのおかげ。無理だと思ったら死んじゃう前に辞退しよう。だって私まだ、ゴンと居たい。
周りの足音に遅れる形で一歩踏み出す。ゴンはそれを見届けて一緒な速度で歩いてくれる。怖い、怖い。だけど隣の彼が、クラピカが、レオリオが居てくれるなら私は頑張れる気がするから。目的が、見つかる気がするから。
(ハンター試験、開始だ)