異能の世界から侍の世界へ
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バンッ
部屋に銃声が響き渡った
「織田作!!」
1人の少年が駆け込んでくる
その少年に続き可愛らしい少女が焦った顔をして織田作と呼ばれた男の手を握る
織田作と呼ばれた男を抱き起こした少年はその手に夥しい量の血に濡れている事に驚く
少年は血が付いた手を握りしめ云う
「莫迦だよ織田作……君は大莫迦だ!」
「ああ……」
「あんな奴に付き合うなんて……」
少年の隣にはポタポタと涙を溢す少女
少年も泣きそうな顔をしている
「……太宰…陽菜乃…お前達に云っておきたい事がある…………」
『ダメッ!まだ助かる…から……』
「そうだきっと助かる……!だからそんな風に……」
「聞け……!」
はじめて聞いた男の怒鳴り声に少女はビクッと肩を震わせ少年は男の気迫にハッと押し黙る
「お前は云ったな……暴力と流血の世界に生きれば理由は見つかるかもしれないと……」
「ああ、云った……云ったがそんな事今は……」
「見つからないよ……」
「…………!」
「自分でも判っている筈だ……人を殺す側だろうと人を救う側だろうと……お前の予測を越えるものは現れない」
「……っ」
「お前の孤独を埋めるものは、この世の何処にもない……お前は永遠に闇の中を彷徨う」
「お前もだ……陽菜乃…」
名前を呼ばれた少女は肩を震わせる
『じゃあ……私達はどうしたらいいの!闇にしか生きれない私達は!』
広い舞踏室に少女の心からの叫び声が響き渡る
『私は…………ッ』
少女は話を続けようと言葉を発した時だった
なんと男の手が少女の頬に優しく包むように当てられていたのだ
『織田作……私達はどうしたらいいの?』
「……人を救う側になれ」
「……!」
『……ッ』
「どちらも同じなら……佳い人間なれ…弱者を救い、孤児を守れ……正義も悪もお前達には大差ないだろうが…………
その方が幾分かは、素敵だ」
「……何故判る…?」
「判るさ…………誰よりよ判る
俺は………お前達の友達だからな」
「『……判った…そうしよう』」
涙を手で払いニコッと頬笑む
「…………人は、自分を救済するために……存在するか…確かにその通り…………だ」
ゆっくりとその場に男を横たえ、暫しの沈黙の後
少女と少年は決意したように立ち上がった……