ハンター試験
name change
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「オッサンの名前は?」
私たちが出会ってすぐ、ゴンとは違うような好奇心旺盛なキルアがレオリオに話を振った。
……確かにレオリオって何歳なんだろう。ま、まぁ、オッサンに見えるけどさ……
「オッサ、……!これでもお前らと同じ10代なんだぞ俺はよ!!」
「「「ウソォ!?!?」」」
レオリオが同じ10代だという衝撃事実を知った驚きとゴンとキルアと話す楽しさでさっきまでの辛さを忘れていた。キルアと話すのはムカつくけど、なんか顔がむかつく、態度もムカつく。
とまぁ、そんな余裕は私の中でも最高記録の1時間という長さで幕を下ろした。時間わかんないから感覚だけどね、ゴンとキルアが言ってた。
私がバテた時は悲惨だった…………
「でさぁ、その時ルルが」
「昔っから変なやつだなあいつ」
2人が何故か過去の私の話で盛り上がっていた時だった。その時既にクラピカは私達よりも前方を走っていたので居なかったんだけど…………今まで同じペースでついて行けていたハズなのに段々、1歩、2歩、遅れを取ってしまっていた。
ひゅ、ひゅと呼吸も浅くてもう2人の会話についていけない程。視界がぼやぼやしてて、汗だか涙だかもうわかんなくなってた。
あ、もうだめだこれ。汗が止まんなくて、きっと今顔が真っ赤。足が縺れて倒れ込んだ後、地面がこんなに冷たいのを初めて知ったのを覚えてる。
「それでねまだあるんだけど…………、あれ、ルル?」
「そーいや声聞こえねーな」
私が倒れて数分後、2人は後ろを振り返って絶叫したらしい。これは復活してからレオリオに聞いた。振り返った後私の姿は遥か彼方、つまり、彼らの目では捉えられないほど遠くで倒れていたんだって。2人して猛ダッシュで私を取りに行ったって言われた時は普通に笑った。その後キルアに叩かれたけど。
彼らに迎えにこられた後、私が目を覚ましたのはゴンの背中の上だった。ヨダレついてないか不安だったけど冷たい感じはしないって言ってたし安心した。
「いびきはやばかったけど」
キルアのその言葉に固まったけど。ゴンが否定しないで困ったように笑ったってことは事実ってこと。死にたい。ぶらじゃーの話と共にいびきの話とも一緒に葬り去られたい。
そして私は未だゴンの背中の上で揺さぶられながら乗っている。
あー、おんぶって楽だな。走らなくていいし寝てられるししんどくないし。幸せ。しかもゴンの背中広いから寝心地いいし。
首に腕を回して彼の肩甲骨辺りに頬を寄せ、寝る体勢に入る直後。
ドサッ、
その音にゴンが足を止めたから彼の後頭部とおでこがぶっついた。ごつ、なんて鈍い音を響かせ乍頭の中に響く。
ったく、一体何。急に止まってさ。悪態をつきつつゴンが振り向いた先の背後へ目を向ける。
「レオリオ!」
レオリオが、自身のバッグを床に落として、膝に手をついて、立ち止まっていた。
急に自分が恥ずかしくなった。
恥ずかしくて情けなくて弱いと思った。後ろからキルアの声が聞こえるけどゴンも私も耳に入ってこない。
そっ、とゴンの背中から降りるけど彼は何も言わない、何も言わないでくれる。降りた後私もレオリオの方を見つめる。
ハァハァと雑に肺へと酸素を送った後、彼は言った。
「…………………………ざけんなよ」
次の雄叫びには初めてレオリオにカッコイイって思った。
「絶対ハンターになったるんじゃああああっっ!!くそったらァあああっ!!」
そんな雄叫びと共に私たちさん人の横を目にも止まらぬ速さで通り過ぎて行った。その先をずっと見てるうちに、レオリオが置いていってバッグをゴンがお得意の釣竿で手元に手繰り寄せていた。
私も走ろう。あんなかっこいい姿見せられちゃ人におんぶなんてさせられない。私も自分の力でコレ、合格したい。
「おいゴン、お前それ担いだらルルの事持てねぇんじゃね?」
「あ、そっか。……キルアにおぶってもらう?」
「ぜってーやだね、重そうだし」
…………アンタ達はね、人がせっかく決意したってのに、その横でぺちゃくちゃとね………………!!
「自分で!走ります!」
「まじ?またぶっ倒れるだろ絶対」
「ルルほんとに大丈夫?無理なら遠慮なく言っていいんだよ?」
あーもういいです!私自分で走ります!走りたいんで!
1人はからかい、1人は過保護に付きまとうのがうざくて2人より先に走り出した。
そんな意気込みも一瞬で泡に消えたのは走り出してもう1時間たった頃。今度は倒れる前にゴンが(ずっと私の事をチラチラ見てたから)気付いてくれて、今現在キルアに担がれてます。スケボーはゴンが持つことになりました。
「ふは、ほんと早ぇー!」
「う、うっさい!私なりに頑張った!また復活したら自分で走るし!」
「ルル無理しなくても俺達が運ぶよ?」
「それじゃ意味ないの!」
「人の上で喚くなよ」
キルアの上でバタバタ暴れていたけど睨まれたので大人しくなりました。
ゴンはすぐ私の事甘やかすからすぐ甘える私も私だけどさ……!
……そんなこんなで一次試験、彼らの背中にお世話になりそうです。
(思ったより軽いな…)
(「キルア、変なこと思ってるでしょ?」)
(「は?!なわけねぇだろ!」)
(「ぐごぁあ……ずごご…」)
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