ハンター試験
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先程このハンター試験会場でゴンと4年ぶりの再会を果たした私は、
「ほんっとにありえないから!」
「ご、ごめんなさい……」
目の前のつんつん頭の少年、ゴンにブチ切れていた。
事の発端はつい先刻、ゴンと再会を果たしたばかりのときだった。別にゴンが抱きしめてくれたその腕の力が強くて怒ってるわけじゃない。そこまで心が狭い女じゃないから!
お互いに抱き締め合って少しして。体を離せば目の前には昔と何ら変わりない探し求めていた少年がいた。私の姿をその大きな瞳に写して口元はニッコリと笑みを作っている。なんかそのまま大きくなったみたい。なんにも変わってないんだから、もう。
「本物だ!本物のルルだ!」
「当たり前でしょ、ほらこれ」
未だに信じられないという声音で私の名前を呼ぶゴンに手首に付けているミサンガを見せた。
ゴン自身が作って私にくれた私の宝物。あの時は8歳だったからミサンガの模様もぐっちゃぐちゃ。だけどそれも全てが愛しい。さよならしたあの日から肌身離さず持ち続けている大切なもの。
なのに。
「え、なに?それ」
「…………は?」
そうこの男は自分であげた、しかも自分で作ったものなのに何一つ覚えてなかったんだ。こうして冒頭へ戻る。
「自分であげたものくらい覚えときなさいよ!」
「うぅ、本当にごめん……」
「大体手紙だって1年そこらで途絶えるし、私がどれだけ寂しい思いしたと思ってんの!」
弁解する暇もなく私の口はゴンの落ち度を責め続ける。一度言い出したら今まで思っていた不満も爆発して4年ぶりだって言うのに初っ端から喧嘩勃発。というか私が一方的にべらべら文句言ってる。4年間の不満が溢れた。でも自分であげたもの忘れてるってゴンの記憶力疑う、ほんとに。私はあんなに鮮明に覚えてるって言うのに……
「…ゴンにとって私はそれだけの存在だったんだ」
「ちがう!」
ぽとりと心にもないことを零してしまった時、野生並みの耳の持ち主のゴンはさっきまで私の前で正座してお説教されていたにも関わらず立ち上がり、痛いくらい手を握ってきた。急なことにびっくりした私の体は反射的に仰け反っていて。
あの、ゴンくん。少し近いななんて思ってるんですけど、
「ルルを忘れたことなんて一度もない!」
「ミサンガ忘れてるくせに」
「そ、それは…ごめん。でも!手紙は通信スクールが少し忙しくなっちゃって気づいたら返すタイミング逃してさ。ルルからももう途絶えてたみたいだし」
「ゴンが返事よこさないから」
「ご、ごめん……合間ぬって返せばよかったね」
あ、この顔。この困った顔。何だかミトさんとそっくり。私たちがお別れする最後の夜の日、2人でわんわん泣いていた時ミトさんはずっとこの困った顔をしてた。なんだか懐かしいなぁ、ほっこりする。
きっと私この顔弱いんだ。今発見した。だってこの顔みたらなんだか私が悪いことしてるみたいになる。それ以上にこの顔を見るとなんでも許してしまう気持ちになる。
「……もう、今回だけ許す」
「!ほんと?ありがとう、ルル!」
都合のいいやつだ、ゴンって。わざとじゃないのは分かってるしこれが素なのは分かってる。こうやって許してもらえた途端嬉しそうに顔を上げて抱きついてくる所とかゴンにとっては当たり前で、これが素なんだ。
ミサンガのこと覚えてなくていいや。私はしっかりゴンからこれを受け取ったことを覚えてるし、私だけが知ってればいいかな。だってあの時私とんでもなく恥ずかしいことを言ってるから。そう考えたらゴンの忘れっぽいところに感謝かなぁ、なんて。
「ゴン」
ふと、わたしに抱きついている彼を呼ぶ声がした。ゴンは体を離してこれの方を向けばにぱっ、と笑顔になって「クラピカ、レオリオ」と聞きなれない名前を口にした。私もゴンに続いて笑顔をむける先に目をやれば。
見たこともない美少女がそこにいた。金髪のショートヘアでついでにサラサラ。絶対指通りいいでしょっていう髪。しかも金髪。私がどれだけ憧れたことか。
それに加えて長身で足がすらっと長くて肌が白くて、スタイル抜群。ちらっと本で見たことある“もでる”さんみたい。その職に就いてますって言われても全然疑わない。それくらいに綺麗で美しい。
その隣に立っている美少女よりも背の高い男の人はボディガードか何かかな。大変だろな、こんなに美しい人を護衛するのも簡単なものじゃないんだろうな。ご苦労様です。
「そちらは?」
ひえっ。金髪美少女が私に目を向けてゴンに問い掛けた。こ、ここは自分で自己紹介するべき?!ただでさえ女の人が少ないハンター試験、ここで仲良くならなきゃいつなるの!頑張れルル!あなたなら出来る!ゴンと面識あるのが幸い、いけー!
「あ、私っ!」
「ルルって言うんだ、俺の幼馴染なんだけど引っ越しちゃって、4年間あってなかったの」
おーまいがああああっ!!!!ゴン!君は天然なのか小悪魔なのか……!!さっきの困った顔に絆された自分が恥ずかしい!私自分で言いたかったのに!この美少女と仲良くなりたかったのに……!!!ボディガードさんが許してくれるか分からないけど!!!!
「それと、将来の俺のお嫁さん!」
……ん?…………待て待て待てゴン、君ミサンガのこと覚えてないんじゃ……
ソレト、ショウライノオレノオヨメサン。
ショウライノ、オヨメサン。
オヨメ、サン。
…………こいつおぼてんじゃねーかああああ!!!!それ、そのセリフミサンガくれた時にちゃっかり私が「私の事、ゴンの将来のお嫁さんにしてね」って言っちゃったやつ!!嬉しいと寂しいのがごちゃ混ぜになってぽろっと出ちゃったやつ!こいつ、覚えてるじゃん!
私の顔は今にも火を吹き出しそうで。美少女とボディガードがぽかんと口を開ける中ゴンはあざとさMAX、ぺろっと舌を出して私を見ていた。
(ルルは昔から騙されやすいから、変わってないのかなって思って)
(小悪魔スキル習得してる……!!!)
「ほんっとにありえないから!」
「ご、ごめんなさい……」
目の前のつんつん頭の少年、ゴンにブチ切れていた。
事の発端はつい先刻、ゴンと再会を果たしたばかりのときだった。別にゴンが抱きしめてくれたその腕の力が強くて怒ってるわけじゃない。そこまで心が狭い女じゃないから!
お互いに抱き締め合って少しして。体を離せば目の前には昔と何ら変わりない探し求めていた少年がいた。私の姿をその大きな瞳に写して口元はニッコリと笑みを作っている。なんかそのまま大きくなったみたい。なんにも変わってないんだから、もう。
「本物だ!本物のルルだ!」
「当たり前でしょ、ほらこれ」
未だに信じられないという声音で私の名前を呼ぶゴンに手首に付けているミサンガを見せた。
ゴン自身が作って私にくれた私の宝物。あの時は8歳だったからミサンガの模様もぐっちゃぐちゃ。だけどそれも全てが愛しい。さよならしたあの日から肌身離さず持ち続けている大切なもの。
なのに。
「え、なに?それ」
「…………は?」
そうこの男は自分であげた、しかも自分で作ったものなのに何一つ覚えてなかったんだ。こうして冒頭へ戻る。
「自分であげたものくらい覚えときなさいよ!」
「うぅ、本当にごめん……」
「大体手紙だって1年そこらで途絶えるし、私がどれだけ寂しい思いしたと思ってんの!」
弁解する暇もなく私の口はゴンの落ち度を責め続ける。一度言い出したら今まで思っていた不満も爆発して4年ぶりだって言うのに初っ端から喧嘩勃発。というか私が一方的にべらべら文句言ってる。4年間の不満が溢れた。でも自分であげたもの忘れてるってゴンの記憶力疑う、ほんとに。私はあんなに鮮明に覚えてるって言うのに……
「…ゴンにとって私はそれだけの存在だったんだ」
「ちがう!」
ぽとりと心にもないことを零してしまった時、野生並みの耳の持ち主のゴンはさっきまで私の前で正座してお説教されていたにも関わらず立ち上がり、痛いくらい手を握ってきた。急なことにびっくりした私の体は反射的に仰け反っていて。
あの、ゴンくん。少し近いななんて思ってるんですけど、
「ルルを忘れたことなんて一度もない!」
「ミサンガ忘れてるくせに」
「そ、それは…ごめん。でも!手紙は通信スクールが少し忙しくなっちゃって気づいたら返すタイミング逃してさ。ルルからももう途絶えてたみたいだし」
「ゴンが返事よこさないから」
「ご、ごめん……合間ぬって返せばよかったね」
あ、この顔。この困った顔。何だかミトさんとそっくり。私たちがお別れする最後の夜の日、2人でわんわん泣いていた時ミトさんはずっとこの困った顔をしてた。なんだか懐かしいなぁ、ほっこりする。
きっと私この顔弱いんだ。今発見した。だってこの顔みたらなんだか私が悪いことしてるみたいになる。それ以上にこの顔を見るとなんでも許してしまう気持ちになる。
「……もう、今回だけ許す」
「!ほんと?ありがとう、ルル!」
都合のいいやつだ、ゴンって。わざとじゃないのは分かってるしこれが素なのは分かってる。こうやって許してもらえた途端嬉しそうに顔を上げて抱きついてくる所とかゴンにとっては当たり前で、これが素なんだ。
ミサンガのこと覚えてなくていいや。私はしっかりゴンからこれを受け取ったことを覚えてるし、私だけが知ってればいいかな。だってあの時私とんでもなく恥ずかしいことを言ってるから。そう考えたらゴンの忘れっぽいところに感謝かなぁ、なんて。
「ゴン」
ふと、わたしに抱きついている彼を呼ぶ声がした。ゴンは体を離してこれの方を向けばにぱっ、と笑顔になって「クラピカ、レオリオ」と聞きなれない名前を口にした。私もゴンに続いて笑顔をむける先に目をやれば。
見たこともない美少女がそこにいた。金髪のショートヘアでついでにサラサラ。絶対指通りいいでしょっていう髪。しかも金髪。私がどれだけ憧れたことか。
それに加えて長身で足がすらっと長くて肌が白くて、スタイル抜群。ちらっと本で見たことある“もでる”さんみたい。その職に就いてますって言われても全然疑わない。それくらいに綺麗で美しい。
その隣に立っている美少女よりも背の高い男の人はボディガードか何かかな。大変だろな、こんなに美しい人を護衛するのも簡単なものじゃないんだろうな。ご苦労様です。
「そちらは?」
ひえっ。金髪美少女が私に目を向けてゴンに問い掛けた。こ、ここは自分で自己紹介するべき?!ただでさえ女の人が少ないハンター試験、ここで仲良くならなきゃいつなるの!頑張れルル!あなたなら出来る!ゴンと面識あるのが幸い、いけー!
「あ、私っ!」
「ルルって言うんだ、俺の幼馴染なんだけど引っ越しちゃって、4年間あってなかったの」
おーまいがああああっ!!!!ゴン!君は天然なのか小悪魔なのか……!!さっきの困った顔に絆された自分が恥ずかしい!私自分で言いたかったのに!この美少女と仲良くなりたかったのに……!!!ボディガードさんが許してくれるか分からないけど!!!!
「それと、将来の俺のお嫁さん!」
……ん?…………待て待て待てゴン、君ミサンガのこと覚えてないんじゃ……
ソレト、ショウライノオレノオヨメサン。
ショウライノ、オヨメサン。
オヨメ、サン。
…………こいつおぼてんじゃねーかああああ!!!!それ、そのセリフミサンガくれた時にちゃっかり私が「私の事、ゴンの将来のお嫁さんにしてね」って言っちゃったやつ!!嬉しいと寂しいのがごちゃ混ぜになってぽろっと出ちゃったやつ!こいつ、覚えてるじゃん!
私の顔は今にも火を吹き出しそうで。美少女とボディガードがぽかんと口を開ける中ゴンはあざとさMAX、ぺろっと舌を出して私を見ていた。
(ルルは昔から騙されやすいから、変わってないのかなって思って)
(小悪魔スキル習得してる……!!!)