君はかわいいエトランゼ
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
おまたせしましたプリンセス。なんて言葉と一緒にテーブルにおかれたのは、私がいつも注文するベイクドチーズケーキの、中でも一番好きなラズベリーソース掛けだ。
しかも、いつもよりもでっかくって、きれいに絞り出されたホイップクリームのてっぺんには、星形のクッキーまでついている。
一緒に出された紅茶は、これまた私の一番好きなアールグレイ。しかも、練乳をそえてくれている(紅茶に練乳を入れると、すごくクリーミーでおいしいと私は常々思う。)
うわー…おいしそうめっちゃおいしそう。
にやにやと顔が緩むのを止められない。
いただきます、と手を合わせてから、チーズケーキを頬張る。
…おいしい…ものすごく。
うれしくなって、大きめに切った二口目を口に運ぶ。
顔をあげたら、まるで野良猫に餌をやるマリア様みたいな目をした店長さんと目があった。
カウンターに頬杖をついて、店長さんが、楽しそうに言う。
「名前ちゃん、好きだよね。ラズベリーソース。」
…なんで知ってるんだろう。私、そんなことはなしたことないのになぁ(というか、話したこと自体、あまりない)。
びっくりしてる私をよそに、実に楽しそうに店長さんは言う。
「あとはアールグレイと、パエリアと、あァ、テリーヌは大好物だよな。それから、」
ちょ、ちょっと待って。なんでそんな事知ってるの、この人。あまりにも混乱したような顔をしてたんだろう、私をみて店長さんは喉を鳴らして笑った。うわ、かっこいい、じゃなくて。
「みてればわかるよ、いっつもすげぇおいしそうな顔して食べてくれるから。」
「…私、見ててわかるほどおいしそうに食べてるんですか?」
見てれば、という言葉に条件反射みたいに顔が赤くなった。まさか、食べてるときのにやけ顔をずっと観察されてたとか、そんな意味ではないはず。自分に言い聞かせながらなんとか返事をする。
「うん。にこにこしながらたべてるよ。さっきみたいに。すげェ可愛いなって思ってた。」
まっすぐ目を見つめられて、どくん、と心臓が跳ね上がった。
「い、いやいや、」
あはは、と笑って流そうとする。いや、これはあれだから、女の子大好きな人だから、ほら、さっきもでるもさんにこんな感じの事言ってたじゃん。落ち着け、自分。
必死に言い聞かせても、また顔が熱くなっていくのがわかった。ああ、格好悪い。
妙に居心地悪いので話をそらすことにする。
「な、なんか今日はやけにすいてますね、いっつもお客さんいっぱいいるのに。」
「うん、今日はもう店、しめたんだよね。名前ちゃんと二人っきりになりたかったから。」
店長さんはさっきと同じ、冗談だか本気だかわからない調子で話す。
二人っきりになりたいとか、冗談でも本気にしちゃう人がいるから、いや、誰とは言わないけど、いやいや私じゃないよ、私が、じゃなくて本気にしちゃう人が居ると思うから、えーと、
頭に血が上ったまま一瞬でいろいろ考えて、とっさに出てきた言葉が、
「…またまたぁ、店長さんったらお戯れを…」
「…いや、お戯れってど名前ちゃんどこの越後屋だよ。」
さっきまでの妙な雰囲気は嘘みたいに、店長さんは的確な突っ込みをくれた。うん、自分の発言のあまりの馬鹿らしさに冷静になってきたぞ。