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…なんか疲れた。すっごい疲れた。
大好物の親子丼をもしゃもしゃ口に運びながら、仲の良い雑用係を問い詰めた。
「なんかみんなおかしくない?視線が生ぬるいというか、あとたまに私の事アホの子みたいな目で見てるような」
「…エース隊長、かわいそうに…」
「だから、何で私じゃなくてエース隊長が可哀想なの?」
「だって、隊長ずっと名前のこと大好きだったじゃん。」
「…は?」
「ちょ、おま、気づいてなかったの?」
「え、い、いつから?」
「大分前から。」
それだけ言うと、彼はあー忙しい忙しいとかいいながら、さっさと食器を片付けに行ってしまった。書庫の整理、大変なんだろうな…いや、そんな場合じゃない。
さっき言われたことを反芻する。だいすき…大鍬?大隙?…確かに私は隙だらけだろうけど、戦闘員じゃないし。
でも、今言われたことに関してはエース隊長が大好きだったと考えた方が意味が通るような。
…まさか。ちょっと早計すぎかな。隊長が、経理担当なんか好きになる訳ないじゃん。でも俺の女って『俺(が隊長を務める二番隊の経理担当)の女』の略じゃないらしいし。いやいやまさか、…
「名前。」
「エース隊長、ややこしくなるんで、今出てこないでください。」
「いいからちょっと聞けって。」
「いまそれどころじゃないんです!」
「俺もそれどころじゃ、」
「あっ、エース隊長!マルコ隊長がすぐ来いって」
「あーもう!お前、後で絶対聞けよ!」
タイミングよく表れたクルーが、都合よくエース隊長を連れ去ってくれた。よし、落ち着いて、書き出してながら考えよう。一からゆっくり。
その一。
『隊長が私を好き』説。
そうだとすると、『俺の女』は文字通り俺の女って意味になるな。昼に言ってた『俺の蘭世』も文字通りの意味になる。
『俺の女』が『俺(が隊長を務める二番隊の経理担当)の女』って意味じゃないんだから、『俺の女』に関してはしっくりくる説明かも。いや、でも一時のハイテンションとか気の迷いって可能性もあるよね。
という事で、その二。
『気の迷い』説。
隊長は、かなり気分屋だ。あんなドラマみたいな状況だったら、やっぱりお決まりの台詞は言ってみたくなるだろうな。
キスしたのだってこれで説明がつく。
エース隊長、去年好きな人居るって言ってたし。ただ、これだと『俺の女』発言を完璧に説明できないかな。
一時の気の迷いだったら、今になって『俺の女』が『俺(が隊長を務める二番隊の経理担当)の女』って意味じゃないって怒ったりしないはず。
キスしたのは、『隊長が私のこと好きだった』で説明つくしなぁ。…そう考えると、エース隊長が私のこと、す、すすす、好きみたいじゃん。
いや、でも四年まえにキスなんて挨拶みたいなもんだろって、言ってたし、いやでもな、いやいや、っあーもうめんどくさい…
「なんだこれ、なにやってるの名前ちゃん」
「さすがサッチ隊長、いいところに!」
うん、こういう時は第三者の意見を参考にするのがいいんだよね。サッチ隊長のにやけ顔が神々しくすら見えた。
「サッチ隊長…折り入ってご相談が。」
「かくかくしかじかで、なんか、エース隊長、私のこと好きみたいですよねー!うっかり勘違いしそうに、あはは」
お酒を片手にサッチ隊長に話す。うん、さっきまで混乱してたのが嘘みたいだ。良かった勘違いしなくて、本気にしたら危うく恥かくところ、
「いや、エースは名前ちゃんのこと大好きよ?」
「まったまたぁー!サッチ隊長、その手には乗りませんって」
三杯目のグラスを飲み干した。かなり酔いが回ってる。まずい。と思いながら、ハイテンションが止められない。
「去年くらいに言ってましたよー、エース隊長、好きな人居るって」
「それ、名前ちゃんのこと。」
「ええー…ご冗談を、あはは」
「あいつ、名前ちゃんの事になると手がつけらんねぇの」
こないだも、めちゃくちゃ怒ってただろ?、サッチ隊長は包丁を研ぎながら続ける。
「前の島でも、暴れてたじゃねェか」
「あぁ、おかげで私は賞金首ですよ。」
「そうそうそれ」
「あれは私関係ないですよ。巻き添え食っただけだもん」
「あのとき何してた?」
「何って…買い物してましたよ、普通に」
「話しかけられただろ?男に」
「ああ…そうだっけ?」
「そうそう。エース、そいつのことぶっ飛ばした拍子に海兵隊に出くわして…」
四杯目。一口飲んだらくらくらめまいがして、テーブルに突っ伏した。あー…飲み過ぎたな…
テーブルが冷たくて気持ちいい。目を閉じると、世界がぐらぐら揺れているような錯覚をした。
*
誰かが頭を撫でている。
遠いような近いような距離から、話し声がするのをぼんやり聞いていた。
「おい」
「あァ、エース。」
「何名前に飲ませてんだよ、こいつ酒弱いのに」
「いや、どっかのバカのせいで飲みたい気分だって言うから」
「…俺だって飲みたい気分だよどっかのバカのせいで…」
「丁度いいや、名前ちゃん部屋まで運んでやれ」
「ばっ、おま、何言って」
「やっだーぁ何想像してるのぉ、エース隊長ったらやらしー」
「サッチてめぇしばくぞ」
「エースが運んでやらないんなら俺がドゥホッ」
「俺が連れてく、もうお前名前に触んな!」
エース隊長、かな?そういやさっきから話があるとか言ってたな。てゆーか、朝からか。何だろ…まさか、好きです、とか?
「名前、起きろって」
「んー…」
体を揺さぶる、体温の高い手。少しくすぐったくて、くすくす笑ってしまう。
「名前。」
低い声が私を呼ぶのを、夢うつつで聞いていた。
軽くため息をついて、私の隣に座る気配。
「お前なぁ…いくらなんでも鈍すぎだろ」
髪の毛をくしゃくしゃとかき回す。明日セットするの大変だからやめて下さい、と思ったけど眠くて口が動かない。
「可哀想になぁ…エース、四年前からの苦労がなかなか報われなくて…ぶふっ」
「うっせぇサッチ黙ってろ、つーかお前あっちいけ」
エース隊長ったらやらしー、とかいうサッチ隊長の声が遠ざかっていく。
机に突っ伏したまま、エース隊長に声をかけた。
「たいちょー」
「…起きてたんならさっさと返事しとけよ」
「四年前からの苦労って何ですか」
「……俺が四年前からずっと好きな女が、すげぇ鈍いんだよ」
「へーぇ、お気の毒ですねー」
「ああ、もうやってらんねえよ。そいつ、よくわかんねェ勘違いを延々としやがるんだ」
「へぇー…」
「キスしてもあれは一時のハイテンションがどうこうとか言ってるしさ」
「ふーん…」
「確かに俺もキスなんて挨拶みたいなもんだとか言ったことあるけど、」
…どっかで聞いた話だ。
「『俺の女』も『俺(が隊長を務める二番隊の経理担当)の女』の略だとか言って、」
…なんかそれ、私みたいな人だな…
サッチ隊長も言ってたっけ。エース隊長の好きな人は私だとかなんとか。
だけど。
ぼんやり考える。
エース隊長はまるでドラマの主人公みたいな人だ。白ひげ海賊団二番隊隊長、火拳のエース。一夜のロマンスだとか、マドロスロマンだとか、惚れたはれただとか、それ以外にも、物騒なドラマには事欠かない。
「なァ、…いい加減、気づけって…」
私は、ずっと平々凡々に過ごしてきた。海賊なのに経理担当。大したドラマなんてない、タイプを打つ日々。
エース隊長は私の髪の毛を指に絡めながら話す。体温の高い、大きな手が心地良かった。低い声。隊長みたいな人が、どうして私を好きなんて言うんだろう。
期待するだけ無駄、多分私の勘違いだ。
ああでも、
「…エース隊長が、私のこと好きだったらいいのに…」
ポツリと呟いた。私の髪を弄んでいた指が止まる。
「エース隊長、さっきからまるで私のこと好きみたいな事いってますよー」
「『みたい』じゃなくて、好きなんだよ。」
顔を上げる。隊長と、目があった。真剣な顔。
「あの、エース隊長、」
「名前、好きだ。お前が。」
「もう変な勘違いするなよ。…俺は、お前のことが好きなんだよ。」
私に釘を刺すみたいに言う。
「えっ…エース、たいちょ、す、すきって、鍬じゃなくて、好きってどういうッ…」
唇に何か熱くて柔らかいものが触れる。なんだこれ、あ、唇か。隊長の。あれ、前にもこんなんあったような、…
「こういう事。」
唇を離して、隊長が笑う。え、嘘みたい、なんだこれ。
混乱している私をよそに、隊長が耳元で囁いた。
「なァ、名前。俺の女になれって。」
顔が熱い。エース隊長から目をそらして頷いた。まるでこんなのって、
ドラマ(嘘が本当に)
「まさか、そんな、う、嘘…」
「…だから、嘘じゃねェって」
「いや、でも」
「もっかいするか、キス…おい、お前ら、そこで何してる。」
つかつかと隊長が歩いて行って食堂のドアをあけると、バランスを崩してどしゃどしゃと床に倒れ込むクルーたち。
「…俺、エースがフられる方に1000ベリー賭けてたのに…」
「俺もだ……結局サッチの一人勝ちじゃねぇか…」
お前らなぁぁ、とか言って涙目になっているエース隊長に、人の山から這い出たサッチ隊長が、笑った。
「わりぃなエース…ぶふっ…まァ、良かったじゃねぇか…」
「サッチ、しばくぞてめぇ」
どかん。
サッチ隊長と束になったクルー達が吹っ飛ばされる。私は、巻き添えを食わないようにそっと部屋から脱出した。
大好物の親子丼をもしゃもしゃ口に運びながら、仲の良い雑用係を問い詰めた。
「なんかみんなおかしくない?視線が生ぬるいというか、あとたまに私の事アホの子みたいな目で見てるような」
「…エース隊長、かわいそうに…」
「だから、何で私じゃなくてエース隊長が可哀想なの?」
「だって、隊長ずっと名前のこと大好きだったじゃん。」
「…は?」
「ちょ、おま、気づいてなかったの?」
「え、い、いつから?」
「大分前から。」
それだけ言うと、彼はあー忙しい忙しいとかいいながら、さっさと食器を片付けに行ってしまった。書庫の整理、大変なんだろうな…いや、そんな場合じゃない。
さっき言われたことを反芻する。だいすき…大鍬?大隙?…確かに私は隙だらけだろうけど、戦闘員じゃないし。
でも、今言われたことに関してはエース隊長が大好きだったと考えた方が意味が通るような。
…まさか。ちょっと早計すぎかな。隊長が、経理担当なんか好きになる訳ないじゃん。でも俺の女って『俺(が隊長を務める二番隊の経理担当)の女』の略じゃないらしいし。いやいやまさか、…
「名前。」
「エース隊長、ややこしくなるんで、今出てこないでください。」
「いいからちょっと聞けって。」
「いまそれどころじゃないんです!」
「俺もそれどころじゃ、」
「あっ、エース隊長!マルコ隊長がすぐ来いって」
「あーもう!お前、後で絶対聞けよ!」
タイミングよく表れたクルーが、都合よくエース隊長を連れ去ってくれた。よし、落ち着いて、書き出してながら考えよう。一からゆっくり。
その一。
『隊長が私を好き』説。
そうだとすると、『俺の女』は文字通り俺の女って意味になるな。昼に言ってた『俺の蘭世』も文字通りの意味になる。
『俺の女』が『俺(が隊長を務める二番隊の経理担当)の女』って意味じゃないんだから、『俺の女』に関してはしっくりくる説明かも。いや、でも一時のハイテンションとか気の迷いって可能性もあるよね。
という事で、その二。
『気の迷い』説。
隊長は、かなり気分屋だ。あんなドラマみたいな状況だったら、やっぱりお決まりの台詞は言ってみたくなるだろうな。
キスしたのだってこれで説明がつく。
エース隊長、去年好きな人居るって言ってたし。ただ、これだと『俺の女』発言を完璧に説明できないかな。
一時の気の迷いだったら、今になって『俺の女』が『俺(が隊長を務める二番隊の経理担当)の女』って意味じゃないって怒ったりしないはず。
キスしたのは、『隊長が私のこと好きだった』で説明つくしなぁ。…そう考えると、エース隊長が私のこと、す、すすす、好きみたいじゃん。
いや、でも四年まえにキスなんて挨拶みたいなもんだろって、言ってたし、いやでもな、いやいや、っあーもうめんどくさい…
「なんだこれ、なにやってるの名前ちゃん」
「さすがサッチ隊長、いいところに!」
うん、こういう時は第三者の意見を参考にするのがいいんだよね。サッチ隊長のにやけ顔が神々しくすら見えた。
「サッチ隊長…折り入ってご相談が。」
「かくかくしかじかで、なんか、エース隊長、私のこと好きみたいですよねー!うっかり勘違いしそうに、あはは」
お酒を片手にサッチ隊長に話す。うん、さっきまで混乱してたのが嘘みたいだ。良かった勘違いしなくて、本気にしたら危うく恥かくところ、
「いや、エースは名前ちゃんのこと大好きよ?」
「まったまたぁー!サッチ隊長、その手には乗りませんって」
三杯目のグラスを飲み干した。かなり酔いが回ってる。まずい。と思いながら、ハイテンションが止められない。
「去年くらいに言ってましたよー、エース隊長、好きな人居るって」
「それ、名前ちゃんのこと。」
「ええー…ご冗談を、あはは」
「あいつ、名前ちゃんの事になると手がつけらんねぇの」
こないだも、めちゃくちゃ怒ってただろ?、サッチ隊長は包丁を研ぎながら続ける。
「前の島でも、暴れてたじゃねェか」
「あぁ、おかげで私は賞金首ですよ。」
「そうそうそれ」
「あれは私関係ないですよ。巻き添え食っただけだもん」
「あのとき何してた?」
「何って…買い物してましたよ、普通に」
「話しかけられただろ?男に」
「ああ…そうだっけ?」
「そうそう。エース、そいつのことぶっ飛ばした拍子に海兵隊に出くわして…」
四杯目。一口飲んだらくらくらめまいがして、テーブルに突っ伏した。あー…飲み過ぎたな…
テーブルが冷たくて気持ちいい。目を閉じると、世界がぐらぐら揺れているような錯覚をした。
*
誰かが頭を撫でている。
遠いような近いような距離から、話し声がするのをぼんやり聞いていた。
「おい」
「あァ、エース。」
「何名前に飲ませてんだよ、こいつ酒弱いのに」
「いや、どっかのバカのせいで飲みたい気分だって言うから」
「…俺だって飲みたい気分だよどっかのバカのせいで…」
「丁度いいや、名前ちゃん部屋まで運んでやれ」
「ばっ、おま、何言って」
「やっだーぁ何想像してるのぉ、エース隊長ったらやらしー」
「サッチてめぇしばくぞ」
「エースが運んでやらないんなら俺がドゥホッ」
「俺が連れてく、もうお前名前に触んな!」
エース隊長、かな?そういやさっきから話があるとか言ってたな。てゆーか、朝からか。何だろ…まさか、好きです、とか?
「名前、起きろって」
「んー…」
体を揺さぶる、体温の高い手。少しくすぐったくて、くすくす笑ってしまう。
「名前。」
低い声が私を呼ぶのを、夢うつつで聞いていた。
軽くため息をついて、私の隣に座る気配。
「お前なぁ…いくらなんでも鈍すぎだろ」
髪の毛をくしゃくしゃとかき回す。明日セットするの大変だからやめて下さい、と思ったけど眠くて口が動かない。
「可哀想になぁ…エース、四年前からの苦労がなかなか報われなくて…ぶふっ」
「うっせぇサッチ黙ってろ、つーかお前あっちいけ」
エース隊長ったらやらしー、とかいうサッチ隊長の声が遠ざかっていく。
机に突っ伏したまま、エース隊長に声をかけた。
「たいちょー」
「…起きてたんならさっさと返事しとけよ」
「四年前からの苦労って何ですか」
「……俺が四年前からずっと好きな女が、すげぇ鈍いんだよ」
「へーぇ、お気の毒ですねー」
「ああ、もうやってらんねえよ。そいつ、よくわかんねェ勘違いを延々としやがるんだ」
「へぇー…」
「キスしてもあれは一時のハイテンションがどうこうとか言ってるしさ」
「ふーん…」
「確かに俺もキスなんて挨拶みたいなもんだとか言ったことあるけど、」
…どっかで聞いた話だ。
「『俺の女』も『俺(が隊長を務める二番隊の経理担当)の女』の略だとか言って、」
…なんかそれ、私みたいな人だな…
サッチ隊長も言ってたっけ。エース隊長の好きな人は私だとかなんとか。
だけど。
ぼんやり考える。
エース隊長はまるでドラマの主人公みたいな人だ。白ひげ海賊団二番隊隊長、火拳のエース。一夜のロマンスだとか、マドロスロマンだとか、惚れたはれただとか、それ以外にも、物騒なドラマには事欠かない。
「なァ、…いい加減、気づけって…」
私は、ずっと平々凡々に過ごしてきた。海賊なのに経理担当。大したドラマなんてない、タイプを打つ日々。
エース隊長は私の髪の毛を指に絡めながら話す。体温の高い、大きな手が心地良かった。低い声。隊長みたいな人が、どうして私を好きなんて言うんだろう。
期待するだけ無駄、多分私の勘違いだ。
ああでも、
「…エース隊長が、私のこと好きだったらいいのに…」
ポツリと呟いた。私の髪を弄んでいた指が止まる。
「エース隊長、さっきからまるで私のこと好きみたいな事いってますよー」
「『みたい』じゃなくて、好きなんだよ。」
顔を上げる。隊長と、目があった。真剣な顔。
「あの、エース隊長、」
「名前、好きだ。お前が。」
「もう変な勘違いするなよ。…俺は、お前のことが好きなんだよ。」
私に釘を刺すみたいに言う。
「えっ…エース、たいちょ、す、すきって、鍬じゃなくて、好きってどういうッ…」
唇に何か熱くて柔らかいものが触れる。なんだこれ、あ、唇か。隊長の。あれ、前にもこんなんあったような、…
「こういう事。」
唇を離して、隊長が笑う。え、嘘みたい、なんだこれ。
混乱している私をよそに、隊長が耳元で囁いた。
「なァ、名前。俺の女になれって。」
顔が熱い。エース隊長から目をそらして頷いた。まるでこんなのって、
ドラマ(嘘が本当に)
「まさか、そんな、う、嘘…」
「…だから、嘘じゃねェって」
「いや、でも」
「もっかいするか、キス…おい、お前ら、そこで何してる。」
つかつかと隊長が歩いて行って食堂のドアをあけると、バランスを崩してどしゃどしゃと床に倒れ込むクルーたち。
「…俺、エースがフられる方に1000ベリー賭けてたのに…」
「俺もだ……結局サッチの一人勝ちじゃねぇか…」
お前らなぁぁ、とか言って涙目になっているエース隊長に、人の山から這い出たサッチ隊長が、笑った。
「わりぃなエース…ぶふっ…まァ、良かったじゃねぇか…」
「サッチ、しばくぞてめぇ」
どかん。
サッチ隊長と束になったクルー達が吹っ飛ばされる。私は、巻き添えを食わないようにそっと部屋から脱出した。
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